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2014年度一般呼称資格試験「アメリカ」重要ポイント
2014-07-25 Fri 10:36
片瀬丈:「いえ、お父さん。ワインには2種類しかないんです」

杏の父:「2種類?」

片瀬丈:「それは美味しいかまずいか、高いか安いか、新しいか古いかなんかじゃありません。」 

「世の中にあるのは、感動できるワインと感動できないワイン」

「樹がよく言うんですよ、お父さん。ワインはただお酒を飲むんじゃない。ワインは感動を分かち合うためにあるってね」
(漫画『ソムリエール』第10巻より)


今回からは舞台をニューワールドに移し、そのリーダーともいえるアメリカの重要ポイントになります

◎アメリカはニューワールドの中では一番出題数が多く、ここ3年では毎年5問以上が出題されています。生産量と消費量からすると当然といえるかもしれませんが、生産量の9割を占めるカリフォルニアが中心となり、歴史・ワイン法・主要AVA・加州以外の州(ワシントン、オレゴン、ニューヨーク)について問われます。ワイン法のラベル表示の比率がややこしく、確実に覚える必要がありますが、その他は平易でやれば確実に点数を稼げる国です。

◎教本の記述、特に産地の記述は従来と比べ、かなり詳細になってきています。しかし出題傾向はカリフォルニアの場合、大きな5つの地域や有名な産地名についてであり、マイナーな細かな産地名、その特徴まで覚える必要はありません(もっともナパ、ソノマのAVAはどちらに属するのかまで問われますので、覚える必要があります)。

◎またカリフォルニアの5地域とワシントン州・オレゴン州、ニューヨーク州の主要AVAは、地図上の位置までしっかりと覚える必要があります。


【概略】

●ワイン生産量約2200万hl(2009年)で世界第4位

○国内のワイン消費量が生産量より多いのが他の主要ワイン生産国には見られない特徴。

●ワイン法は1978年制定され、1983年に改定、2006年に一部改正。

●政府認定の栽培地域であるAVAは約210(2013年)あり、03年よりTTB(アルコール・タバコ課税及び商業取引管理局)の管理下にある。

AVAは、American Viticultural Areas アメリカン・ヴィティカルチュラル・エリアズの略である。

●生産量ではカリフォルニア州が全体の約90%を占める。

大規模なワイン生産者数十社が生産量の約90%を占めるが、「ブティック・ワイナリー」と呼ばれる小規模で高品質ワインの生産に特化したワイナリーや、「カルト・ワイン」と呼ばれる著名なワイン・メーカーによって極少量生産され、極めて高価格で取引される高級ワインが存在する。

●州別生産順位も重要で、しばしば出題されています。 1位:カリフォルニア州、 2位:ワシントン州、 3位:ニューヨーク州、 4位:オレゴン州


【歴史・気候・風土・土壌】

1769年、ローマカトリック教会のフランシスコ修道会の修道士がミサに使用するワインを造り始めたのがカリフォルニア・ワインの歴史の始まり。

1849年~ゴールドラッシュによる人口増でワインの需要も拡大。

●19世紀後半、ジャン・ルイ・ヴイーニュによりヴィニフェラ系ぶどうが持ち込まれ、ワイン産業は大きな発展を遂げる。

1873年、ソノマでフィロキセラ発見、被害広がる。

1920年~1933年、禁酒法施行、ワイン産業は壊滅的打撃を受ける。※この禁酒法が施行された期間は、歴史の中でも特に重要なポイントです。

1934年、カリフォルニアにワイン・インスティテュート(ワイン生産者組合で組織される協会)設立

1976年、パリで開催された比較テイスティングで、ナパのスタッグスリープ・ワインセラーズのC・ソーヴィニヨンとシャトー・モンテリーナのシャルドネがフランスの超一流ワインを抑えてそれぞれ1位となりカリフォルニアワインを国際的に認知させた。

1983年、ワイン法改正、AVA制定ナパでフィロキセラ(バイオタイプB)発見、交配台木のAXR1に抵抗力がなく植え替えを余儀なくされる。

●近年ではシャープ・シューターが媒介するピアース病の被害が南カリフォルニアを中心に広がっている。


【主な栽培ぶどう品種】

◎ぶどう品種では独自の交配品種、シノニムなどが重要です。

●カリフォルニアの黒ぶどうの栽培面積1位:カベルネ・ソーヴィニヨン、2位:ジンファンデル 

●白および白・黒合わせた品種の栽培面積1位はシャルドネ

〔白〕

Emerald Riesling エメラルド・リースリングミュスカデルリースリング

○シノニムとして、リースリング=ホワイト・リースリング、又はヨハニスベルク・リースリング

ソーヴィニヨン・ブランフュメ・ブラン(カリフォルニア)

〔黒〕

Ruby Cabernet ルビー・カベルネ=カベルネ・ソーヴィニヨンxカリニャン

●Zinfandel ジンファンデルはイタリアのPrimitivo プリミティーヴォと同一品種で、そのルーツはクロアチアの土着品種である。


【ワイン法と品質分類】

◎欧州伝統国にしろ、ニューワールドにしろ、品種やヴィンテージ、生産地の表示の比率は同じ比率が多いのですが、アメリカの場合はバラバラで、かつ州によっても違うので注意が必要です。基本的には一部例外を除き、生産地域のエリアが狭くなるにつれ、そのパーセントが上がっていきます。

(1)産地名の表示

●州名:その州内で収穫されたぶどうが75%(※カリフォルニア州100%オレゴン州95%)→郡名(カウンティ):75%以上→AVA:85%以上畑名:95%以上

(2)品種名表示

●表示されたぶどう品種75%以上

(3)収穫年表示

○AVA以外の原産地(郡名、州名)を表示しているワイン:85%以上 ●AVA表示のワイン:95%以上

(4)規定アルコール含有量

●テーブルワインは発酵過程での糖分添加禁止。 

●アルコール度数は7~14%未満で±1.5%の許容。14%以上になる場合はその旨を明示しなければならない。

・酒精強化により14%を越え、24%未満の場合は、デザートワインに分類される。

(5)ワイナリー名と瓶詰めの規定

●「Estate Bottled エステイト・ボトルド」:瓶詰めをするワイナリーとすべてのぶどうを栽培するぶどう園が同一のぶどう栽培エリアに位置していること。

(6)ワインのタイプ

●「バラエタル・ワイン」:ぶどう品種をラベルに表示 

○「メリテージ・ワイン」:ボルドー原産のぶどうをブレンドしたボルドータイプの高品質ワイン。Merit(長所)とHeritage(遺産)をあわせた造語で、生産者の任意使用。


【ワインの産地と特徴】


≪カリフォルニア州≫

【概要・ぶどう品種】

●太平洋沿いの1200m級の海岸山脈と、内陸の3000~4000m級のシェラ・ネヴァダ山脈が太平洋とともに気候形成に影響。

●冷たいカリフォルニア海流の影響で、海に近いほど冷涼で、内陸に行くほど暑く乾燥した気候。

・多様な気候条件と土壌。降水量は平均400~600mmで、冬の間に集中して降り、成長期は降らないため灌漑が必要

・主要品種は、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ジンファンデル。ここ数年、ピノ・ノワール、シラー、プティット・シラー、SB、PG、ヴィオニエの人気高まる。

・ぶどう栽培面積の約60%が赤で、白が40%


【North Coast ノース・コースト】 

◎最も主要なワイン産地。全米の約半数にあたる約800のワリナリー。

〔Napa County ナパ・カウンティ〕重要度高  ・・・カリフォルニアワイン生産量の約5%を産出

●「ナパ・ヴァレーA.V.A.」・・・西側マヤカス山脈東側ヴァカ山脈に囲まれ、サン・パブロ湾からセントヘレナ山まで北西方向にのび、全長約50km、幅は広いところで8km、狭いところで1.6kmの細長い地形。中央を「ナパ川」が流れ、サン・パブロ湾に近い南部は海風の影響を受け涼しいが、北上するにつれ夏は暑く、冬は寒くなる。北部の夏の最高気温は南部より約10℃以上高くなる

●筆記試験ではソノマのAVAと、どちらのAVAかを問われる出題が多くなっています。・Stags Leap District ウタッグ・リープ・ディストリクト、・Oakville オークヴィル、・Yountville ヨントヴィル、・Saint Helena セント・ヘレナ、・Rutherford ラザフォード、・Howell Mountain ハウエル・マウンテン 
●Los Carneros ロス・カーネロス はナパ、ソノマ両方に属するAVAです。


〔ソノマ・カウンティ〕重要度高 ・・・カリフォルニアワイン生産量の約8%

●西に太平洋に沿った海岸山脈、南にサン・パブロ湾、東にマヤカス山脈に囲まれ、太平洋岸と南部は冷たい海からの影響を受ける。サン・パブロ湾の影響を受ける南部、ロシアン・リヴァー・ヴァレー周辺と太平洋に面した西部は海の影響で冷涼で、PNやシャルドネが高い評価。北部を中心とした内陸は温暖、CS、ジンファンデルなどが栽培されている。

●ソノマの主要AVAもナパ同様、どちらのAVAなのかしっかりと覚えてください。

・Alexander Valley アレキサンダー・ヴァレー、・Dry Creek Valley ドライ・クリーク・ヴァレー、・Rockpile ロックパイル、・Knights Valley ナイツ・ヴァレー、・Russian River Valley ロシアン・リヴァー・ヴァレー、・Green Valley of Russian River Valley グリーン・ヴァレー・オブ・ロシアン・ヴァレー、・Chalk Hill チョーク・ヒル、・Sonoma Coast ソノマ・コースト


【Central Coast セントラル・コースト】

サンフランシスコ・カウンティ南部から太平洋に沿ったサンタ・バーバラまでの南北約400km、東西約40kmの広大なエリア。カリフォルニア州のワイン生産量の約15%。太平洋の冷たい霧や海流の影響を受ける海沿いの地域と、内陸の乾燥した温暖な地域を含む。

(1)サンフランシスコ湾周辺とサンタ・クルーズ・カウンティ

○主要AVA:San Francisco Bay サンフランシスコ・ベイ・・・セントラル・コーストA.V.A.の北3分の1。Livermore Valley リヴァモア・ヴァレー、Santa Clara Valley サンタ・クララ・ヴァレー、Santa Cruz Mountains サンタ・クルーズ・マウンテンズ

(2)モントレー・カウンティとサン・ベニート・カウンティ ・・・最も重要なぶどう品種はシャルドネで、全栽培面積の41%

○主要AVA:Monterey モントレー ・・・太平洋に大きく開いたモントレー湾周辺には海からの影響を遮る丘陵が無いため、太平洋の冷たい空気や霧が大量に流れ込む。Santa Lucia Highlands サンタ・ルチア・ハイランズ、Arroyo Seco アロヨ・セコ、San Bernabe サン・ベルナーベ ・・・世界一大きな単一畑(約3520ha)を持つ。Chalone シャローン、Mount Harlan マウント・ハーラン ・・・高品質のシャルドネやピノ・ノワール。

(3)サン・ルイス・オビスポ・カウンティ San Luis Obispo County ・・・モントレー・カウンティの南に隣接、主要品種はカベルネ・ソーヴィニヨンメルロ

○主要AVA:Paso Robles パソ・ロブレス ・・・最も大規模なAVAでサン・ルイス・オビスポの北半分を占める。ローヌ系品種が多く栽培されている。Edona エドナ・ヴァレー、Arroyo Grande Valley アローヨ・グランデ・ヴァレー

(4)サンタ・バーバラ・カウンティ Santa Barbara County ・・・サン・ルイス・オビスポ・カウンティの南に隣接、主要ぶどう品種はシャルドネピノ・ノワール

○主要AVA:Santa Ynez Valley サンタ・イネズ・ヴァレー、Santa Maria Valley サンタ・マリア・ヴァレー ・・・この地区は海からの冷たい風や霧が大量に流れ込むため、カリフォルニアで最も冷涼な気候となる。

○2001年にサンタ・イネズ・ヴァレーのサブA.V.A.としてサンタ・リタ・ヒルズA.V.A.が新設。

○2009年、サンタ・イネズ・ヴァレーの東部約3分の1の区域がハッピー・キャニオン・オブ・サンタ・バーバラとして新しいA.V.A.に認定。


【Central Valley セントラル・ヴァレー】※セントラル・コーストと混同しないように!

○西側を海岸山脈、東側をシエラ・ネヴァダ山脈にはさまれた内陸部の南北に広がるカリフォルニア州最大のワイン産地、ワイン用ぶどうの約70%を産出

・白ぶどうは主にフレンチ・コロンバード、シャルドネ。黒ぶどうはジンファンデルが最も多い。

・主要AVA:Madera マデーラ、Lodi ローダイ


【Sierra Foothills シエラ・フットヒルズ】

●シエラ・ネヴァダ山脈西側斜面の裾野。主要ぶどう品種はジンファンデル。 

●主要AVA:Sierra Foothills シエラ・フットヒルズ


≪ワシントン州≫

●ワイン生産量は、カリフォルニア州に続き全米第2位ブルゴーニュやボルドーと同じ緯度にあり、昼夜の気温差が大きいため、酸がしっかりとして風味の豊かなバランスの良いワイン。

●ワイン産地は4000m級のカスケード山脈を境に2つの気候ゾーンに大別。山脈西側は穏やかな海洋性気候東側は暑く乾燥した大陸性気候

白ワインが50%赤が50%と半々。白:シャルドネ、リースリング。赤:CS、メルロ、シラー。

<Yakima Valley ヤキマ・ヴァレー> 

○ワシントン州で最初に認可された地域。ワシントン州のぶどう栽培面積の1/3以上の面積。

〔Columbia Valley コロンビア・ヴァレー〕 

オレゴン州と一部が重複

〔Puget Sound ピュージェット・サウンド〕 

○ワシントン州西部で唯一のAVA。州都シアトル近郊で、海洋性気候。

〔Walla Walla Valley ワラワラ・ヴァレー、Columbia Gorge コロンビア・ゴージ〕 

オレゴン州と一部重複。「ワシントン州、オレゴン州と重複する(しない)AVAはどれ?」というような問題が過去出題されております。

〔Naches Heights ナチェス・ハイツ、Ancient Lakes of Columbia Valley エインシェント・レーイクス・オブ・コロンビア・ヴァレー〕 

○2012年認定の新しいA.V.A.


【オレゴン州】

●全米第4位のワイン生産量。北緯45度、フランスの偉大なワイン産地とほぼ同じ緯度にあり、温暖で穏やか。

1979年フランスで行われたブルゴーニュとオレゴンのピノ・ノワールの比較テイスティングで、アイリー・ヴィンヤーズ(Eyrie Vinyards)の『ピノ・ノワール1975』が第2位になったことが世界に認められるきっかけとなる。

ピノ・ノワールが中心的品種で、全体の約60%を占める。

●ワイナリー数は2010年には419社で全米3位の多さ。オレゴン州の特徴として小規模生産者が多い

◎ラベル表示基準が全米一厳しい。

○品種:最低90%(一部品種除く)   ○ヴィンテージ:最低95%   ○産地:最低95%

●現在17のA.V.A.

●産地はカスケード山脈により東西に2分。

○ひとつは太平洋沿いの海岸山脈と東側のより高いカスケード山脈の間に広がる地帯で、太平洋からの海風の影響を受け冷涼。・・・ウィラメットヴァレー

○他方はカスケード山脈の東側のコロンビア川流域に広がる地帯で、ワシントン州にもまたがり内陸性気候の影響。

●ワシントン州との重複AVAに注意。

<Willamette Valley ウイラメット・ヴァレー>最重要A.V.A.

オレゴン州最大のAVA海洋性気候オレゴン州で最も冷涼な地域。

●アメリカを代表する良質のピノ・ノワールを産する。

〔Rogue Valley ローグ・ヴァレー〕

オレゴン州で最も南に位置し、標高の高い生産地域。

〔Snake River Valley スネーク・リバー・ヴァレー〕

オレゴン州とアイダホ州にまたがるA.V.A.

<Elkton Oregon エルクトン・オレゴン>

●2013年認定の最も新しいA.V.A.


【ニューヨーク州】

●全米第3位のワイン生産量。

17世紀中頃オランダ人によってマンハッタン島に初めてぶどうが植えられる。

●アメリカ原産のヴィティス・ラブルスカ種(フォクシー・フレーヴァーという独特の臭い)のぶどうが主体であったが、20世紀に入りフランスでフレンチ・アメリカン交配種が開発され持ち込まれる。

●1950年代中頃、フランス人シャルル・フルニエとロシア系のコンスタンティン・フランクの二人がフィンガー・レイクス地方でヴィティス・ヴィニフェラを使ってのワイン造りを始める。

◎ぶどう栽培の3つの方向性。
 
 ①アメリカ原産品種:コンコード、ナイアガラ、ステューベンなど
 
 ②フランスとアメリカの交配品種(フレンチ・ハイブリッド):セイベル・ブラン、ヴィグノール、バコ・ノワールなど
 
 ③ヴィニフェラ種:シャルドネ、リースリング、カベルネ・フランなど

〔Finger Lakes フィンガー・レイクス〕重要度高

州全体の85%の生産量。氷河期に削り取られた土地に10を超える指のような湖がある。


〔Hudson River Region ハドソン・リヴァー・リージョン〕

・ハドソン川中流域からニューヨーク市北部までの地域。アメリカにおいて商業ベースで生産された最も古い生産地区。
海洋性気候で、ハイブリッドとヴィニフェラが共存。

〔Long Island ロング・アイランド〕

・ニューヨーク市の東160km、大西洋に大きく延びたカニの爪のような島。1970年代にワイナリーができる。ボルドーに似た海洋性気候


順番からいえば、次回はカナダになりますが、日程がタイトになってきましたので、次の重要国であるオーストラリアに続きます。
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