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日本ソムリエ協会2016年度関東支部第3回例会セミナー「日本の風土を活かしたワイン造りを求めて」参加
2016-05-01 Sun 03:03
既に先週のことになりますが、4月21日(木)に山梨県で行われました日本ソムリエ協会関東支部のセミナーに参加してきましたので、今回はその模様を。

この日は午前中に韮崎市にある山梨マルスワイナリー日之城農場を見学し、午後に甲府駅前の会場で「日本の風土を活かしたワイン造りを求めて」というテーマで、山梨マルスワイナリーの醸造責任者である田澤さんと栽培責任者である河野さん、「アピシウス」の情野シェフソムリエを講師に、山梨のワインの現状を解説していただくというセミナーでありました。

      山梨マルスワイナリー日之城農場1

      山梨マルスワイナリー日之城農場2

      日之城農場案内板1

      日之城農場案内板2


午前中に訪れた山梨マルスワイナリー日之城農場のブドウ畑。
普段は一般公開されていない畑で、今回ソムリエ協会の要請で見学できることとなりました。

標高約500m、2.2haの広さの畑に、赤用品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラー、カベルネ・フラン、シラー、プティ・ヴェルド、白用品種はシャルドネ、ヴィオニエなど欧州系品種が、本格的な垣根仕立てで栽培されております。

      垣根仕立て(コルドン)シャルドネ

これは垣根仕立て(コルドン)のシャルドネ。まだ展葉が始まったばかりなので、仕立て方の様子がよく分かります。

      垣根仕立て(ギヨー・ドゥーブル)プティ・ヴェルド

これは垣根仕立てでもギヨー・ドゥーブルのプティ・ヴェルド。赤ワイン用はボルドー系品種が中心となります。


      日之城農場メルロ


      日之城農場カベルネ・ソーヴィニヨン

上の画像がメルロ、下がカベルネ・ソーヴィニヨンとなりますが、他のブドウ品種が葉っぱを出しているのに、カベルネ・ソーヴィニヨンだけはまだ芽の状態で、いかに晩熟型のブドウかがこれで分かります。

      粘土質の土壌

土壌は粘土質が多く、乾くとカチカチで写真のようにひび割れた状態になりますが、雨が降るとドロドロになり靴にへばりつく状態になるとか。
この日は雨の降る直前に訪れることができ、なんとかきれいな状態のまま見学することができました。

      日之城農場獣除けネット

イノシシや鹿による食害が深刻、特に鹿は新芽をことごとく食べてしまい、ブドウが出来なくなってしまうとのことで、畑の回りには人の背よりも高い、防除のための網が張られておりました。

      日之城農場:蛾の幼虫に食い荒らされた状態のブドウ樹

これは蛾の幼虫が入り込み、食い荒らされてしまった幹の部分。畑の周りには雑木林が多いため、害虫の防除も問題となっているそうです。

      関東支部第3回例会セミナー:テイスティングアイテム1

      関東支部第3回例会セミナー:テイスティングアイテム

お昼に山梨名物の“ほうとう”を堪能した後、セミナー会場の「ベルクラシック甲府」に移動。
日之城農場でも説明を受けた醸造責任者の田澤さん、栽培責任者の河野さん、情野ソムリエによるセミナーに参加。

先ず“日本ワイン”の現状についての解説を一通りいただいた後、日之城農場で収穫されたブドウで造られたワインを含む8アイテムを商品コンセプトや醸造法などの説明をいただきながらテイスティング。

画像左より、

①「穂坂シャルドネ&甲州スパークリング」2014(白・泡辛口):爽やかな柑橘系果実の香りとシャープな酸味のスパークリング。甲州をアッサンブラージュすることにより軽やかでさわやかなスタイルに。これから暑くなる季節に楽しみたい泡であります。

②「甲州ヴェルディーニョ」2014(白・辛口):水のように淡い色調。青リンゴや和の梨の香り。アタックにやや甘味を感じる。爽やかな酸味が全体を支え、アフターには甲州らしい心地よい苦みが後味を引き締めます。

③「シャトーマルス・プレステージヴィオニエ&甲州」2014(白・辛口):この日見学した日之城農場のヴィオニエと穂坂地区の甲州で造られたアロマティックな白ワイン。緑がかった淡いレモンイエローの外観。ヴィオニエらしいマスカットやライチの華やかな香り。酸味はまろやか。しっかりとしたボディとアルコール感のある辛口白ワイン。

④「シャトーマルス穂坂マスカット・ベーリーA コールドマセレーション」2014(赤・ミディアムボディ):若々しい明るいルビーの外観。チェリーやキャンディのような甘い香り。低温浸漬とMLFしないことにより、冷やしても美味しい軽快な味わい。赤にしてはシャープな酸味とサラサラとしたタンニンで、暑い季節に冷やしてカジュアルに楽しみたいライトな赤ワイン。

⑤「シャトーマルス カベルネ・ベーリーA 穂坂収穫」2014(赤・ミディアムボディ):濃いルビーの外観。ブルベリーやメントールの香り。やや収斂性のあるタンニン。カベルネ・ソーヴィニヨンの持つ“力強さ”とマスカット・ベーリーAの持つ“柔らかさ”がほどよく調和し、若いうちから気軽に楽しめる赤ワイン。

⑥「シャトーマルス キュベ・プレステージ 穂坂日之城シャルドネ」2014(白・辛口):グリーンがかった濃いイエロー。粘性は強く、エキス分の濃いしっかりとしたワインであることを予感させます。まろやかながらも量感のある酸味と、クリーミーでしっかりとしたボディの飲みごたえのある、ブルゴーニュを想わせるシャルドネ。この日見た樹から出来たワインかと思うと、また格別な味わいがあります。

⑦「シャトーマルス キュベ・プレステージ 穂坂日之城キャトル・ルージュ」2009(赤・フルボディ):セパージュはメルロ、カベルネ・フラン、シラー、プティ・ヴェルドのアッサンブラージュ。“キャトル”のコンセプトは『その年の味わいを表現する』ことにあり、この年はカベルネ・ソーヴィニヨンの出来が良すぎて、その特徴が出過ぎてしまうため使用していないとのこと。外観は赤みがかった濃いガーネット。カシスやブラックベリーのコンポート、カベルネ・フランらしいヴェジタルのニュアンス。アニスのようなオリエンタルスパイスのニュアンスもあり、複雑性と熟成感を感じます。円みのある酸味とタンニンが心地よい、バランスの良い赤ワイン。

⑧「シャトーマルス キュベ・プレステージ 穂坂日之城カベルネ&メルロー遅摘み」2013(赤・フルボディ):紫がかった濃いルビー。ブルベリー、ブラックベリーのような黒い果実の凝縮感のある香り。仄かにメントールのような清涼感のある香り。まろやかな酸と豊なタンニン、豊満でしっかりとした骨格のある、スケール感のあるフルボディの赤ワイン。


日之城農場のブドウで造られたワインは、最も高いものでも6,000円ほど(本体価格)ですが、2.2haの規模でこれだけの品種を植えているので、当然ながら採算は取れないそうです。

この畑はあくまで“試験農場”の位置づけということもあり、また日本のワインでこれ以上の価格ではなかなか売り辛いということもあるのでしょうが、講義の中で田澤さんが仰られていた「自分たちが造りたいワインを造る」という言葉が非常に印象的でありました。

ここ十年で飛躍的に向上してきたといわれる日本のワインですが、やはりブドウを育て、それをワインに造り上げていく方々の情熱がその原動力となっていることが再認識出来ただけでも、朝早く起きて山梨まで来たかいがありました。

そしてその情熱を受け継いで消費者に伝えるのが、我々ワインアドバイザー(今年からソムリエ呼称になってしまいますが・・・)の使命なのでしょう。

また今度、ブドウが色づく季節にでも、再度山梨を訪れてみたいと思います
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