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2014年度一般呼称資格試験「オーストリア」重要ポイント
2014-07-16 Wed 22:39
タマル:「小国は大国に侵略され、ニュースにならねばその存在すら世界に知られません。その意味で小国のニュースは、いつも血のインクで書かれています」

樹カナ:「血のインク・・・」

タマル:「でも、だからこそ、平和な時代の祖国を知っていてくれることはとても嬉しいです」

樹カナ:「・・・、逆かもしれません。その国でどんな人が何を食べ何を飲み、何を喜び、何を悲しむか・・・」「それを知ることが、人に潜む邪悪で強欲なたくらみを防いでくれるのかもしれません」(漫画『ソムリエール』:第9巻より)


このところ連日ニュースで報道されているパレスチナ情勢には、心を痛めずにはいられません。

憎しみが憎しみを呼び、報復が報復を呼ぶ負の連鎖・・・。

そこでいつも犠牲になるのは、罪のない子供・一般市民なのです。

アメリカがその強大な武力でフセイン政権を打倒し、平和が訪れたはずのイラクでも、現在何が起こっているのでしょうか・・・。

所詮、武力では何も解決しないことは、第一次・第二次世界大戦以来、人類が学んだ大きな教訓なはずなのですが・・・。

そして我が祖国日本でも「国民の安全を守る」との名目のもと、“集団的自衛権行使”がいつの間にか閣議決定され、一般市民の平和が、時の権力者たちの恣意により危険にさらされることを憂えずにはいられません。

このブログでは、極力政治的に意見が分かれる事柄に関しては触れないつもりでおりました。

しかし、こうして世界中のワインを楽しみ、それについての勉強が出来るのも、“平和”があるからこそなのです。

“平和ボケ”という言葉があります。しかし、現在の世界情勢を鑑みれば、私が尊敬してやまないジャーナリスト故:筑紫哲也さんが喝破したとおり、むしろ“戦争ボケ”という言葉こそ正しい表現であると思えます。

いったい、いつになったら人類は己の愚かさに気がつくのでしょうか・・・。



さて、気を取り直して、今回はドイツの隣国「オーストリア」の重要ポイントです。

歴史的にも文化的にもドイツと深い関わりがあり、ワイン法においてもドイツの影響を強く受けている国になるわけですが、当然相違点も多々あり、その違いを掴むことが一つのポイントともなります。
出題数は少なく、あまり時間を掛ける必要はありません。
各プレディカーツのKMW糖度まで、参考に書いてはありますが、シニアでなければここまで覚える必要はないと思いますので、大まかなポイントだけ押さえてください


【概略・歴史・気候・風土・土壌】

●栽培面積では白ぶどう66%黒ぶどう34%白が約3分の2を占める

●品種、法律等、ドイツとの類似点が多いが、味わいは異なり、白はボリューム感のある辛口赤はタンニンが強いフルボディなものが主流

●生産地域は東部に集中ニーダーエスタライヒ地区とブルゲンラント地区が二大産地で全体の92%を占める。 

●「ホイリゲ」・・・新酒を指すオーストリアの用語。

○年間降水量は東部では450mm~500mmと少なく、ヴァッハウ、クレムスタール、カンプタール等の保水性が少ない土壌の斜面の畑では、灌漑が一般的

北緯47~48度でブルゴーニュ地方とほぼ同じ緯度


【主な栽培ぶどう品種】

◎過去には、それが白か黒品種かを問う問題が出題されましたが、同じような問題が出た場合の対策として、ここは割り切って、「黒はBとSL、他は白」と覚えます。並べてみると黒品種の5位までは5位のSankt Laurent以外は全て頭文字にBが付くのですぐ分かります。

●白・黒ともに1位の品種は名前まで確実に覚えましょう。

白-1:Gruner Veltliner (グリューナー・ヴェルトリーナー)・・・・白の約30%を占める重要品種。  2:Welschriesling (ヴェルシュリースリング)  3:Muller-Thurgau (ミュラー・トゥルガウ)=Rivaner リヴァーナ  4:Pinot Blanc (ピノ・ブラン)=Weissburugunder (ヴァイスブルグンダー)  5:Riesling(リースリング)=Rheinriresling

黒-1:Blauer Zweigelt (ブラウアー・ツヴァイゲルト)=Zweigelt ツヴァイゲルト、Rotburger ロートブルガー  2:Blaufrankisch (ブラウフレンキッシュ)   3:Blauer Portugieser(ブラウアー・ポルトゥギーザー)  4:Blauburger (ブラウブルガー)  5:Sankt Laurent (ザンクト・ラウレント)


【ワイン法と品質分類】

◎KMW糖度・・・(クロスターノイブルガー・モストヴァーゲ)1869年開発されたオーストリアの糖度単位。純粋な糖のみの重量%を示す方法で、ドイツのKabinettより、オーストリアのKabinettの方がエクスレ度は高い

◎オーストリアのワイン法では、広い地域をあらわすぶどう栽培地方名が3つ、その地方の中に9つの包括生産地域が与えられ、さらに16の限定的生産地域に細分化されている。

◎DAC・・・フランスやイタリアのような原産地呼称制度。現在9つの限定生産地域

ライタベルクDAC:赤・白両方のタイプがあるDAC。 ノイジードラーゼーの一部と、ノイジードラーゼー=ヒューゲルラントの一部にまたがる。

●ヴィーナー・ゲミシュター・サッツDACはウイーンに取ってかわるものではなく、併存するという点で例外的なDAC

1.地理的表示なしワイン
Wein (ヴァイン)・・・KMW糖度10.6度以上、ラントヴァインやクヴァリテーツヴァインと同等の収量制限をクリアした場合のみ品種名とヴィンテージ表記可。

2.地理的表示保護ワイン
 Landwein (ラントヴァイン)・・・単一のぶどう栽培地方のぶどうが原料。KMW糖度14度以上。ラベルには、ぶどう栽培地方名を表記。

3.原産地呼称保護ワイン

○Qualitatswein (クヴァリテーツヴァイン)・・・KMW糖度15度以上、補糖可。

○Kabinet・・・KMW糖度17度以上、補糖不可。味は辛口(トロッケン)として仕上がる。

○Pradikatswein (プレディカーツヴァイン)・・・KMW糖度によって7段階。補糖・ズュースレゼルヴェの添加不可、アルコール度数9度以上。

 (1)Spatlese (シュペトレーゼ)・・・通常よりも収穫期を遅らせた完熟ぶどうのみを使用、KMW糖度19度以上。収穫翌年の1月1日以降発売許可。

 (2)Auslese (アウスレーゼ)・・・完熟したぶどう、および貴腐化したぶどうを原料、KMW糖度21度以上。収穫翌年の5月1日以降発売許可(以下の段階も同じ)

 (3)Beerenauslese (ベーレンアウスレーゼ)・・・過熟したぶどう、および貴腐化したぶどうを用いる、KMW糖度25度以上

 (4)Eiswein (アイスヴァイン)・・・収穫時、あるいはプレス時に凍結したぶどうを原料、KMW糖度25度以上

 (5)Strohwein (シュトローヴァイン)・・・完熟ぶどうを3ヶ月以上自然乾燥し糖度の高くなったぶどうで造る、KMW糖度25度以上
 
 (6)Ausbruch (アウスブルッフ)・・・貴腐ぶどうまたは樹上で自然乾燥したぶどうのみを用いる、KMW糖度27度以上

 (7)Torockenbeerenauslese (トロッケンベーレンアウスレーゼ)・・・樹上で自然乾燥した貴腐ぶどうのみを原料、KMW糖度30度以上

Bergwein ベルグヴァイン・・・オーストリアワインに伝統的に認められてきた表記、傾斜が26度を超える段丘や急斜面に植えられたぶどう樹から収穫したぶどうを原料としたワイン。 


【ワインの産地と特徴】

(1)Niederosterreich ニーダーエスタライヒ州・・・オーストリア東北部、全栽培面積の約60%グリューナー・ヴェルトリーナー、リースリングからの白ワインに高い評価

◎8つの栽培地区・・・①Wachau バッハウ、②クレムスタールDAC、③カンプタールDAC、④トライゼンタールDAC、⑤ヴァーグラム、⑥ヴァインフィアテルDAC・・・オーストリア最大・最北部に位置。⑦カルヌントゥム、⑧テルメンレギオン

●Wachau (ヴァッハウ)・・・オーストリアワイン法とは別の独自の品質基準設定し、KMVの数値により3段階の格付け。

Steinfeder (シュタインフェーダー)・・・「きゃしゃな野草スティパ・ペンナータ」になぞらえて命名、最も軽い白ワイン、KMW糖度15~17度

Federspiel (フェーダーシュピール)・・・「鷹狩の道具」にちなんで命名、豊かな果実味をもつエレガントなワイン、カビネットのクラスに相当。KMW糖度17~18.2度

Smaragd (スマラクト)・・・「日あたりのよいぶどうの樹の下でまどろむエメラルド色のとかげ」シュペートレーゼ級のぶどうから造り、豊かな果実味とバランスのよい酸味の調和したワインだけに認められる、KMW18.2度以上

(2)Burgenland ブルゲンラント州・・・東部のハンガリー国境に広がる、全栽培地の約30%を占める。オーストリアの赤ワインの半分はこの地域、ブラウフレンキッシュとツヴァイゲルト種主体。

◎4つの地域

①Neusiedlersee ノイジードラーゼー・・・巨大な湖、ノイジードラーゼーの湖畔に広がる、典型的なパノニア気候の温暖な産地。

Neusiedlersee-Hugelland ノイジードラーゼ・ヒューゲルラント・・・オーストリア最高の貴腐ワイン「ルスター・アウスブルッフ」が有名。
※Leithaberg DAC ライタベルクDAC・・・ノイジードラーゼー・ヒューゲルラントからノイジードラーゼー生産地域の西端までをカバー。生産地域横断的なDAC

③Mittelburgenland DAC ミッテルブルゲンラントDAC・・・DACを名乗るには、ブラウフレンキッシュでなければならない。

④Eisenberg DAC アイゼンベルクDAC

(3)Steiermark シュタイヤーマルク州・・・スロヴェニア国境の地方。白ぶどう品種が約75%

●Sudsteiermark ズュートシュタイヤーマルク・・・主要品種がソーヴィニヨン・ブラン

(4)Wien ウィーン ・・・経済的に意味を持ったワイン生産を世界で唯一行っている大都市。「ホイリゲ」と呼ばれる居酒屋が多数あり、新酒の季節に特に賑わう。
 ※「ホイリゲ」には二つの意味があるので要注意です。

●ゲミシュター・サッツ・・・この地の伝統的、特徴的なワイン。グリューナー・ヴェルトリーナー、ヴァイスブルグンダー、リースリング、ノイブルガー等が混植・混醸されたもの。


次回は“トカイ”で有名なハンガリーの重要ポイントを予定しています。
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