「虎の穴」へようこそ!全国大会決勝出場を目標に、日々修行中のワインアドバイザーの日記です。
http://robert10.blog108.fc2.com/
メルシャン『甲州&白ワインセミナー』&試飲会参加 4月21日(水)(vol.1)
2010-04-24 Sat 02:08
日時:4月21日(水)12:00~17:00(セミナー14:00~15:30)
会場:JR横浜駅東口 崎陽軒本店 4階 ダイナスティー
講師:味村 興成氏 (シャトー・メルシャン チーフワインメーカー)
内容:「夏におすすめの白ワインのトレンドについて」
    「日本固有の品種、『甲州』の魅力について」
    「甲州、ボルドー白ワインの比較試飲からみる特徴と魅力」
試飲アイテム:ワイン58種類、その他リキュール、スピリッツ、ウイスキー、ビールなど多数

このセミナーは本来、『ドゥニ・デュブルデュー教授来日記念 甲州&白ワインセミナー』と銘打たれ、ボルドー第二大学醸造学部長であり「白ワイン造りの魔術師」と呼ばれている世界的権威、ドゥニ・デュブルデュー教授の講演が目玉であったのですが、アイスランドの火山噴火の影響で急遽来日出来なくなるという大変残念なハプニングがありました。
それでも広い会場は満員の盛況で、地元横浜の有名レストランのソムリエさんたちなど、ハイレベルなプロの方も多数参加されていました。
メインの講師をつとめられた、メルシャンのチーフワインメーカーである味村氏の講演も、醸造現場のプロの専門的な話を直接伺うことが出来、たいへん勉強になりました。
このセミナー&試飲会の内容を2回に分けてレポートしてみたいと思います。

◆セミナーの最初は「白ワインのトレンドについて」
アメリカなどを中心として、「シャルドネ」がメインであった白ワイン市場で、他のブドウ品種の人気が高まっているとのこと。
・07年に世界最大のワイン輸入国となったイギリスでは、07年から12年の消費量における色別シェアの推移において、白・ロゼが伸びると予測、白品種ではピノ・グリージョの人気が高まっておりソーヴィニヨン・ブランを抜き、シャルドネに次ぐ2位となっている。
・アメリカでは、08年11月から09年11月の期間中、白品種ではリースリングが最も伸長。ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリージョなど軽やかな品種がシャルドネを上回る伸び率で拡大している。

これからの夏におすすめのワインとして、世界的な人気の高まっている、“華やかな香り”や“軽やかさ”を持つ白ワイン&スパークリングワイン。品種としてはソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、ピノ・グリージョ、甲州などがおすすめ。

◆次に味村氏が登場し、「甲州ワイン・ルネッサンスの歩みとこれから」と題し、1975年からスタートしたメルシャンの甲州ワイン開発の歴史、2000年の「甲州プロジェクト」、2004年の「甲州アロマプロジェクト」など甲州という日本固有のぶどうで造られたワインを世界に通用するレベルへと引き上げるための研究と、その成果としての各ワインの紹介がありました。

◆そしていよいよ09年ヴィンテージの甲州ワイン4種類と、デュブルデュー教授が手掛けたソーヴィニヨン・ブラン主体のボルドー白ワイン2種類のテイスティングへと続きます。

甲州きいろ香   甲州勝沼   甲州グリ・ド・グリ   勝沼のあわ   ヌメロ・アン    シャトー・レイノン07


       セミナーテイスティングワイン


写真左上から、①甲州きいろ香2009 ②勝沼甲州2009 ③甲州グリ・ド・グリ2009 ④勝沼のあわ2009
手前左から、⑤DOURTHE Numero 1 Blanc ドゥルト ヌメロ・アン ブラン 2008 ⑥CHATEAU REYNON BLANC シャトー・レイノン・ブラン 2007

①は04年ヴィンテージが初の、「甲州アロマプロジェクト」により誕生した、柑橘系果実の華やかな香りが特徴の白ワイン。「きいろ香」という名は、一昨年急逝されたボルドー大学の故富永敬俊博士の著書に由来することは有名な逸話となっていますが、この09年ヴィンテージは当初話題となった香りだけではなく、きれいな酸が印象的で味わいもより洗練されたものとなっています。柚子やスダチ、レモンなどを搾った和食には最適な白だと思います。

②はミユスカデと同じ「シュール・リー」製法で造られた、うまみのある柔らかな辛口白ワイン。香りは「きいろ香」の後に嗅ぐと華やかさはないものの、ミネラル感はよりしっかりと感じることができ、魚介や鶏肉の塩焼き、魚介や海草などミネラル質の食材との相性は抜群に良いと思います。

③は2000年の「甲州プロジェクト」により誕生したユニークな白ワイン。甲州種の淡く灰色がかった紅紫色の果皮を果汁とともに仕込んであるため、オレンジ色の外観を呈し、香り・味わいにもコクと厚みがあり、渋味と苦味の要素もあるため、しっかりとした味付けの魚料理から肉料理まで幅広く合わせることのできる白ワインとなっております。

④はたいへん珍しい「炭酸ガス吹き込み方式」のスパークリングワイン。それを知らないで製法を聞かれた場合、「瓶内二次醗酵」と答えてもおかしくない位、きめ細かな泡と泡持ちのいいスパークリングです。正直「炭酸ガス吹き込み方式」なんてサイダーやコーラのように工場で大量生産する清涼飲料のような安ワインしか使われないのでは?という認識しかなかったのですが、かなり高度な技術が使われ、品質的にも瓶内二次醗酵に遜色ないものが造られていることに大変驚かされました。味わいも、③の原酒が2割使われていることもあり、繊細さと厚みを併せ持つ大人の味わいに仕上がっています。

⑤は1840年に設立されたボルドー屈指のネゴシアンであるドゥルト社の代表銘柄。ネゴシアンものではありますが、ぶどう栽培は契約農家で行っており、その栽培から醸造までの管理はドゥルト社が行っている高品質なワインです。
白はデュブルデュー教授との共同開発で造られただけあって、ソーヴィニヨン・ブランの爽やかで華やかな香りがいっぱいに広がり、味わいもシャープで切れの良い酸味のエレガントな白ワインです。

⑥はこのブログの記念すべき(?)最初にテイスティングを行ったワインの07年ヴィンテージです。⑤がSB100%に対し、これはセミヨンが15%アッサンブラージュされているため、爽快さと軽快さがありながらも、より厚みのあるボディとなっていることが比較をすることで分かります。
⑤と⑥両者に共通することは、ソーヴィニヨン・ブランの持つハーブのような爽やかな香りを最大限引き出しながら、透明感のある綺麗な酸味が心地よく、たいへんバランス良くエレガントな仕上がりとなっていることでしょうか。

このテイスティングで感じたこととしては、一口に「甲州」といっても、香りも味わいも軽快なものから厚みのあるものまで多様性があり、それに合わせる料理も和食を中心として様々な料理に対応できること。
また驚くべきは、これまで「おとなしく凡庸な個性」といった印象が強かった甲州ワインが、ボルドーの一流シャトーに比肩しうる水準まで、そのポテンシャルを高めつつあることを実感できたことです。
特に和食との相性は、世界中のどの高貴品種よりも抜群であり、これからまだまだワインの国内市場を開拓するうえにおいても、目を向けるべきワインであることを認識させられたセミナーでありました。
次回は、同時に行われた試飲会の模様をお伝えします。
スポンサーサイト
別窓 | 試飲会&セミナー | コメント:0 | トラックバック:0 
<<メルシャン『甲州&白ワインセミナー』&試飲会参加(vol.2) | ワインアドバイザー虎の穴 『Q』 | ドイツワイン重要ポイント>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| ワインアドバイザー虎の穴 『Q』 |

アフェリエイト3