「虎の穴」へようこそ!全国大会決勝出場を目標に、日々修行中のワインアドバイザーの日記です。
http://robert10.blog108.fc2.com/
二次テイスティング試験用語選択基準②「香り」について
2016-09-09 Fri 10:09
二次テイスティング試験対策の第2回目は「香り」の選択基準についての解説です。

試験の時に配布される、あるいはワインスクールでも教科書等に載っている選択用語の用紙には、第一アロマ、第二アロマ、第三アロマの区別はありませんが、自宅でテイスティングの練習をする際には、必ずその順序に沿って“分析”するクセをつけましょう。

またグラスを持つといきなりクルクルと廻す人がいますが、それだと繊細な第一・第二アロマが飛んでしまい、正確な分析ができなくなってしまいます。
香りをとる際には、先ずはグラスを廻さずに、第一アロマから順を追ってしっかりと分析するようにしてください。

また、それぞれの用語は単に数多く羅列すればよいわけではなく、本来その用語がどのくらいの強さ・量で感じられるかが重要です。
例えば、白ワインの果実で、「レモン」や「グレープフルーツ」などの柑橘系果実は比較的冷涼な産地を連想させる用語であり、「洋ナシ」、「桃」、「アプリコット」と進むにつれ温暖な産地を連想させる用語ですが、その両方が感じられる場合、そのどちらがより強く感じられるかといったことです。

個々の用語の詳細については、以下の解説をご参照ください


②香り

◆第一印象(共通): 控えめ   しっかりと感じられる   力強い

<解説>:香りの第一印象の強さを表す用語です。
あてはまると思う用語を一つ選びます。
赤も白も一般的にブドウの成熟度の高いワインは果実味が先に立つため、「しっかりと感じられる」の正解率が高くなっています。
白ワインでは冷涼産地と思われる淡い色調のワイン(+甲州のように品種の個性が控えめなもの)で、はっきりと香りのインパクトが感じられない場合は「控えめ」の正解率も高い傾向があります。
赤ワインの場合は過去3年15銘柄全ての正解が「しっかりと感じられる」であり、迷わずこのコメントをマークすべきでしょう。
(「黒みを帯びた」ような非常に濃い色調のワインであれば、「力強い」の連動性が高く、選んでもよいでしょう)

◇特徴(

〔果実・花・植物〕:レモン   グレープフルーツ   リンゴ    洋ナシ

花梨    桃    アプリコット   パイナップル   メロン    

パッションフルーツ    バナナ   マンゴー   ライチ   くるみ   

炒ったアーモンド   ヘーゼルナッツ   マスカット   すいかずら   

アカシア   白バラ   キンモクセイ   菩提樹   ミント   アニス

ヴェルヴェーヌ 

〔香辛・芳香・化学物質〕:タバコ   パン・ドゥ・ミ    トースト   

カラメル    貝殻   石灰   火打石   ヴァニラ   白胡椒

コリアンダー   丁子   シナモン   ハチミツ   バター   香木

硫黄   樹脂    ヨード    麝香    ランシオ   ペトロール

<解説>:語群の中から当てはまると思うものを指定された数だけ選んでください。
注意しなければならないのは、個々のワインによってコメント指定の数が違い、指定の数以上にマークしてしまった場合、その項目は零点になってしまいますので気を付けてください。
傾向として若々しく、かつシンプルな造り方のワインは最も指定数が少なく、木樽の香りがあるワイン、熟成が進んだワインになるにつれて指定数が多くなる傾向にありますので、回答指定数から逆にワインのタイプを割り出すことに利用できます。
赤ワインで指定数が10個前後の場合、熟成が進んだワインと判断することが出来、過去の正解例からブーケ(第3アロマ)に該当するコメントも丹念に拾っていく必要があります。
〈果実〉のコメントは白ワインの場合は「リンゴ」を中心の基準として、冷涼産地 ⇒ 温暖産地 になるにつれ、
「レモン」 ⇒ 「グレープフルーツ」 ⇒ 「リンゴ」 ⇒ 「洋ナシ」 ⇒ 「桃(黄桃のイメージ)」 ⇒ 「アプリコット」 ⇒ 「パイナップル」 の順に並ぶことになります。
これはその果物そのものの香りがするということではなく、果肉が淡い黄色から濃い黄色となり、柔らかく酸味が強いものから甘味の強いものへと変化していくという“イメージ”として捉えてください。
「メロン」という用語がたびたび正解となっておりますが、これはトロピカルフルーツのように果肉が柔らかく甘い果実ながらも、ハーブのような冷涼産地の“青”を連想させるニュアンスも混ざる場合と理解してください。
〈花〉のコメントもそれと連動し、「すいかずら」 ⇒ 「アカシア」 ⇒ 「白バラ」 ⇒ 「キンモクセイ」 といったように、右にいくに連れフローラルな香りが強くなるイメージで捉えてください。
以上のことから色調の淡い、冷涼産地と推測される白ワインの場合、「グレープフルーツ」、「リンゴ」、「スイカズラ」、「アカシア」などの正解出現頻度が高く、比較的温暖産地と思われるシャルドネの場合は、「洋ナシ」、「桃」などが〈果実〉の正解として多く、〈花〉も「キンモクセイ」のように黄色く甘い香りのイメージが強くなります。また樽熟成している可能性の高いシャルドネは、「炒ったアーモンド」の正解率が高くなります。
〈香辛・芳香・化学物質〉は、冷涼産地と思われる淡い色調のワインの場合、「石灰」、「貝殻」、「コリアンダー」、2014年からは「香木」なども正解率の高い用語となっており、樽熟成している可能性の高いシャルドネは、樽由来の「ヴァニラ」や「トースト」、マロラクティック発酵由来の「バター」などの正解率が高くなります。
また赤白ともに、品種特性から選ばれるその品種特有の用語もありますので、詳しくは正解一覧を熟読してください。(白の場合は、2014年より正解として登場しているリースリングの「ペトロール」が代表例ですし、「花梨」はシュナン・ブランの代名詞ともいえる用語です)

◆特徴(

〔果実・花・植物〕:イチゴ   ラズベリー    ブルーベリー   カシス

ブラックベリー    ブラックチェリー   干しプラム   乾燥イチジク   

赤ピーマン   メントール   シダ    バラ   すみれ   牡丹   

ゼラニウム   ローリエ   杉   針葉樹   ドライハーブ   タバコ

紅茶   キノコ   スーボワ   トリュフ   腐葉土   土

〔香辛・芳香・化学物質〕:血液   肉   なめし皮   燻製   シヴェ

ジビエ   コーヒー    カカオパウダー   ヴァニラ   黒胡椒   

丁子   シナモン   ナツメグ   甘草   白檀   杜松の実    

硫黄    樹脂   ヨード   ランシオ

<解説>:語群の中から当てはまると思うものを指定された数だけ選んでください。
赤ワインの場合は「ブルーベリー」を中心の基準として、冷涼産地 ⇒ 温暖産地 になるにつれ、
「イチゴ」 ⇒ 「ラズベリー」 ⇒ 「ブルーベリー」 ⇒ 「カシス」 ⇒ 「ブラックベリー」 ⇒ 「ブラックチェリー」
と並べることができ、色が赤く酸味の強いものから紫色が濃くなり酸味が穏やかになり甘味が強くなるイメージとなります。
明るいルビーや赤を基調とする赤ワインの場合は(主にピノ・ノワール)「ラズベリー」、「ブルーベリー」などの正解が多く、色調の濃い凝縮感を感じさせる赤ワインの場合は、「ブルーベリー」、「ブラックチェリー」、「ブラックベリー」など“濃い紫色”を連想させる〈果実〉の正解率が高くなります。
赤ワインの場合〈花〉のコメントの判断基準が判然とせず難しいのですが、 「すみれ(西洋の)」 ⇒「バラ(赤い)」 ⇒ 「牡丹」 ⇒ 「ゼラニウム」 といった順のように芳香の強さとスケール感の順で判断するしかありません。
正解率としては品種を問わず「すみれ」と「牡丹」の出現率が高くなっています。
さらに熟成感のある赤ワインの場合は、「干しプラム」、「乾燥イチジク」、「ドライハーブ」、「燻製」、「腐葉土」、「なめし皮」など“枯れた”イメージの用語を選択したほうがよいでしょう。
この他、〈香辛・芳香・化学物質〉では「血液」、「肉」、「甘草」、なども正解頻度の高い用語になります。
また、あるブドウ品種に多くみられる用語としては、シラー(フランス、ローヌ地方)の「黒胡椒」や、熟成感のあるピノ・ノワールの「紅茶」などがあります。

◆香りの印象(共通):若々しい  落ち着いた(控えめな)  開いている

クローズしている   還元状態   熟成感が現われている   

酸化熟成の段階にある   酸化している    第1アロマが強い  

第2アロマが強い  ニュートラル   木樽からのニュアンス

<解説>:香りから読み取れる情報を表す用語で、複数の用語を選択します。
「若々しい」と「熟成感が現れている」、「酸化熟成の段階にある」、「酸化している」の4つの用語は、ワインの熟成度合いを表現します。
赤白ともに、香りに表れる熟成のニュアンスに応じて適切な用語を一つ選んでください。これは『外観の印象』との連動性が高く、例えば外観で「若い」と判断した場合は『香りの印象』も「若々しい」を選ぶべきでしょう。
「落ち着いた(控えめな)」は具体的にどのような香りの状態を指しているか判然としません。
白ワインの場合は、リースリングの正解として正解率の高い用語となっているため、リースリングだと自信を持って判定される場合は選んでもよいと思われます。
赤ワインの場合は、2013年までは比較的正解率が高かったのですが、14年以降はほとんど正解となっておらず、選ばない方が無難と思われます。
「開いている」と「クローズしている」という用語は、明らかに香りのヴォリュームに関わる用語です。
香りの豊かさの項目で、「しっかりと感じられる」または「力強い」を選んだ場合は、「開いている」を選んでください。
「クローズしている」という用語は、長期熟成型の高級ワインが、瓶熟成の初期段階で、香りのヴォリュームが一時的に落ち込む様子を指しており、実際の正解としてはほとんど該当しません(とはいっても、これはかなり経験値を積まないと分からないレベルの用語だと思いますが)。
「還元状態」は、ワインに硫化水素(硫黄のような匂い、玉子の腐ったような匂い)などの還元臭が感じられるときに選択する用語ですが、スクリュー栓のワインに比較的多く現れる用語で、したがって白ワインに多い用語となり、逆に赤ワインではほとんど正解のない用語です(これもある程度経験値を積まないと分からない用語と思います)。
「第1アロマが強い」は、ブドウ由来の果実や花、スパイスなどの香りが強いワイン、若々しさが顕著なワインの正解率の高い用語です。
赤白ともに香りがしっかりと感じられるワインに多い用語となり、どちらかといえば赤ワインの正解率が高い用語となります。
「第2アロマが強い」は、低温発酵によるエステル香(吟醸香)、マセラシオン・カルボニック法によるバナナのような香り(品種としてはガメイに多い)、マロラクティック発酵に由来する杏仁豆腐やバター香(ブルゴーニュのシャルドネが代表)などが顕著に感じられるときに使いますが正解としては僅かしかありません。
「ニュートラル」は、品種特有の香を持たない白のシャルドネや甲州に多く正解とされる用語となりますので、自信をもってこれらの品種と答えられる場合は選択してもよいと思われます。
「木樽からのニュアンス」は、白ワインの場合は樽熟成したと思われるシャルドネと確信があれば選ぶべき用語となります。
赤ワインの場合は品種を問わず正解率の高い用語で、若々しい果実香が前面に立ったフレッシュ&フルーティなタイプと思われる以外は選んだ方がよいでしょう。
また「熟成」を含んだ用語は、『外観の印象』でそれを選んだ場合に連動して選んでください。


以上で「香り」についての選択基準の解説を終了します。

次回は「味わい」から「総合評価」の選択基準について解説していきます
スポンサーサイト
別窓 | ソムリエ協会呼称資格試験 | コメント:0 | トラックバック:0 
<<二次テイスティング試験用語選択基準③「味わい」~「総合評価」について | ワインアドバイザー虎の穴 『Q』 | 二次テイスティング試験用語選択基準①外観について>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| ワインアドバイザー虎の穴 『Q』 |

アフェリエイト3