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呼称資格試験のその先へ・・・『新しいワインの科学』ジェイミー・グッド:著
2015-01-05 Mon 18:59
呼称資格試験対策の勉強といえば、ほとんど暗記ばかりでつまらない勉強の見本のようなものですが、めでたく合格してからさらにワインについての勉強を進めて行きたいという前向きな方に、先ずご紹介したいのがこの本になります。

このところブログ更新が進まなかったのは、年末年始業務で忙しいこともあったのですが、忙しい合間にこの本を熟読していたこともありました。
なにせ400頁を超える歯ごたえのある本なのでなかなか前に進むことが出来ませんでした^^;


新しいワインの科学新しいワインの科学
(2014/11/12)
ジェイミー グッド

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数年前に初めて“かがり火”で現在渡英中の延命師匠にお会いし、「コンクールに備えて是非読んだ方がよい本があったら教えてください!」と質問したところ、即座に十数冊の本を紹介されたうちの一冊がこの本の前作にあたる「ワインの科学」でありました。


ワインの科学ワインの科学
(2008/06/20)
ジェイミー・グッド

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「ソムリエ協会教本」やその他受験参考書では言葉の羅列と、ごく簡単な説明しかなされていない専門用語や醸造技術について“科学”の視点から詳しい解説がなされ、「テロワール」や「ミネラル感」といったなんとなく分かっているつもりの曖昧模糊とした漠然とした言葉についても考えるためのヒントを与えてくれます。

その旧版が発行されてから8年が経ち、そこに加筆修正をして最新の情報を盛り込んだのが本書になります。

旧版同様に、ぶどうからワインが生まれるまでの自然な過程を“科学的”に解説するという視点と、ぶどう栽培やワイン造りの過程で使用されるさまざまな技術や人為的な介入を紹介し、それを科学で探るという二つの視点から斬り込んでおりますが、テーマや内容については、近年のワイン界の動向や著者の興味の対象の変化を反映して、かなり変わっている部分もあります。

内容的に重複している部分も多いのですが、旧版から外されたテーマは『地球温暖化とワイン』、『遺伝子組み換えブドウ』、『ワインに人為を加えることの是非』、『フィロキセラの生態』そのほか興味深いいくつかの章や項目があり、新たに加わったテーマとしては、『土とブドウ』、『酸素管理』、『全房発酵』、『唾液とワイン』、『ワインと言語』などがあります。

“科学”というと例えばワインの成分組成を細かく分解し、そこから事実を導き出していく“還元主義的”手法を想像してしまいますが、著者はむしろその限界を指摘し、「ハードウェア」的な科学だけではなく、そのワインを人がどう味わい、どう感じるか、そのとき脳内で何が起きているのか、またその感じ方が人によってどう違うのかといった、目には見えない「ソフトウエア」的な科学についても踏み込んだ議論がなされています。

ただし、例えばあなたが「テロワール」とは何かについての明確な回答を期待しても、それは少し裏切られるかもしれません。
なぜなら「テロワール」を構成する要素についての定義が人によってバラバラなことや、世界に全く同一の条件が揃った場所がないために、最近捏造が明らかとなったSTAP細胞のように実験室で再現することが不可能なためであります。
しかし、“テロワール派”、“アンチテロワール派”どちらに与するにせよ、その考え方の糸口を掴むことは出来るのではないかと思います。

また、第3部『ワインと人体の科学』ではワインテイスティングに関してもかなり興味深い考察が加えられており、テイスティング技術をさらに深化させたい方にとっても必読の書といえると思います。

Amazonではまだ旧版も中古で入手できるようなので、興味のある方は併せての購読をお勧めします。
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