「虎の穴」へようこそ!全国大会決勝出場を目標に、日々修行中のワインアドバイザーの日記です。
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日本ソムリエ協会教本「酒類飲料概論」(ワイン編)重要ポイント
2016-04-10 Sun 11:48
「大いなる力には大いなる責任が伴う」  

      (映画『スパイダーマン』より)



阿多棒心:「そもそも剣とは人を殺す法にすぎぬ・・・」
    
      「剣を持つ者の心にて正邪の判断をゆるす・・・そこが剣流の在るゆえん・・・」
    
      「人あって剣あり刃をもちたる獣にすぎざれば、剣の流れを名のる必要もなく流れ
      そのものも在るべくもない。」
    
      「なんじに剣を伝えし師父は獣なりしや!」 

      (『カムイ外伝』第12巻より)



昨日の朝日新聞の朝刊22面と23面に見開きでデカデカと二つの大きな、かつ実に対照的な記事が載っておりました。

右面には、今年の五輪でメダルを期待されながら、違法な裏カジノの手を出してしまい、選手生命そのものの危機にさらされているバドミントン選手の記者会見の記事・・・。

左面には、競泳の世界に数々の金字塔を打ち立て、今回の日本選手権で引退を表明した北島康介選手の記事・・・。

両者ともにアスリートとして恵まれた才能をもち、謙虚に前に進み続けそれを開花させ不滅の果実としてその記録と名を遺した北島選手と、片やその才能に溺れ、驕り、あだ花として散らしてしまいつつある、バドミントンの新旧の“エース”。

その真逆なコントラストにしばし言葉を失い、じっと紙面を見つめておりましたが、最近多いですね・・・、賭博や薬物などで自らを葬ってしまう、神が与えたもうた才能の無駄遣いが・・・。


さて、同じアスリートでも、40も半ばを過ぎてからワインのアスリートと化した、文字通り酔狂なおっさんには元々才能なんて欠片もありはしないので、今年もコツコツと勉強あるのみです

ということで、今年もソムリエ協会呼称資格試験のための資料作成、そのアップをメインにこれから更新を続けていこうと思います。
この“重要ポイント”は直近10年間の過去問題から繰り返し出題されている“定番”の部分と、最近の傾向から出題されそうな箇所を抜粋したものになり、分厚い教本から試験対策のエッセンスを凝縮させたものになります。

その第一弾は「酒類飲料概論」のうち「ワイン」の重要ポイントになります


今年度この「酒類飲料概論」で大きく変わったところといえば、「日本酒」が概論から外れ、独立した章として巻末に移動したことでしょうか。

これはワインに限らず、「日本のソムリエはもっと自分の国のお酒(その背景にある歴史・文化・料理など含む)について知ろうよ!」という現在の協会執行部の方針によるものですが、それはその通りだと思いますね

「この“純米吟醸酒”に合うお料理は何?」とお客さまに聴かれて、答えられないようであれば、「ソムリエでござい」と胸を張ってそのバッチを見せることはできないでしょうから。

その他の部分は統計数値が更新されていることと、記述内容がちょこっと変わった部分はあるものの、大きな変化はないようであります

能書きが長くなってしまいましたが、では第一弾のワイン編スタートです!


酒類飲料概論重要ポイント1(ワイン編)

◎初めに P3

・日本の酒税法上の“酒類”の定義・・・「~アルコール分1度以上の飲料」
・酒類の分類(教本P3 ※酒税法上の分類ではない)・・・P3の表は大雑把な分類としてさらりと目を通す。
 酒類 - 醸造酒・・・<果実原料> ワイン、シードル   <穀物原料> ビール、日本酒、老酒
     - 蒸留酒・・・<果実原料> ブランデー      <果実以外> ウイスキー、ウォッカ、ジン、ラム、焼酎
     - 混成酒・・・<醸造酒原料> ヴェルモット    <蒸留酒原料> リキュール類

◎ワイン  ○ワインとは P3

・『教本』では「酒類飲料概論」において歴史に関することは少ししか触れられていません。「歴史」は国別の項目においてより詳細に触れられていますので、そこで重要なポイントはしっかりと把握してください。

・「ギリシャやローマ帝国の支配権拡大とともにブドウも西欧各地に広まり、やがてキリスト教の儀式に不可欠な存在となった。各地の修道院、僧院ではブドウ畑の開墾などもなされ、ワイン原動力となってきた。」

・『教本』において過去出題されたのはP3「16~18世紀のヨーロッパ宮廷文化は美食と高品質なワインを求め、一層ワイン造りに対する投資に拍車をかけ、醸造技術も大きく発展した」という箇所です。
これまでのキリスト教の儀式に不可欠な神聖なアイテムから、王侯貴族による美食文化がワインそのものの美味しさを追求し、醸造技術の進歩をもたらしたということがポイントです。

○ワインの特性  P3~6

・アルコール発酵の化学式ジョゼフ・ルイ・ゲイリュサック P4
 
・酵母による発酵メカニズムを解明ルイ・パストゥール  (いずれも19世紀)  
※この二人の名前は過去何回も出題されていますが、どちらが何をしたか確実に覚えましょう。

・1キログラムのブドウから搾汁される果汁、ワインの量・・・600~800ml

<ワイン中の主な有機酸> P4

◎ブドウ由来の酸=酒石酸、リンゴ酸、クエン酸 (酒石酸が一番多い・・・名前から発酵由来と思われがちですが、自然な酸なので要注意!)・リンゴ酸は“リンゴ”に、クエン酸はレモンのような“柑橘類”や“梅干し”に多く含まれます。

◎発酵によって生成した酸=コハク酸、乳酸、酢酸  ・・・コハク酸は“しじみ”の味噌汁の旨味成分といえば分かりやすいでしょうか。乳酸はヨーグルトのようなマイルドな酸味です。

◎貴腐ワインに含まれる酸=ガラクチュロン酸・・・「熟成中に酸化され粘液酸となり、さらにカルシウム塩となって白色結晶の粘液酸カルシュウムとして析出する。」

酒石は酒石酸とカリウムなどが結合した物質で、ワインの宝石とも呼ばれる

<ワインの風味> “香り” → ‘アロマ’と‘ブーケ’に、アロマはさらに「第1アロマ」と「第2アロマ」に細別される。

・「第1アロマ」…原料ブドウ由来の品種特性香。醸造工程を経て感知される品種特有の香り(例:ソーヴィニヨン・ブラン)含む

・「第2アロマ」…醗酵過程で酵母や乳酸菌が生成する香り・・・清酒の花のような“吟醸香”が典型

・「ブーケ(第3アロマ)」…醗酵終了後、タンクまたは樽で貯蔵中に生成する熟成香と、さらに瓶詰後に瓶中で生成する熟成香

<ワインは健康的なお酒> 
◎ワインのpH…「2.9~3.6」と低いpH(酸性)※pH7で中性です  

◎「フレンチ・パラドックス」…赤ワインの効果として心疾患による死亡率が低い。

◎アルコールの生理的効用…「善玉コレステロールであるHDL=高密度リポ蛋白」の濃度上昇。 

◎「ポリフェノール」…過剰な活性酸素を消去する力。ブドウの果皮、種に多く含まれる。⇒「LDL=低密度リポ蛋白(悪玉コレステロール)」減少。

◎「リスベラトロール」…ブドウがカビに汚染されると自分を守るために造るファイトアレキシンといわれる物質の一種で果皮に存在。抗ガン作用があるとの研究結果。

●「アセトアルデヒド」…アルコールはほとんどが肝臓でアルコール分解酵素によりアセトアルデヒドに代謝される。発がん性のある毒物。多種類の癌やアルツハイマー病、酸化による老化を早める。⇒当然ですが、飲酒は適量で。

○ワインの分類 P6

◎スティルワイン・・・「(泡を立てない)静かなワイン」という意味。つまり普通の赤ワイン、ロゼワイン、白ワインのこと。

◎スパークリングワイン=3気圧以上のガス圧    ・弱発泡性ワイン=それ以下のガス圧・・・ペティアン(仏)、パールヴァイン(独)、フリザンテ(伊)
 
<甘辛表示 ⇒ 残糖分濃度> EU:「brut nature」=3g/ℓ未満でドサージュ(補酒)をしていないもの。
・「extra brut」=0~6g/ℓ、   ・「brut」=12g/ℓ未満
・「extra dry」=12~17g/ℓ、  ・「sec」=17~32g/ℓ、
・「demi-sec」=32~50g/ℓ、  ・「doux」=50g/ℓを超えるもの ※±3g/ℓは許容範囲 

◎過去スパークリングワインの甘辛表示について問われるのはほとんどが「brut」についてであり、これを中心値として覚えてください。

◎フォーティファイド・ワイン(酒精強化ワイン)・・・シェリー(スペイン)、ポート・ワイン、マデイラ(ポルトガル)、マルサラ(イタリア)、VDN、VDL(フランス)
◎フレーヴァード・ワイン・・・ヴェルモット(イタリア)、リレ(フランス)、レッチーナ(ギリシャ)、サングリア(スペイン)

○ワインに関するEUの規則 P6~ ⇒2009年より適用

◎ワインは「地理的表示付きのワイン」と「地理的表示のないワイン」に大別。「地理的表示付きのワイン」はさらに、A.O.P.とI.G.P.に細分される。

●『地理的表示のないワイン』・・・「ブドウ品種」・「収穫年」の表示が一定条件のもとで表示可能 ※これまでは「常識」として不可

●『地理的表示付きのワイン』・・・「I.G.P.」(仏・伊・西・ポ=IGP、独=g.g.A.)・・・指定地域内で栽培されたブドウを85%以上使用。原料はヴィティス・ヴィニフェラ種、及びヴィティス・ヴィニフェラと他種の交配。
「A.O.P.」(仏=A.O.P.、伊・西・ポ=D.O.P.、独=g.U)・・・指定地域内で栽培されたブドウのみ。原料はヴィティス・ヴィニフェラ種のブドウのみ。
※旧制度で使用されてきた伝統的表記も個別に認められるので、旧制度の表記が使えなくなるわけではないことに注意!

<ラベル表記>
◎主な義務記載事項…A.O.P.、I.G.P.ワインはその表記と名称。アルコール度数。原産地。瓶詰め業者。スパークリングワインの場合は残糖量の表示。
        
◎任意記載事項…収穫年(記載の場合は85%以上その収穫年のブドウを使用)、原料ブドウ品種(表示の場合は85%以上使用)

◎原料ブドウとブドウ栽培 P8~

・「世界的にワイン用として利用されているものは欧・中東系種(=Vitis vinifera ヴィティス・ヴィニフェラ)が多く約5000品種あるといわれているが、そのうち世界で栽培されているのは約1000品種と思われ、実際にワイン原料用として使用されている主要品種は約100品種程度」 P8

・P9の‘ブドウの断面図’は、各部位のフランス語読みと、どの部位にどんな成分が含まれているかを押さえる。数年前の問題に「リスベラトロール」が出題されましたが、‘果皮’に含まれるので、当然白よりは赤ワインに多く含まれます。

・“糖度が高い部分”・・・果皮の内側      “最も酸が高い部分”・・・種子の間
蝋質 = Pruine プリュイーヌ、  果肉 = Pulpe ピュルプ、  果汁 = Jus ジュ、  種子 = Pepin ペパン(タンニンが多く含まれる)、果皮 = Pellicule ペリキュル(フラボノイド、リスベラトロール)、 梗 = Pedicelle ペディセル

・ブドウの育成サイクルは、主要な語句とそのフランス語読みを順番に正確に覚える。 ≪休眠≫「剪定・Taille タイユ」(1~3月)⇒「発芽・Debourrement デブールマン」⇒「展葉・Feuillaison フェイエゾン」(3月~5月)⇒「開花・Floraison フロレゾン」⇒「結実・Nouaison ヌエゾン」(6月)⇒「色付き・Veraison ヴェレゾン 40日」(7~8月)⇒「成熟・Maturite マテュリテ」(8~9月)⇒「収穫・Vendange ヴァンダンジュ」(9~10月)

・「開花~収穫までは約100日」という期間は特に重要。

・<ブドウ栽培に関する条件>P9 ‘年平均気温’=10℃~16℃  ‘緯度’=南北半球ともに緯度30度~50度  ‘日照時間’=1000~1500時間  ‘年間降水量’=500~900mm  ‘土壌’=痩せた砂利、礫質土壌が適している。

・「手摘みの長所」:①傷つき(酸化)防止  ②選果可能  ③機械収穫できないところでも摘める   

・「手摘みの短所」:①熟練者の手配が困難  ②作業時間が長い  ③労働コストが高い 

<栽培方法>・・・栽培方法と仕立て方も過去何度も出題されている定番重要ポイントです。それぞれの仕立て方とその代表的な産地をセットで覚えましょう。

a:「垣根仕立て」・・・世界的に広く実施。ボルドー、ブルゴーニュ、ドイツ、イタリア等。長梢2本を左右にとる「ギヨー・ドゥーブル」、長梢1本と2芽の短梢からなる「ギヨー・サンプル」、主幹から左右に枝を分け、それに2芽の短梢を等間隔に取っていく「コルドン」。

b:「棒仕立て」・・・モーゼルなど。急斜面で栽培者が上下左右に動きやすいようにハート型になるように2本の長梢をしばりつける。

c:「株仕立て」・・・南フランス、スペイン、ポルトガルなど。主幹上部に短梢を不規則にとる。乾燥地で、樹勢の強くない品種に合う。

d:「棚仕立て」・・・降雨の多い日本、日差しの強すぎるイタリア、ポルトガルの一部、エジプトなど。

●「ブドウの病害」と「生理障害」も定番中の定番といえる問題です。特に「ウドンコ病」、「フィロキセラ」、「ベト病」は、フランス語の読み方、年代、その対応法までセットで覚える必要があります。
「灰色カビ病」の原因となる「ボトリシス・シネレア菌」は、「貴腐ブドウ」の要因ともなりますので重要です。
生理障害では「花振い」の意味とその原因もセットで覚える。
ウイルス病はその代表的な名前を覚えるが、「ピアス病」は細菌による病害なので区別すること。

・「ウドンコ病 Oidium オイディウム」・・・1850年ごろヨーロッパに伝播(仏:1855~56年)。開花期に硫黄を含んだ農薬を散布。

・「フィロキセラ」・・・(仏:1863年~19世紀末)。耐性を有する北米系品種(V.リパリア、V.ルペリストリス、V.ベルランディエリ)を台木とした接木苗を用いる

・「ベト病 Mildiou ミルデュ」・・・1878年ヨーロッパで発見(仏:1878~80年)。ボルドー液の散布。

・「灰色カビ病 Pourriture grise プリチュール・グリーズ」・・・イプロジオン水和剤を使用。原因菌である‘ボトリティス・シネレア’が完熟ブドウにつくと‘貴腐’ブドウとなる。

・「晩腐病 Ripe rot ライプ・ロット」・・・日本では病害被害中最大休眠期にベンレートを散布

<ウイルス病>
「ブドウリーフロール(葉巻病)」、「フレック」、「コーキーバーク」などが代表。「ウイルスフリーブドウ苗の育成」や「クローン選抜」で対応。

<生理障害>
・「花振い(花流れ) Coulure クルール」・・・極めて多くの落果が発生し、果房につく果粒が極端に少ない状態になる場合。要因として「窒素過多や強剪定、開花結実時の低温や多雨、ホウ素欠乏」など
        
・「Millerandage ミルランダージュ」・・・単為結実などの結実不良で、小粒の顆粒のまま、肥大せずに果房に残った状態

◎ワインの醸造 P12~

・醸造法については、それが「赤ワイン」の醸造法なのか「白ワイン」なのか「ロゼワイン」なのか?
「発酵前」なのか「発酵途中」なのか、あるいは「発酵後」なのか?の区別を明確に付ける事が重要で、問題もそのような区別を問われます。
覚えたつもりでも、しばらく経つと曖昧になりがちですので、繰り返しの復習が必要です。
各用語はフランス語もセットで覚えること。
・そして当然ですが、なぜそのような方法を行うのか?の目的と効果も同時に覚える必要があります。
特に重要なのは「マロラクティック発酵=MLF」、「ルモンタージュ」、「樽熟成」などで、その目的や効果が出題されています。

清澄=コラージュは、清澄剤の種類について出題されています。

・さまざまな醸造法では、ボージョレ・ヌーヴォーで有名な「マセラシオン・カルボニック」、ロワール地方(ミュスカデ)の「シュル・リー」、白ワインの「スキン・コンタクト」が頻出しています。

・スパークリングワインの醸造法は、それぞれの方式の名称と方法、各国での呼び方をセットで覚えます。

・「ブドウ栽培とワイン醸造の新しい技術」については、『教本』の該当ページ(P38~39)を必ず一通り覚える必要があります。

《スティルワインの醸造》

<赤ワインの醸造法> P12~

赤ワインの醗酵温度は26~30℃     

・<ステンレススティールタンクの利点>①衛生管理が容易、 ②耐腐食性、 ③温度管理が容易

・「シャプタリザシオン=補糖」の目的は、「あくまでワインのアルコール分を高めること」で、ワインに甘味を加えるためではありません。
(漫画『神の雫』で天才ワイン評論家の遠峰一青が「このワインは補糖をたんまりしている。つまりワインに甘味をつけることだが・・・」とドヤ顔で説明する場面がありますが、とても恥ずかしい間違いをおかしています。)
1801年ナポレオン1世統治下の農務大臣で、補糖を認可したジャン・アントワーヌ・シャプタルに由来します。

・「醸し Maceration マセラシオン」=「醗酵が始まって3~4日すると、果皮からは赤い色素のアントシアニンが、種子からは渋味の主成分であるタンニンが出てくる」。「熟成させるタイプのワインを造るときには醸しの期間を長くし早飲みタイプの場合は短くする

・「ルモンタージュ Remontage=Pumping over ポンピング・オーバー」=「醗酵タンクの下から醗酵中の果汁を抜いて、タンク上部に浮上している果帽(果皮・果肉)が液中に完全に沈降するように全面にわたり散布する作業
 
 ●ルモンタージュの効果=①酸素供給、②糖分、酵母、温度を平均化、③果皮からフェノール類その他の成分の抽出
 
 ●ブルゴーニュでは同じ目的で、人力による「櫂入れ=ピジャージュ Pigeage」を行う。

・「マロラクティック醗酵=M.L.F」・・・ワイン中のリンゴ酸が、乳酸菌の働きによって乳酸に変化する現象。

⇒ これにより、①酸味が柔らげられ、まろやかになり、②酒質に複雑性を増し、豊潤な香味を形成し、③微生物学的に安定する。・・・リンゴ酸が無くなることにより、リンゴ酸を好む雑菌が繁殖しなくなるため、“安定”するということです。

・「樽熟成 Elevage エルヴァージュ」の効果 

⇒ ①空気との接触、②樽からの成分抽出、③清澄化の促進、④赤ワインの色調の安定、⑤成分重合による安定化と風味の複雑化

・「ウイヤージュ Ouillage」 ⇒ 樽の目減り分の補填

・「滓引き Soutirage スーティラージュ = Racking ラッキング」・・・滓を取り除くため別の容器へ移すこと

・「清澄 Collage コラージュ=Fining ファイニング」・・・清澄剤(赤ワイン):卵の白身、タンニン、ゼラチン、ベントナイト (白ワイン):ゼラチン、ベントナイト

<白ワインの醸造法> P16

・白ワインの醗酵温度は15~20℃ 
⇒香気成分(清酒でいう“吟醸香”)を多く生成させるとともに、香気成分の揮発を減少させるため。

・「デブルバージュ Debourbage」 ⇒ 低温で半日ほどおいて不純物を沈殿

・「バトナージュ Batonnage」 ⇒ 熟成中、タンク、樽の中の滓を攪拌することにより、酵母に含まれる旨味成分をワインに移行させるとともに熟成を促す ・・・搔き回す棒のことを“バトン”といいます。リレーで渡すバトン=棒ですね。

<ロゼワインの醸造法> P16

・ヨーロッパにおいては、ロゼワインの醸造法で赤ワインと白ワインを混ぜるのが許されているのはスパークリングワインだけです。
ドイツの「ロートリング法」は発酵前の「黒ブドウ白ブドウを混ぜる」=混醸法で、ワインを混ぜるわけではなく注意が必要です。
また、ロゼの醸造法で「赤ワインと同じく・・・」ときたら「セニエ法」、「白ワインと同様な・・・」ときたら「直接圧搾法」になります。

<さまざまな醸造法> P16

・「マセラシオン・カルボニック Maceration carbonique」・・・縦型の大きな密閉ステンレスタンクに、収穫した黒ブドウを破砕せずそのままいっぱいに詰め、二酸化炭素気流中で数日置く方法。ブドウは細胞内醗酵を始め、細胞膜が破れやすい状態になる。・・・言わずと知れた“ボージョレ・ヌーヴォー”を代表とする醸造法です。ヌーヴォー以外にも、最近の“モダン”な造りのフルーティなワインは一部この方法を使用しています。

・「シュル・リー Sur lie」・・・シュル・リーとは「滓の上」の意。醗酵後ワインを滓引きしないでそのまま醗酵槽の中に放置し年を越し、翌4~5月ごろに滓の上にあるワインの上澄みだけを取り出し瓶詰を行う。ロワール地方の‘ミュスカデ’が代表的。

・「スキン・コンタクト Skin contact」・・・赤ワインの醸し仕込みを白ワインに応用した果汁前処理法。果汁にブドウの品種特性をより濃厚に与えるため、果皮からの成分抽出を意図的に行う

<スパークリングワインの製法> P16~17

A「トラディショナル方式(シャンパーニュ方式)」・・・瓶内二次醗酵方式。シャンパーニュ(仏)、Flaschengarung フラッシェンゲールング(独)、Metodo classico メトード・クラシコ(伊)、CAVA カバ(西)

B「シャルマ方式」・・・スティル・ワインを大きなタンクに密閉し、その中で第二次醗酵を起こさせて造る方式。=Methode cuvee close メトード・キュベ・クローズ・・・(例)イタリア:アスティ・スプマンテ

C「トランスファー方式」・・・瓶内二次醗酵させた二酸化炭素含有のワインを、加圧下のタンクに開け、冷却、濾過してから新しいボトルに詰め替える方式。

D「メトード・リュラル」・・・醗酵途上のワインを瓶に詰め、密閉して、残りの醗酵を瓶内で行う。「メトード・アンセストラル」ともいう。例)Clairette de Die クレレット・ド・ディー、Gaillac ガイヤック、Blanquette ブランケット

<世界的ワイン産地における主な気候>P38

・「大陸性気候」・・・気温較差が激しい、季節の違いがはっきりした気候。主に、中央、東欧。(仏):ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ロワール上流地方。

・「海洋性気候」・・・気温較差があまりなく、湿度が高い。秋が長く続き、成熟期が長く続くので、晩熟型ブドウに適している。(豪)クナワラ。(仏)ボルドー、ロワール中・下流地方。

・「地中海性気候」・・・温暖、乾燥していて、夏は日照に恵まれているので安定した気候。冬は穏やかで雨量が増える。南フランス、イタリア、スペイン、カリフォルニア、オーストラリア、チリなど。

・「高山性気候」・・・冬季は寒さ厳しく、夏は短い。(仏)ヴォージュ山麓(アルザス)、アルプス山系(ジュラ・サヴォワ地方)

<ブドウ栽培とワイン醸造法の新しい技術>P38~39

・「有機農法」・・・EU法の条件 ①化学肥料、除草剤、殺虫剤等の農薬を使用しない。
②有機肥料は認証されたものを使用。
③遺伝子組替え、放射線処理は禁止。
④病虫害にはボルドー液、天敵となる昆虫で対処する。
⑤作付け前に最低2年間、最初の収穫まで3年間以上にわたり①~④を実施。
⑥公的機関による監査を受け認証資格を取得する。
⑦その後も定期的に公的機関の検査を受けなければならない。

・「バイオダイナミックス」・・・月や他の天体の動きと植物の成長を調和させることを重視した農業暦を用いた栽培作業や、化学肥料、除草剤、殺虫剤等の農薬を使用せず、プレパラシオンと呼ばれる調合剤を使用。 認証団体・・・「DEMETER」デメーター(デメテール)

・「セニエ Saignee」・・・ロゼワインの醸造法の一つ。赤ワインの場合は、内容成分が豊かな原料ブドウを収穫しがたい地方や、銘醸地でも天候不順等で原料ブドウの内容成分が不足したときに救済処置として行われる。

・「マセラシオン・アショー Maceration a Chaud」・・・果醪を80℃まで加熱して果皮中の色素や種子中のタンニンを抽出・・・、ワインは色素が良く抽出されて、タンニン分が少ないので早く飲める。

・「樽醗酵」・・・白ワイン醸造、特にシャルドネを原料としたワイン醸造において、樽由来の香気成分や呈味成分を生成ワインに付与することを目的とする。

・「クリオエキストラクシオン Crio-extraction」・・・収穫したブドウを人為的に-7℃以下の貯蔵庫で冷凍し、凍結果実を圧搾し、糖度の高い果汁を発酵させる…アイスワインの原理を人工的に作り出す。

・「逆浸透膜による濃縮」・・・分子量の大きさで篩い分ける浸透膜を用いて、果汁中の主として水分を除去し濃縮する方法。

・「常温減圧濃縮」・・・真空度の高い減圧下において、果醪の品温を18~20℃に抑えて濃縮する方法。

・「ミクロ・オキシジェナシオン Micro-oxygenation」・・・醗酵中、あるいは貯蔵中の赤ワインにセラミック製筒を通して酸素の微泡を吹き込み、ポリフェノールの酸化、重縮合を促進する方法。長期熟成を目的とするワインには不適当

・「ノン・フィルトラシオン Non filtration」・・・「瓶詰にあたって濾過を行っていないワイン」の意。

・「ノン・コラージュ Non collage」・・・「醗酵終了後、卵白やベントナイト等で滓下げを行わずに瓶詰したワイン」

<ブドウ品種>P45~51

・品種はシノニムが定番として出題されていますが、意外とオーソドックスな王道品種(シャルドネ、S・ブラン、ピノ・ノワール、シラーなど)が出題されており、侮れません。特にピノ系は、黒(ノワール)、灰(グリ)、白(ブラン)それぞれのドイツ、イタリアでの呼び方の区別が重要です。

※ピノ系シノニムの覚え方:Pinot Noir ピノ・ノワール(黒)=Gro Noiren=Pino Nero(伊)=Spatburgunder=Blauburgunder=Blauer Burgunder(独)・・・ややこしい後の2つはBlack(黒)Bと覚えます。

Pinot Blanc ピノ・ブラン(白)=Pinot Bianco(伊)=Weissburgunder=Weisserburgunder(独)・・・後の2つはWhite(白)Wと覚えます。

Pinot Gris ピノ・グリ(灰色)=Pinot Grigio(伊)=Rulander=Grauburgunder=Grauer Burgunder(独)・・・後の2つはGray(灰色)Gと覚えます。

◎イタリアでのシノニムはフランス語によく似たイタリア語読みなのですぐ分かりますが、ややこしいのがドイツで、3つのピノ~とも大半が語尾に~burgunderと付き、それらを混ぜた中から例えば「次のうちPinot Noirのシノニムはどれか?」というような選択問題がよく出題されます。上記のように覚えれば、後はSpatburgunderとRulanderの区別だけ覚えればいい訳です。

・テンプラニーリョやサンジョヴェーゼは、同じ国内でも地方ごとに多数のシノニムがあり、それは確実に地方レベルの呼び名まで覚える必要があります。特にテンプラニーリョは必須!
※過去出題された・重要なシノニム、交配品種等、個別の品種につきましては、「対策問題」で配信します。

<統計数値>P32~33

・統計数値は、『教本』の<資料編>P32~33の数値を必ず確認し覚えます。

・『教本』<資料編>の統計数値は、以前は基本的にこれまで直近の単年度について問われていましたが、それぞれの数値のピークの年代やボトムの年代まで問われる問題が出されていますので、正確に傾向を把握することが重要です。

<世界のブドウ栽培面積> ●約760万ha(2014年予測)   ・1976~80年がピークで、約1020万ha

<世界のブドウ生産> ●約7400万t(2014年予測)   ・1991~95年がボトムで、約5520万t

<世界のワイン生産> ●約2億7000万hl(2014年予測)  ・1981~1985年がピークで、約3億3000万hl

<国別ワイン生産>
・ベスト5は確実に覚える。1位:フランス、2位:イタリア、3位:スペイン、4位:アメリカ、5位:アルゼンチン、6位:オーストラリア、7位:南ア、8位:中国、9位:チリ、10位:ドイツ

・1位・2位のイタリア、フランスは毎年首位争いを繰り広げており、2カ国で全世界の約34%を占めます。



以上で、「酒類飲料概論」(ワイン編)の重要ポイントは終了。

次回はこの箇所の対策問題集を予定しております
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