「虎の穴」へようこそ!全国大会決勝出場を目標に、日々修行中のワインアドバイザーの日記です。
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コンクールに向けての対策・勉強法について(その②テイスティング試験対策)
2017-01-03 Tue 23:20
全国のワインオタクの皆々さま、新年あけましておめでとうございます

年末ジャンボ宝くじでひと山当てて、初出勤日に会社に辞表を叩き付け、全世界のワイナリー巡りに余生を費やそうという計画が元旦早々に潰えてしまい、今年の人生計画の練り直しを迫られているロベールであります○| ̄|_

失敗とか上手くいかなかったことはその瞬間に忘れ、今年も適当ポジティヴに生きていこうと思いますので、よろしくお願いいたします。


さて、本来であれば昨年中に完結したかったコンクール対策の勉強法についてですが、新年の第一回目の今回は、後半のテイスティング試験対策についてまとめてみたいと思います

アドバイザー予選の場合は、過去2回とも1時間半の試験時間のうちスタートの30分がテイスティングの試験でありました。
アイテムはワイン3種類(白2つ赤1つのこともあれば白1つに赤2つの場合もありす)、その他のお酒2種類
ワインは3つのうち、2つはフルコメント、1つは品種と産地、収穫年のみを記述、2つのその他のお酒は銘柄名を答えるというものでした。
呼称資格試験のマークシートとは違い、もちろんコメントから最終判断・結論に至るまで全て手書きとなります。
使用言語は日本語でも英語でも構わないのですが、30分という制限ではいかんせん時間が足りません。
頭ではコメントがすぐ思いついても、それを(他人が読める)文字で書くのは、普段からかなり練習しておかないとそれで時間をロスすることになります。
この点は自身の大きな反省点でもあるのですが、この準備をしっかりとしておかないと、書くだけで時間を取られ、品種や生産地を考える余裕が全くなくなってしまいます。
したがって、コメントを考え品種や産地を当てる訓練ももちろん大事なのですが、それと並行して制限時間内に全てのコメントをきれいな文字で書き込む訓練を積んでいくことが必須となります

それを踏まえて、先ず熟読したほうが良いテイスティングに関する参考文献をいくつか挙げてみたいと思います。

【テイスティングのための参考文献】

◎「10種のぶどうでわかるワイン」:石田博(著)
日本ソムリエ協会の現在の副会長であるとともに、技術研究部部長であり、現在のソムリエ協会のテイスティング理論の骨格を成すのが石田さんの理論・考え方であるといっても過言ではないでしょう。
その点では氏のテイスティングに関する文献は必読であるといえ、その前段階のぶどう品種そのものの見方について理解できるのが本書ととなります。
内容は極めて平易で、むしろこれから呼称資格試験を受験される方向けの参考書として最適だと思いますが、有資格者としてある程度経験値を積んだからこそ理解できることも多々あり、今一度王道と言われるぶどう品種の基本を復習するには最適の書としておすすめします。

◎「テイスティングは脳でする」:中本聡文・石田博(共著)
日本ソムリエ協会の機関誌「Sommelier」で連載されていた石田・中本ソムリエのテイスティング理論に関する対談を、より理論的にブラッシュアップしてまとめたのが本書。
これは「10種のぶどう~」とは逆に、ある程度理論的に考えていくテイスティングの経験値がないと、書かれてあることの理解が難しい本であると思います。
外観、香りからはじまって、最終判断・結論にいたる過程を、どのように捉え考えていったらよいのか、現在のソムリエ協会技術研究部が求める考え方と答えを掴むうえでは外せないのが本書。
コンクール対策の重要文献として熟読し、理解することが必須となります。

◎「ワインテイスティング‐ワインを感じとるために」:佐藤陽一(著)
私がコンクールを目標としたのは、この世界に入ってからすぐに佐藤さんが世界最優秀ソムリエコンクールギリシャ大会に挑戦される様子を描いたドキュメンタリー『プロフェッショナル仕事の流儀』をTVで観てからでした。
昨年の世界最優秀ソムリエコンクール・アルゼンチン大会の日本代表であった森覚さんが、同じくアジア・オセアニアの代表として出場した石田博さんが世界大会で闘うのを観てソムリエを志したというのは有名な逸話ですが、それと同じような憧れを抱いていたのが佐藤陽一さんであります。
それ以来この本は何度も読み返しておりますが、見直すたびに新たな発見といいますか、「なるほど、それはそういうことだったのか~」と分かることがあり、自分が少しづつでも成長できているのが実感できてうれしくなります。
初めて一般呼称資格を受験される方々にも分かりやすく書かれており、ビジュアル的にも綺麗な画像例が豊富に掲載されており、初心者には分かり難い理論が視覚的にも受け入れやすくなっております。

◎「ワインテイスティング バイブル」:谷宣英(著)
佐藤陽一さんが出場されたギリシャ大会のあとのチリ大会の日本代表。2010年、名古屋で行われた全日本大会を観戦することができましたが、公開決勝で佐藤陽一さんとの激闘の末、優勝されたことは昨日のように思い出されます。
この本が出版されたのは2014年と新しく、現在の最先端のテイスティング理論を学ぶことができます。
一般呼称資格を受験される方は、佐藤さんの本とどちらかを読めばよいと思いますが、コンクールをこれから目指す方にとっては、両方を熟読することが欠かせないでしょう。


【各種セミナー、試飲会への参加】

これは前回の筆記試験対策でも触れましたが、テイスティングの勉強を目的とする場合は、その時々の自分なりのテーマを決めて参加することが重要です。
例えばカリフォルニアワインの試飲会があったとして、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニョンなど同一品種がAVAごとにどのような違いがあるか?あるいは同じ造り手で造り方の違いで同一品種でもどのような違いがあるのか?といったテーマで、この場合はシャルドネやカベルネ・ソーヴィニョンといった品種に絞って集中的に試飲を行うわけです。
このテーマを決めないで漠然と参加してしまうと、ブースの端っこから順番に試飲を始めたものの、最初のうちはまめにメモを取っていたのが次第にグダグダになり、終わってみるとほとんど成果として残るものがない試飲会だった・・・ということになりかねません。


【テイスティング勉強会への参加】

参考文献の「テイスティングは脳でする」でも触れられておりますが、一人だけで我流のテイスティング練習をすることには限界があります。
なるべく早く、呼称を問わずコンクールを目指す人たち、もしくはそのレベルの人たちが集まるテイスティング勉強会を見つけて参加させてもらうべきでしょう。
都心に通える範囲にお住まいの方であれば、そのような勉強会はあちこちで開かれており、その気になれば参加することは難しくないはずです。
(とはいっても仕事の関係で、案内を頂いてもなかなか参加できないことも多々あるとは思います。私も最後のコンクールを目指す前にクッソ忙しい部署に異動となってしまい、肝心な時期に勉強会に参加できませんでしたので、それが今でも心残りな部分がありますが・・・。)
「そうはいっても、そんなコネ全然ないよ・・・」と仰る方もいらっしゃると思います。
私の場合はこのブログを書いていくうちに、いろいろなワイン業界の方々をご紹介いただいたりして、そのような勉強会の末席に参加させていただけるようになりました。
9年前にこの世界に足を踏み入れたのが45歳を過ぎてからであり、それまで全くこの業界に知り合いはいなかったのですが、自ら求めていけば必ず道は開けるものだと実感しています。
都心からは遠い場所にお住いの方はなかなか頻繁にそのような機会に恵まれないかもしれませんが、現在ではソムリエ協会の地方支部も組織が充実しており、協会主催のセミナーや試飲会等に参加するところなどから人脈の幅を広げていくことが必要であろうと思われます。


【テイスティングノート】

そしてこれは誰でもどこに住んでいてもできることですが、ワインのテイスティング練習の際には必ずテイスティングノートをつけることです
書き込むフォームは、前述の谷さんの本などにコンクールで役に立つ形式のものが掲載されておりますので、それを利用してもよいでしょう。
これは我流にならないように、前掲の参考文献、特に「テイスティングは脳でする」を熟読し、先ずは基本となる“フォーム”に沿ってコメントしていく癖をつけていく必要があります。
そしてその“フォーム”に沿って筆記試験の制限時間内(記述の場合は8分位、声に出す場合は3分位が目途か)に記述を終了できるよう練習を積み重ねていってください。
テイスティングコメントの選び方の詳細につきましては各文献をご参照ください。


以上、二回にわたって主にコンクールの予選試験対策について、私自身の経験からまとめてみました。
もちろん、めでたく予選通過の後には、いよいよ決勝(準決勝はその時のソムリエ協会の都合で、ある場合とない場合まちまちです)が待ち構えており、毎回毎回出題される問題も難しくなっているため、これだけの勉強では不十分であることは言うまでもありません。
昨年行われた最後のワインアドバイザー選手権の決勝は、これまでにない多種多様な出題がなされており、今後益々各コンクールのレベルはアップしていくものと思います。
この記事が今後コンクールを目指す方々にとって、少しでもご参考になれば幸いに思います。

私自身はワインアドバイザーの大会がもう無くなってしまったため“真田丸ロス”ならぬ“アドバイザーコンクールロス”の状態で、なかなかモチベーションが上がらないのが正直なところであります。
しかし、ここまできてまだまだ全く分かった気にならないワインの勉強を止めるつもりはもちろんありませんので、次なる目標を設定し、また一歩一歩前に進んで行きたいと思います。

では、このブログをご覧いただいている皆々さまの今年一年のご多幸、ご健勝を切にお祈り申し上げます ヾ(・∀・)ノ
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コンクールに向けての対策・勉強法について(その①筆記試験対策)
2016-12-29 Thu 13:16
「決して望みを捨てぬ者だけに道は開ける」 ・・・大河ドラマ『真田丸』より:真田信繁(談)

先週の日曜日に毎週楽しみに観ていた『真田丸』が最終回を迎えました。

主役の堺雅人さんはもちろんですが、“ラスボス”家康役の内野聖陽さんや、秀吉役の小日向文世さん、真田昌幸役の草刈正雄さんなどなど、これまでの歴史上の人物像を覆す、味のある名演技は、毎週上質なグランヴァンを飲んでいるような満足感を与えてくれるものでありました。
演技もそうなのですが、それぞれの人物から語られる台詞も実に味わい深いものが多くあり、大坂の陣で信繁が語った冒頭の台詞などは、まさにこれからコンクールを目指す方々にとっては座右の銘とすべき金言であるといえるでしょう。


さて、前回の記事でコンクール対策の勉強法についてコメントを頂いており、返信欄では簡単にお答えできないことであり、また自身のこれまでのコンクール対策の勉強に対する総括の意味でも、今回まとめとして記事にすることにしました。

一口にコンクールといえども今年まで3呼称のコンクールが独立してあり、その呼称独自の試技がそれぞれあるわけですが、ソムリエコンクールのサービス実技などは門外漢であるため、ここではアドバイザーとエキスパート呼称にある程度共通した筆記試験対策とテイスティング対策にしぼって述べたいと思います。(今年でアドバイザーは最後となりましたので、実質的にエキスパート・コンクールを目指す方向けになりますが)
今回はその中でも、筆記試験(口頭試問含む)対策についてであります


【参考文献による学習】

予選の筆記試験対策につきましては、やはり「ソムリエ教本」の読み込みから始まりますが、そこからの出題はほぼ満点ゲットが前提となり、それにプラスして、それ以外の問題でどれだけ得点を積み上げていけるかが勝負の分かれ目になると思われます。
したがってなるべく広範囲にワインに関する情報を仕入れる必要があるわけですが、ハッキリとここまでやればOKという基準のようなものはありません。
ようするに範囲は無限といってもいいのですが、それでは取り付く島もなくなりますので、以下、個人的に非常に役に立ち、最低限これは読んでおいた方が良いと思われる参考文献&著者をご紹介していきます。

◎「日本ソムリエ協会教本」
過去2回チャレンジしたアドバイザー予選の筆記試験においては、約6割方の出題が教本からの出題であり、先ず何といってもこれをベースとして学習する必要があります。
一般呼称資格試験などは、マークシートの選択式でありますが、コンクールではもちろんすべて記述式であるため“うろ覚え”では太刀打ちできません。
範囲も呼称資格試験に定番として出題されるような箇所はもちろん、“重箱の隅をつつく”ような出題もあるため、全てに目を通す必要があります。
特に酒類概論のワインの醸造法や貯蔵・熟成については、アルコール発酵やMLFの化学式を書けることから始まり、なぜその醸造法を行うのか?その効果は何か?など根本的な原理・原則について“理解”することが必要となります。
私個人的には、このブログでもアップしています呼称試験対策“実戦問題集”の拡張版である“コンクール対策実戦問題”を自分で作成し、それを繰り返し繰り返し復習することで対応しておりましたが、覚え方は自分が得意とする方法で構わないと思います

◎日本ソムリエ協会機関誌「Sommelier」
現在の日本ソムリエ協会の中で、コンクールを司る技術研究部の中核である石田博副会長や森覚さんをはじめとするメンバーが書かれている、特にテイスティング関連の記事等は、その考え方を理解するうえでも見逃してはならないでしょう。
また色々なコンクールについてのレポートも掲載されており、出題傾向を把握するうえでもとても参考になると思います。

◎「世界のワイン図鑑」:ヒュー・ジョンソン、ジャンシス・ロビンソン(著)、山本博(訳)
現在の全世界のワインを俯瞰するのに必須の文献
著者のヒュー・ジョンソン、ジャンシス・ロビンソンのお二人は今更説明の必要もない、世界最高峰のワイン評論家であり、この二人の著作はAmazonで検索し、手当たり次第に読み込んでいく必要あり。

◎「ワインの科学」&「新ワインの科学」:ジェイミー・グッド(著)、梶山あゆみ(訳)
ぶどうの栽培からワインの醸造・熟成をはじめとして、酵母の働きやフィロキセラといった微生物の生態、テイスティングにおける脳の働きなどなど、広範囲のワインにまつわる事象について、科学の視点からそれらを検証・解明している非常に興味深い読み物。
旧版と新版があり、重なる部分もありますが、旧版にしか書かれていない項目もあるため、両方を読んでみることをお勧めします。

◎マットクレイマーの一連の著作:「ブルゴーニュワインがわかる」、「イタリアワインがわかる」、「マット・クレイマー、ワインを語る」
著者はアメリカを代表するワイン専門誌『ワイン・スペクテイター』の名物コラムを担当していた当代超一流のワインライター。
Amazonのレビューでも翻訳家の立花峰夫さんが絶賛しておりますが、私も延命師匠の薦めで一通り読んでみました。
書かれた時期が今となっては少し古いものもありますが、呼称資格のバッチを習得した有資格者が、次に読むべき本であることは間違いないでしょう。

◎堀賢一さんの一連の著作:「ワインの個性」、「ワインの自由」、その他「ソムリエール」、「ソムリエ」などワイン漫画の監修
昨年、大橋健一さんが日本在住の日本人として初のマスター・オブ・ワインの資格を修得されましたが、マスター・オブ・ワイン協会との揉め事を起こさなければ、おそらく堀賢一さんが日本人初であったろうと言われる、日本でもトップレベルのワイン研究者。
カリフォルニアに本部がある「ワインインスティテュート」の駐日代表としても有名ですが、その著作の内容は、ソムリエ教本の5~10年先を行っていると思うのは、氏の著作を読まれたことのある方なら同意していただけるはず。
氏が監修されているワイン漫画でも特に「ソムリエール」などは、そのまんまシニア呼称やコンクール対策の勉強になることが書かれており秀逸。基本的に間違っている記述が多い某『神○雫』などは百害あって一利もありませんので、勉強の息抜きに読むには是非こちらを。

◎葉山考太郎さんの一連の著作:タイトル数大杉て書ききれません^^;
ご存知自称“おちゃらけワインライター”。
ワインの幅広い蘊蓄を、楽しんで“分かる”ことに関しては、氏の著作の右に出るものはないと断言できるでしょう。
クイズ形式で書かれている本も数冊あり、笑いながらコンクールに出題されそうなワインの蘊蓄・トピックを身につけることができます。

◎山本昭彦さんの一連の著作及び「ワインレポート」
山本さんも読むべき著作が多数あるワインライターですが、コンクールを目指すものにとってのバイブルが、氏のブログである「ワインレポート」になります。
世界のワインに関する最新トピックの宝庫といえ、実際コンクールの、特に時事に関する出題のチェックには欠かせない存在といえるでしょう。
今年10月より有料サイトへと移行してしまいましたが、コンクールを目指すのであれば必読といえます。

◎田崎真也さんの一連の著作:これもタイトル数膨大
そりゃもうね、日本のみならず世界のソムリエ協会を束ねる田崎会長の本を読まずにコンクールに出るなんてあり得ないですよね。
Amazonで検索すると、ワラワラと多数の本が出てきますが、だいたいが新書サイズですぐ読めるものがほとんどになります。
一冊読むのに時間もかからないので、手当たり次第に読んでいきましょう。


日本ワインの理解のために・・・

日本ワインがこの十数年で劇的な進化を遂げ、日本各地に高い志を有する造り手が続々と登場し、また日本ソムリエ協会の中核メンバーが代替わりしたこともあり、ソムリエ協会の日本ワイン(清酒もそうですが)重視の傾向が益々顕著となっております。
その傾向はシニア呼称の論述試験やコンクールの小論文問題でも表れており、今後も市場動向など、関連する出題が続くものと思われます。
論述問題では言うまでもなく、自分なりの見方考え方を明示する必要がありますので、暗記するというよりは過去から未来に渡ってどのように変化していくのかという視点を持ち、文献を読み込んでいくことが大事になるでしょう。

◎麻井宇介さんの一連の著作:「ワインづくりの思想-銘醸地神話を超えて」、「比較ワイン文化考―教養としての酒学」、他多数
“桔梗が原メルロ”を世界に知らしめた日本ワインの教祖的存在。
「天・地・人」という言葉がありますが、この中で最も大切なものは何か?と問われた場合、この本を読んだ後では迷わずにそれは「人」であると断言できましょう。
ワインづくりにおける思考はまさに“哲学”の領域にまで達しており、日本ワインにこれだけ数多くの志ある人々が生まれ、劇的な進化を遂げたのも氏の存在があったからに違いありません。
私がワインの勉強を始める前に既に故人となられましたが、生きているうちに是非直接そのお話を伺いたかった日本ワイン界の巨星であり、日本ワインに関する文献の中では、氏の著作を真っ先に読むべきでありましょう。

◎「ウスケボーイズ‐日本ワインの革命児たち」:河合香織(著)
前述の麻井宇介さんに直接の影響を受け、日本ワインの代表的な造り手になろうとしている岡本英史さん、城戸亜紀人さん、曽我彰彦さん3人の物語。
麻井さんが亡くなられる直前に、若手の醸造家たちに遺言のように話しかける冒頭のワイン会のシーンは、もう涙なしでは読むことができません。
ワイン造りには非常に厳しい日本の風土から、本場フランスを凌ぐワインが出来るなんて不可能と思い込んでいるそこのあなた、この本を読んで、この人たちのワインを是非飲んでみてください。

◎「日本ワインガイド‐純国産ワイナリーと造り手たち」:鹿取みゆき(著)
ソムリエ協会教本巻末の参考文献の中にもこの本が挙がっておりますが、著者の鹿取さんは教本の著者にも名を連ねており、日本ワインの項目の文体からも、その部分を執筆されているものと思われます。
全体的には全国各地にある日本産ぶどうだけを使用してワインを造っているワイナリーの良質なガイドブックなのですが、冒頭の部分は現在の日本ワインが抱える問題点が鋭くえぐり出されており、今後の日本ワインのあるべき姿についても大いなる示唆を与えてくれます。

◎「新・日本のワイン」山本博(著)
日本ワイン会の“重鎮”山本先生の手による、日本のワイナリーのガイドブック。
題名に“新”がついているとおり、約10年前に書かれた同タイトルの改訂版になります。それだけこの10年で日本のワインは大きく変わってきているという証左でもあります。
日本のワインが歩んできた歴史から、現在抱える問題点についてのご指摘は、前述の鹿取さんの著作とともにとても参考になるでしょう。
山本先生の著書も多数出版されておりますので、Amazonで検索してみてください。

◎「千曲川ワインバレー‐新しい農業への視点」:玉村豊男(著)
著者は元々エッセイストとして著名な方ですが、長野県の東御市に畑を購入し、『ヴィラデスト・ワイナリー』を興した、日本では珍しい経歴の持ち主。
ここ数年、ソムリエ協会教本でも記述が詳細になってきた、長野県が主導している『信州ワインバレー構想』のうち、もっとも規模が大きい「千曲川ワインバレー」について書かれており、その内容を理解するのに役立ちます。
ことはワイン産業にとどまらず、日本の農業そのものが抱える問題点も明らかにしており、論述試験対策としても多数の示唆を与えてくれるでしょう。


【各種セミナー、試飲会への参加】

ソムリエ協会やSOPEXAなど各ワイン関連団体、インポーターなどが主催する各種のセミナーは、極力参加すべきでありましょう。
このようなセミナーや試飲会はほとんどが平日に開催され、会社勤めの方はなかなか難しいのが実情でしょうが、上司が理解のある方であれば、お休みをとれるよう相談してみてください。
国内にいながら、世界のワイン産地、造り手の最新の情報が得られるまたとないチャンスになります。
また同時にテイスティング試験対策にもなります。


【ワイナリー巡り】

これは自身の反省なのですが、もっともっとぶどう畑やワイナリーを積極的に廻ってみればよかったと思います。
実際、ぶどう畑に足を運び、ぶどうを育てワインを造っている人の話を聴くと、本に定説として書かれていることが必ずしも当てはまらないことが多々あることが分かります。
時間とお金の余っている方は海外の著名ワイナリー巡りもいいのでしょうが、現在は日本全国各地に気鋭のワイナリーが次々と誕生しており、その気になれば日帰りもできる環境になってきております。


以上、今回は筆記試験対策の勉強について、思いつくままに書いてみました

ワインに関する参考文献はこれ以外にも膨大な数があり、一通り読むだけでも時間が足らなくなりますが、Amazonのレビューなどを参考に、自分が興味を持った、知りたいと思った文献の購入をおすすめします。

次回は、テイスティング試験に関する勉強法について書いてみたいと思います。

年内終わりそうもないなこれは・・・(汗)
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合格祝い・・・キュリオシティにて
2016-12-16 Fri 14:16
今年ソムリエ呼称資格試験に合格した友人Mさんのお祝いと、私自身のチープロ合格祝いを兼ねて、六本木にある延命師匠のお店、キュリオシティで祝杯をあげてきました

キュリオシティでは、2次のテイスティング試験対策と、3次実技試験対策の勉強会を延命師匠にお願いしており、この日はその結果報告も兼ねての“打ち上げ”でありました♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪

    Gosse Excellence Brut1

    Gosse Excellence Brut2

Gosse Excellence Brut NV (ピノ・ノワール45%、シャルドネ36%、ピノ・ムニエ19%)

スタートはやはりシャンパーニュでということで、ゴッセ・エクセレンス・ブリュットで乾杯
ゴッセで唯一マロラクティック発酵を行っており、ゴッセの中では早くから楽しめるスタイルのシャンパーニュ。
色調は黄金色がかっており、香りも色調同様に洋ナシや黄桃などの熟れた黄色い果実の香りと、アーモンドのようなナッツや焼いたパンのような熟成感が折り重なり、複雑性を感じさせます。
味わいはまろやかかつふくよかで、泡も非常にキメが細かくクリーミー。

立ち上る泡をうっとりと眺めつつ、久しぶりにゆっくりじっくりとシャンパンと美味しい料理を味わいます。

         
     LES FORTS DE LATOUR 2009

LES FORTS DE LATOUR 2009 (カベルネ・ソーヴィニョン 61.5%、メルロ 32.3%、プティ・ヴェルド 6.2%)

そしてこの日の2本目は、持ち込みでお願いした「レ・フォール・ド・ラトゥール 2009」
言わずと知れたメドック格付けシャトーの頂点に立つ5大シャトー、シャトー・ラトゥールのセカンドワイン。
5大シャトーの中でも最も力強いといわれるラトゥールのセカンド、しかもまだ若い2009年というグレート・ヴィンテージのため、かなりパワフルでタニックなワインを想像していたのですが、予想は良い意味で裏切られました。

外観は、グラスの底が見えないくらいの黒みを帯びた濃いガーネット。
粘性も非常に強く、ロバート・パーカーが見たら喜びそうな濃厚さで、香りもブラック・チェリーのような熟れた黒い果実に、スモーキーさとスパイシーさが加わり、いかにもという感じであります。
しかし一口含んでみてびっくり!
アタックは濃厚な外観とは裏腹に、驚くほどスムーズ。
これは“薄い”とか“軽い”という意味ではなく、力強さと繊細さが違和感なく同居している絶妙なバランスからくるスムーズさであります。
タンニンも既にシルクのように柔らかく溶け込んでおり、スムーズで収斂性は全く感じられません。
味わいは思ったよりとてもエレガントで、やはり酸とタンニンを中心とする全体の調和が素晴らしい。
余韻もとても長く、ミントのような心地よい清涼感が、スーッと長く続きます。
やはりファーストと比べメルロの比率が大きいことからくる柔らかさと優しさなのでしょうか。

今からでも十分楽しめますが、まだまだこれから熟成させていけばさらにその奥行きとスケール感を楽しめるワインになるのでしょう。
この日は延命師匠の計らいで、ボトルから直接注いでいただいたものと、デカンタージュしてから注いでもらったもの、2つのグラスを試すことができました。
ボトルから直接注がれたものは、最初固さが感じられましたが、デカンタージュしたものは明らかに香りの開き方と味わいのまろやかさが違うことがハッキリと分かりました。

    SITO MORESCO 1

    SITO MORESCO 2

SITO MORESCO 2010 (ネッビオーロ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン)

これは友人の持ち込みになるイタリア、ピエモンテの赤ワイン「シト・モレスコ2010」。本来であれば、2番目と逆の順序なのでしょうが、そこはイタリアの帝王GAJAなので、まあいいかと...(´∀`*;)ゞ

ネッビオーロとボルドー品種のブレンドというユニークな組み合わせで、ガヤの中ではカジュアルなラインナップになりますが、ネッビオーロの優美さとボルドー品種の豊潤さが、違和感なく見事に調和しているのはさすが。
ヴィンテージは2010年ですが、まだまだ若々しい果実味が溢れ、洗練されたモダンなスタイルは万人受けするタイプの赤ワインではないでしょうか。


 本日の鮮魚(ビンナガマグロ)のカルパッチョ椎茸の炭火焼きIMG_1086.jpg

「キュリオシティ」はワインだけでなく、シェフの腕前も超一流で料理も絶品!
この画像以外にも幾つかアラカルトでいただいたのですが、特に感激したのが、この日のおすすめメニューである“栃木産椎茸の炭火焼き”
ビオンディ・サンティのブルネロを初めて飲んだとき、「うわ、サンジョヴェーゼって、こんなにすごいブドウだったんだ・・・」という感動に似て、「椎茸って、実はすごいキノコだったんだ・・・」と思わず唸ってしまった逸品。
とにかく香り立ちが物凄い・・・Σ(゚□゚(゚□゚*)
近々キュリオシティに行かれる方は、是非オーダーしてみてください。

    合格祝いのデザート

    デザートとペドロヒメネス

〆は合格祝いのデザートと、デザートワインのシェリー・ペドロヒメネス。

この日は久しぶりに、テイスティングの勉強や試験勉強を忘れ、心ゆくまで美味しいワインとお料理を堪能することができました。

いつもながら素敵な時間と空間を提供していただける延命師匠に感謝であります。
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ボージョレ・ヌーヴォー解禁!!
2016-11-18 Fri 00:25
毎年秋の風物詩となった感のある「ボージョレ・ヌーヴォー」が本日解禁となりました

ひところはマスコミでも大きく取り上げられ、小売り各社の安売り競争が話題となったこともありましたが、ここ数年の扱いは地味で、今年に至ってはYahooニュースですら取り上げられていないようです(つД`)ノ

もっとも、500円前後の低価格チリワインがスーパーの最前列に並べられ、ワインが日常のアイテムとして定着してきたこともあり、特別大騒ぎする必要がなくなったこともあるかもしれません。
その意味では、日本のワイン市場も成熟してきたと言え、むしろ喜ばしいことなのかもしれませんね。

前もって予約しており、本日届いたのはこの4本

      ボージョレヌーヴォー2016

左から、「Dominique Laurent Beaujolais Nouveau 2016 ドミニク・ローラン ボージョレヌーヴォー」、
「M.Lapierre et J.C. Chateau Cambon Beaujolais Nouveau 2016 マルセル・ラピエール(シャトー・カンボン)ボージョレヌーヴォー」、
「Philippe Pacalet Beaujolais Vin de Primeur 2016 フィリップ・パカレ ヴァン・ド・プリムール」(2本)

パカレの「ヴァン・ド・プリムール」は昨年のものが1本セラーに残っており、いつか垂直試飲してみようと思います。

本日さっそく試したのは「ドミニク・ローラン」のヌーヴォー。

      ドミニク・ローラン・BJ2016-1

      ドミニク・ローラン・BJ2016-2

      ドミニク・ローラン・BJ2016-3


外観はボージョレヌーヴォーとは思えないほどの、グラスの底も見えない濃いめのルビー。
もっともグラスを傾けると、エッジはヌーヴォーらしい明るいマゼンタの色調。
ノンフィルターなので清澄度は低く、若干濁ったような印象。
粘性は高めで、ブドウの熟度の高さがうかがえます。

香りは開いており、ダークチェリーのような第一アロマに続き、バナナやキャンディーのようなMC法由来の甘い第二アロマが顕著。
甘草のような甘苦系スパイスの、ガメイ種特有のニュアンスも感じます。

アタックは外観の濃さに比べて、ヌーヴォーらしく軽やか。
酸量は多く、リンゴ酸主体の爽やかな酸味。
サラサラと流れるようなタンニンで、渋みはほとんど感じません。
バランスは軽やかですが、しっかりとした酸味が全体を支え、繊細で上品さを感じさせます。
残糖はなくドライですが、心地よい甘いフレーヴァーが余韻となって続きます。

全体的にはヌーヴォーらしくフレッシュで、親しみやすさが有りながらも、フィネスを感じさせる上質な仕上がりは、さすがにドミニク・ローラン。

「ヌーヴォーはジュースみたいで、こんなのワインじゃないよ」と仰る方がよくいらっしゃいますが、熟成したワイン、若々しいワインそれぞれに楽しみ方があり、それを決めつけてしまうのは、多様性がある飲み物であるワインの楽しみ方を自ら狭めてしまうものだと思います。

ガメイという品種は、ピノ・ノワールのようないわゆる高貴品種と呼ばれるブドウからすると軽視されがちなブドウ品種でありますが、志ある造り手にかかると全く別物といっていいエレガントなワインに変貌を遂げるところがまたワインの面白さなのでしょう。
パカレが「ヌーヴォー」と名乗らずに「ヴァン・ド・プリムール」としているところにも、造り手としての矜持を感じることができます。

このブログでもテイスティングはかなりの期間、おサボリ状態でありましたが、これを機に再開していこうかと思います
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第10回J.S.A.ワインアドバイザー全国選手権大会決勝結果発表
2016-11-15 Tue 20:20
昨日(11月14日)、ANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューホテルに於いて「第10回J.S.A.ワインアドバイザー全国選手権大会」の公開決勝が行われ、その結果発表が日本ソムリエ協会のHPでありました


https://www.sommelier.jp/topics/view/wa20161114

今はお店が移転してしまった“かがり火”の時からテイスティング勉強会でご一緒させていただき、密かに応援していた佐藤正樹さんは見事3位に入賞されました

入賞、ほんとうにおめでとうございます!! 

そしてたいへんお疲れ様でした!

長い緊張からようやく解き放たれ、今頃はホッとされていることとお察し致します。

ご本人はこの大会の常連ファイナリストで、最後となるこの大会で優勝を期していらしゃったはずであり、もしかすると不本意な結果なのかもしれませんが、毎回当たり前のように決勝の舞台で結果を残されるのは、真の実力者であり、当代超一流の“ワインアドバイザー”であることは揺るぎない事実でありましょう。

今回でワインアドバイザー選手権大会自体が無くなってしまい、同じ舞台で胸を借りることが出来なくなったことは非常に心残りではありますが、もし何らかの形でコンクールがあるときのために、今からまた研鑽を積んでいきたいと思います。

素晴らしいワインの世界と仲間たちのために、今日はスパークリングワインで乾杯しましょうか・・・(*´∀`人 ♪
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