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二次テイスティング試験用語選択基準①外観について
2016-09-05 Mon 00:04
前回は一般呼称(一部シニア呼称)の二次テイスティング試験過去3年間の正解一覧をアップしましたが、今回からそれをどのような基準で選んだらよいかについて解説していきたいと思います。

各テイスティング項目の用語は、直近(昨年)の二次試験テイスティング試験で用いられたものをほぼ正確に再現したものです。
各年度によって選択肢の用語に多少の変化があるため、過去3年間に正解とされている用語が無いケースも多々ありますが、それらについては代わりとなる用語を当てはめて考える必要があります。

各分析項目のほとんどは、程度の大小を表す選択肢が並んでいるものです(例えば甘味の強さなど)。言葉の並び方は、項目によって右から左へと程度が「強い」ものから「弱い」ものへと並んでいる場合と、程度が「弱い」ものから「強い」ものへと並んでいるものがあり、一貫していません。

ソムリエ協会方式の試飲では、酸味、甘味、渋味などの評価について、ストレートな定量評価の用語(強い、弱い)をあまり使っておりません。例えば、白ワインの酸味は、・・・「しなやかな」<「なめらかな」<「さわやかな」<「シャープな」の順に強くなると、ソムリエ協会教本記載(2016年版ではP502)の『官能表現チャート』には解説されています。一語で定量評価と定性評価を兼ねようとしているからだと思われますが、特定の用語が量の大小のスケールの中で具体的にどこに位置するのかがわかっていないと、正しい用語を選ぶのは困難です。「さわやかな酸味」と「なめらかな酸味」、どちらが強いと聞かれて答えるには、過去の模範解答に照らし合わせて、繰り返しテイスティングの訓練を重ね、慣れて覚えるしかありません。

実際の試験の採点においては、各項目において選択数が決められていますが、択一の分析項目でも、複数の選択肢が正解とされること(しかも相反すると思われる用語が共に正解例となること)が多くあります。よって正解といっても絶対的なものではなく、あまり神経質になる必要はありません。

一度にアップしますと膨大な量になりますので、以上の事柄を踏まえ、今回は「外観」について解説していきます。


① 外観

清澄度(共通): 澄んだ     深みのある(のみ)    やや濁った     濁った

<解説>:ワインがどれだけ澄んでいるかを表す用語です。
ノンフィルターと思われるワインで、明らかに清澄度が低いと思われる場合以外は、白ワインの場合は「澄んだ」を選んでください。過去3年間のシニア試験を含めての白ワインの正解は全て「澄んだ」です。
赤ワインの場合は、ルビー色系の明るい色調で、グラスの底が見通せるような色素量も多くないワインは「澄んだ」を選び、日照量が多くよく熟したブドウから造られたと思われる、グラスの上から見て底の見えないような濃い色調のものは「深みのある」を選んでください。


◆輝き(共通): 輝きのある     落ちついている(:落ちついた)    モヤがかった

<解説>:ワインの色のテリ、鮮やかさを表す用語です。
白ワインの場合は、基本的に「輝きのある」を選んでください(2013年まで「クリスタルのような」という用語がありましたが、「輝きのある」という用語に統合されたようです)。
これも過去3年間の通算で15銘柄中12銘柄の正解が「輝きのある」となっています。
「落ちついている」は、熟成感が感じられる、樽熟成したと思われるような黄色みの強いワインの場合は選んでもよいでしょう。
赤ワインの場合も「輝きのある」が過去3年間の出題では全て正解となっており、これを選ぶのが無難です。
品種を問わず熟成感を感じさせるワインの場合や、清澄度で「深みのある」を選ぶような色調の濃いワインは、直近2年間で「落ちついた」の正解率も「輝きのある」と同時に正解となる傾向があります。


◇色調(): グリーンがかった   レモンイエロー   イエロー   黄金色がかった    黄金色   トパーズ   アンバー(琥珀色)


<解説>:本番の試験ではひとつだけ選択するよう求められる場合が多いようです。
明らかに熟成感が感じられるものや温暖産地と思われる濃い色調のワイン以外は、「グリーンがかった」もしくは「レモンイエロー」を選んだ方が無難で15銘柄中13銘柄がこの二つの用語同時に正解となっています。
逆に熟成感を感じさせるものや温暖産地と思われる黄色みの強いワインは「黄金色がかった」か「黄金色」を選択してください。
「トパーズ」や「アンバー(琥珀色)」は、通常かなり酸化もしくは熟成が進んでしまい、褐変化してしまったワインになり、この試験では無視してかまいません。


◆色調():紫がかった   ルビー   黒みを帯びた   オレンジがかった   ガーネット     レンガ色   マホガニー

<解説>:あてはまると思われる選択肢を指定された数だけ選んでください。
「紫がかった」は品種を問わず比較的若いワインの正解とされることの多いコメントで、逆にある程度熟成感の感じられるワインは「オレンジがかった」が正解とされる傾向が強いです。
出題されるワインは若いワインが多いため、正解数では「紫がかった」が多いですが、これはグラスを斜めに傾け、エッジのグラデーションをよく観察し判断してください。
「ルビー」と「ガーネット」はここ数年、正解の基準がぶれている用語です。
2012年以前は、色調が明るく薄い=「ルビー」、深く濃い=「ガーネット」であったものが、2013年には、若い=「ルビー」、熟成感がある=「ガーネット」に変質し、ここ2年でまた以前の基準に戻った感があります。
これは直近の基準を重視し、みたままの色を選択すればよいでしょう。
当然といえば当然ですが、結果的に品種でみれば「ルビー」はピノ・ノワールの正解コメントとなり、「ガーネット」はカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーのような濃い色調の品種の正解コメントとなっています。
その中でも特に色調が濃いと思われるものは「黒みを帯びた」も正解率の高いコメントとなっています。


◆濃淡(共通): 薄い(無色に近い)   淡い()/明るい()   やや濃い    濃い   非常に濃い

<解説>:色の濃淡は5段階で評価しますが、この中から一つだけ選びます。
白ワインの場合、見た感じで若々しく冷涼産地と思われるような薄い色のワインの場合は「淡い」の正解率が高くなり(リースリングやソーヴィニヨン・ブラン)、比較的温暖産地(南オーストラリアやカリフォルニア)と思われる、もしくは木樽で熟成した、熟成感のあるシャルドネの場合は「やや濃い」の正解率が高くなります。
「薄い(無色に近い)」は2013年から出題されるようになった甲州のように、明らかに無色に近いものの場合のみ選んでください。ちなみに白の場合「濃い」が正解のケースはごく稀で、「非常に濃い」が正解とされたことは一度もありません。
赤ワインの場合は、品種的に果皮からの色素量が少ない品種(ピノ・ノワール)とみられる場合「明るい」の正解率が高く、色素量の多い品種(カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、メルロなど)は「やや濃い」、「濃い」、「非常に濃い」が正解とされています。
これは見た目で判断するしかありませんが、『色調』のコメントと連動させて選んでください。


◆粘性(共通): さらっとした   やや軽い   やや強い   強い   ねっとりとした

<解説>:ワインの粘度を5段階で評価しますが、この中から一つだけ選びます。
ワインが水のようで脚がほとんど出ない場合は「さらっとした」を、比較的早く脚が落ちるようであれば「やや軽い」を選び、脚がゆっくりとグラスの内側を伝わるようなら「やや強い」、「強い」の正解率が高くなります(2014年まで「強い」は「豊か」という用語でした。正解一覧で「豊か」となっている箇所は「強い」に置き換えてみてください)。
基本的にアルコール度数やグリセリン量の多いワイン(となると赤白ともに日照量の多い温暖産地もしくはそこに適したブドウ品種で造られたワイン)ほど粘性は高くなりますので、『色調』や『濃淡』と連動性が生じることになります。


◆外観の印象(共通): 若い    若い状態を抜けた(のみ)   軽い     よく熟した    成熟度が高い    濃縮感が強い   やや熟成した   熟成した  酸化熟成のニュアンス    酸化が進んだ    完全に酸化している

<解説>:ワインの外観から読み取れる情報を総合的に表す用語で、1~3の用語を選択します。
「若い」、「若い状態を抜けた」「やや熟成した」、「熟成した」、「酸化熟成のニュアンス」、「酸化が進んだ」、「完全に酸化している」の7つの用語はワインの熟成度合いを表現します(このうち「若い状態を抜けた」は2014年から赤ワインに出現したコメントで「若い」も同時に正解となるケースが多くなります)。
赤も白も熟成のニュアンスのないフルーティな果実味が前面に感じられるタイプであれば「若い」を選びます。
熟成感のあるものは、どれを選ぶか迷うところですが、過去最も多いのは「やや熟成した」で、はっきりと熟成感が分かるものであれば「熟成した」を選べばいいと思われます「酸化が進んだ」と「完全に酸化している」はこの試験ではほぼ無視してかまいません。
 「軽い」、「よく熟した」、「成熟度が高い」、「濃縮感がある」は、原料ブドウの成熟度合いを示している用語だと推定されます。
外観で得られる情報からこうした用語を選ぶ場合、色の濃さを手がかりにするしかありません。
「軽い」は白ワインの場合、濃淡が「淡い」ワインの場合、赤ワインの場合は「明るい」を選んだ場合に正解となる用語となります。
推定されるブドウ品種のワインとして、相対的に色が濃い場合は、「よく熟した」<「成熟度が高い」<「濃縮感がある」<「濃縮感が強い」の順で、どれかひとつを選ぶことになります。
ただし、上記の各用語については、ソムリエ協会の使用基準が判然としません。
上記の基準はあくまで推定でしかありませんが、過去3年間の正解をみるかぎり、明らかにアルコール度数も低くヴォリューム感も“軽い”ワイン以外で、ボディもそこそこしっかりとしているワインは、「よく熟した」、「成熟度が高い」を選択し、『色調』の項目で「黒みを帯びた」を選ぶような濃厚で黒々としたワインは「濃縮感がある」や「濃縮感が強い」を選べばよいと思われます。


以上が【外観】についての選択基準解説になります。

次回は【香り】の選択基準について解説していきたいと思います
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