「虎の穴」へようこそ!全国大会決勝出場を目標に、日々修行中のワインアドバイザーの日記です。
http://robert10.blog108.fc2.com/
日本ソムリエ協会教本「日本酒」重要ポイント
2016-05-03 Tue 10:05
今年度版の教本から、大きく記載内容が変わった項目の一つが「日本酒」となります

昨年までは「酒類飲料概論」の中の一カテゴリーでありましたが、今年度版から一つの“章”(?)として独立し、場所も巻末近くの離れた場所に移動しております。

記述内容もほとんど一新されており、特に原料米として酒造好適米の品種ごとの特徴の違いや、“水”・“酵母”についてもこれまでなかった詳細な解説が加えられております。

これは日本ソムリエ協会の会長に田崎真也氏が就任され、より日本お酒(特に日本酒)を重視していこうという方針の表れと考えられますが、おそらく今年度の呼称資格試験にもそれが反映されてくるものと予想されます。

出題の順番も、これまでは教本記載順になっているため、「日本酒」も最も後になることが予想されますが、このブログではこれまでの順序を踏襲していきたいと思います。

なお、日本の酒税法上では「日本酒」という表記はなく「清酒」と統一されており、教本の中でもそのような解説がありますが、ここでは混乱を避けるために教本に合わせ“日本酒”とします。


【日本酒とは】 P577
・清酒は酒税法により
米麹を原料として醗酵し、漉したもの。
米麹清酒粕、そのほか政令で定める物品を原料として・・・
③清酒に清酒粕を加えて漉したもの・・・と定義されている。
アルコール度数は何れも22度未満でなければならない。
※酒税法上は「日本酒」という表記はなく、「清酒」に統一されている。

【日本酒の特性】 P577
・5~60℃と幅広い飲用温度。冷酒、そのまま(常温)、燗酒
・四季折々の味わいと熟成:「初冬~早春」…新酒、 「梅雨時」…活性清酒、  「夏」…新酒を冷酒で、  「秋」…ひやおろし、  「冬」…燗酒

【日本酒造りの主な工程】 P578
・「蒸きょう」:米を炊かずに蒸すのは、蒸した米と炊いた米の水分含量の違いから・・・蒸した米:38~40%⇒麹菌の繁殖に最も適した水分活性領域に一致。(炊いた米は65~70%)
・「麹」:ひと仕込におよそ2日を要する。「一麹二酛三造り」・・・麹づくりが最も大切ということを表している。
・「段仕込み(段掛け法)」:醪の仕込みは通常4日間で3回に分けて行われ、これを「三段仕込み」という。⇒「初添え」、「仲添え」、「留添
・「上槽」:発酵を終えた醪を搾ること。・・・酒袋に入れた醪を「槽(ふね)」または「酒槽(さかぶね)」と呼ばれる細長い箱に並べて搾るため。
・「火入れ」:60~65℃程度で加熱することにより、残存酵素の働きを止め、殺菌をして、酒質の安定を図ること。一般的には2回行う。 「生酒(なまざけ)」・・・火入れを一度も行わない。
・「割水」:できたお酒は度数が高すぎるため、通常は水を加えてバランスを整えます。「原酒」「生原酒」・・・割水を行わない酒
・酒造用の粳(うるち)米は粒の中心部に白い透明な部分(心白)がみられる米が適しているといわれるが、その理由は「心白の部分はデンプンの構造が疎であるため、麹菌の菌糸が中に食い込みやすく、酵素力の強い麹ができること」・・・※問題では正誤問題で「疎」の部分が「密」とされてよく出題されています。

【原料米について】 P579~580
・原料は「うるち米」が中心・・・
①適当な吸水性、外硬内軟の蒸米が得られる。
②麹菌の菌糸の破精込み(菌糸が米粒の中心部に向かって侵入すること)が容易。
③酒母や醪づくりにおいて消化性がよい。
・「酒造好適米(酒米)」・・・飯米に比べ粒が大きく、「心白」も適度に大きい。香味の劣化につながりやすいタンパク質の含有量が少ない。
 ●「心白」・・・米粒の中央部に発現することのある白色不透明な部分。・・・軟らかく、隙間に麹菌の菌糸が入り込みやすく、強い酵素力をもつ麹ができやすい
 ○山田錦:水分をたっぷり含み、酒母や醪づくりで溶けやすく、奥行きのある豊潤な味わいを生む。兵庫県が質量ともに先頭に立つ。酒米で最も生産量が多い。
 ○五百万石:寒冷地向けに開発された早稲品種。淡麗で爽やかな酒質を生む傾向。新潟が総生産量の50%弱を産し、富山、福井と続く。山田錦に続く第2位。
 ○美山錦:大粒で豊満かつ心白発現率が高い。耐寒性が高く、淡麗ですっきりとした酒質。長野、秋田、山形が主産地。
 ○雄町江戸期から栽培されていた希少な品種。味わいにボリュームが出やすい。

【水について】 P580
・全成分の約80%を占める。
・日本酒造りに用いる水は総じて「醸造用水」といわれる。・・・「仕込み水」、「割水」、「洗米水」、「浸漬水」、「器具や設備、瓶の洗浄水」
・pHは中性または微アルカリ性がよい。 
・有害な成分:鉄、マンガン  
・有効な成分:カリウム、リン、マグネシウム(酵母や麹菌の栄養源となる)、カルシウム、クロール(麹からの酵素の浸出を容易にする)・・・「宮水」
・「水の硬度」・・・水中のカルシウムとマグネシウムの量を表す。・・・「硬水」:含有量多い、 「軟水」:含有量少ない
 ○硬水よりの水・・・骨格のしっかりした辛口・・・「灘の男酒」   ○軟水での仕込み・・・口あたりがやわらかく、まろやかな味・・・「伏見の女酒」
・「割水」・・・飲みやすくするため、搾った酒に水を加えアルコール分と香味のバランスを調整。⇒アルコール分15度前後に

【酒母について】 P581
酒母=酛(もと)」・・・麹と蒸米、水を入れたタンクの中で酵母を大量に純粋培養する。雑菌の進入を防ぐため、乳酸を含有させるがこの乳酸を得る方法により「速醸系酒母」と「生酛系酒母」に大別される。
 ○「速醸系酒母」:仕込み時に醸造用乳酸を添加する方法。安全性が高く、現在、酒母の大半。2週間程度で完成。
 ○「生酛系酒母」:酒母製造の初期に自然の乳酸菌を取り込み増殖させ、乳酸菌により乳酸を生成させる方法。剛健な酵母が生まれ、うまみや酸の豊かな酒質を生みやすい
 ⇒「生酛」、「山卸廃止酛(山廃酛)」
 ●「山卸廃止酛(山廃酛)」 ⇒蒸米と麹、水を“半切り桶”に小分けし、低温の環境下、数回にわたり櫂で根気よくすりつぶす作業 =「山卸し」を廃止しつつ、酒母をつくる手法。

【酵母について】 P581
・「清酒酵母」・・・学名:「サッカロミセス・セレビシエ
・「並行複発酵」・・・「糖化」(=米のでんぷんを麹菌の出す酵素によりブドウ糖に分解)と、「アルコール発酵」(=酵母がブドウ糖を食べ、炭酸ガスとアルコールを生成)が同時並行に行われるのが清酒造りの特徴。 (ワインは元々ブドウにブドウ糖が含まれるため、糖化の必要はありません。⇒「単発酵」)
・日本酒の醪の発酵温度:8~16℃ と、ワインに比べ低温。・・・糖化と発酵のバランスをとるため、香味の調和を図るため。
・「きょうかい酵母」:日本醸造協会で頒布する優良酵母・・・伝統的酵母:「きょうかい6号(新政)酵母」、「7号(真澄)酵母」、「9号(熊本または香露)酵母」、「10号(明利小川)酵母」、「14号(金沢)酵母」など。
・「蔵つき酵母」・・・酒蔵に棲みついている固有の酵母

【特定名称の日本酒】 ・・・※清酒の項目では過去最も出題頻度が高い最重要ポイントです。
○8種類の「特定名称」の違いは必須。P582一覧表の「使用原料」、「精米歩合」は特に重要。
●「純米~」と付くものはすべて原料は「米麹」のみ!
●「~大吟醸」と「大」が付くものは、精米歩合が50%以下。「特別~」と、ただの「~吟醸酒」は60%以下。 
●「本醸造」のみ70%以下  
●「純米酒」に精米歩合の規定はありません。
●特別名称酒はいずれも麹米使用割合が15%以上(因みに「米だけの酒」という商品名で、原料が米と米麹だけなのに『純米酒ではありません』という表示があるのは麹米使用比率が規定以下のため)。
○製造数量の割合は34.8%で、残りは普通酒など。
○「吟醸造り」・・・「吟味して醸造すること。伝統的によりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、粕の割合を高くして、特有の芳香(吟香)を有するよう醸造すること」・・・低温で30日前後発酵。

【醸造アルコール】
・日本酒の香味を調整するために使用。 ・原料はでんぷん質を糖化したものや、廃糖蜜などを発酵後に蒸留・・・つまり焼酎甲類と原料・製法ともにほぼ同義(アルコール度数は高いです)
【精米歩合】
玄米をどのくらい磨いたか(=削り取ったか)を表す数値。例)精米歩合60% ⇒玄米を40%削って除いたもの。
・米を磨くのは、米の表層近くにタンパク質や脂質が多く含まれ、お酒にしたときに“雑味”となるため。
【地理表示について】
・国が地理的表示を保護する日本国内産地は、日本酒では「白山」(石川県白山市)が2005年12月に指定された。


以上で「日本酒」の重要ポイントは終了。

次回は「日本酒」の対策実戦問題をアップ予定です
スポンサーサイト
別窓 | ソムリエ協会呼称資格試験 | コメント:0 | トラックバック:0 
<<2016年度「酒類飲料概論(日本酒編)」一次試験対策問題 &解答 | ワインアドバイザー虎の穴 『Q』 | 日本ソムリエ協会2016年度関東支部第3回例会セミナー「日本の風土を活かしたワイン造りを求めて」参加>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| ワインアドバイザー虎の穴 『Q』 |

アフェリエイト3