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2014年度一般呼称資格試験「ポルトガル」重要ポイント
2014-07-13 Sun 21:48
「思わないか、人が一本のワインにさまざまな想いを、果てしない夢を込めるなら・・・、人生には永遠に開けないほうがいいボトルもある」

「人の想いはその中で生き続けるから」

「それもまた・・・、ワインなのかも知れないな」(漫画「ソムリエール」第9巻 片瀬丈:談)


スペインの次は、その隣国ポルトガルの重要ポイントになります。

ポルトガルといえば、ポートやマデイラなどの酒精強化ワインが重要な国で、二次テイスティング試験においてもそれらは重要なテイスティング・アイテムとなりますので、知識だけではなく実戦的なテイスティングにおいても、しっかりと押さえておきたい国になります。

【概略】

●スティルワインとスパークリングワインが全体の85%占め、比率はロゼを含む赤ワインが68%、白ワインが32%、主要なワインであるポート、マデイラなどのフォーティファイド・ワインは全体の15%。

1756年にポートワインの原産地管理法制定 ⇒ 世界最初の原産地管理法

1907年から、長い伝統を持つ生産地をデノミナサン・デ・オリジェン=DO で制定。

1986年EU加盟。ぶどう栽培やワイナリーへの投資が進み、急速な品質向上が見られるようになった。世界各国への輸出も伸びており、世界が注目を始めた産地のひとつ。

ポートワインマデイラワイン ⇒ スペインのシェリーと並び「世界三大酒精強化ワイン」と称される。


【歴史・気候・風土・土壌】

●紀元前600年~500年頃に、フェニキア人によりぶどう栽培始まる。

●8~11世紀にアルコールを禁止するイスラム教徒ムーア人の占領により、空白期。

12世紀にスペインから独立、ポルトガル固有のワインを造りあげている。

●夏は高温で、昼と夜の温度差が激しく良質の果実が得られ、雨も多いため、地域によっては棚式栽培を行っているところもある。


【主な栽培ぶどう品種】

◎ポルトガルのぶどう品種は、教本P343に一覧がありますが、他国では当り前の、いわゆる「国際品種」といったものが一つもありません。ほとんどが固有の品種で、見たこともない名前のぶどうばかりになり、なかなか覚えにくいですが、以下の品種は白ぶどうか黒ぶどうかの区別は分かるようにしましょう。

<白ぶどう>

Sercial セルシアル、Verdelho ヴェルデーリョ、Boal ボアル、Malvasia マルヴァジア・・・マデイラに使われる白品種

●Pederna ペデルナン(Vinho Verde 地方)、 Maria Gomes マリア・ゴメス(Bairrada)、 Encruzado エンクルザード(Dao)

<黒ぶどう>

Tinta Roriz ティンタ・ロリス Aragonez アラゴネス = Tempranillo テンプラニーリョ(スペイン)・・・※このシノニムは過去何回も出題されています

●Touriga Nacional トゥリガ・ナショナル(Dao)、 Baga バガ(Bairrada)

●Tinta Negra Mole ティンタ・ネグラ・モーレ・・・マデイラに使われる黒品種 


【ワインの法律と品質分類】

◎ポルトガルもEUのワイン法改正に伴い、これまでの4階層から以下のとおり変更されています。

● D.O.P. = 原産地名称保護・・・D.O.C.とラベル表記も可能

● I.G.P. = 地理的表示保護


【ワインの産地と特徴】

Vinho Verde ヴィーニョ・ヴェルデ>

○ポルトガルの北部を流れるミーニョ川一帯に広がる、全国の14%ほどを占める広い地域で、D.O.P.の中で生産量も最も多い。ヴィーニョ・ヴェルデとは「グリーンのワイン」という意味。酸が高めでわずかに炭酸を含み、若々しいフレッシュな軽い風味が特徴の白ワイン。



1756年に世界で初めての原産地管理法を導入した地域・・・首相ポンバル侯爵
ドウロ川の下流から上流に向かって、バイショ・コルゴ、シマ・コルゴ、ドウロ・スーペリオールの3つに区別。このうちシマ・コルゴが最も高品質なぶどうを産する。

○ぶどう畑は「カダストロ」と呼ばれる特有の格付け・・・最高ランクのAから下級ランクのFまで6段階。



○ポルト市の南方、生産量の83.6%は赤ワイン、主要品種でタンニンの強い Baga バガ 種からしっかりとした力強いワイン。白は Maria Gomes マリアゴメス種などから若くて軽くフルーティなワイン。瓶内二次醗酵のスパークリングワインも多く造られる。



ダン川流域、ドウロ川の南方、大西洋とスペイン国境との中間にあたる標高200m~700mの丘陵地。生産量の8割以上が赤ワイン、赤の主要品種は Touriga Nacional トウリガ・ナショナル白は Bical ビカル、Malvasia マルヴァジア、Encruzado エンクルザード種。


【ポートワイン】

●求める残糖度に至った時点で、発酵中の液を抜き、それに77%のグレープアルコールを添加し、発酵を止める。

●甘さの段階は、エクストラ・ドライ(40g/ℓ以下)からヴェリー・ドライ(130g/ℓ以上)まで5段階。

●アルコール度数は19度~22度までに限定され、「ライト・ドライ・ホワイト・ポート」だけ例外的に最低16.5度まで認められる。

◎ポートワインのタイプ

●黒ぶどうを原料にした「レッド・ポート」と、白ぶどうを原料にした「ホワイト・ポート」の二種類に大別。レッド・ポートはさらに「ルビータイプ」と「トウニータイプ」の二種類に分類。

○「ルビータイプ」:平均3年間の樽熟成後に瓶詰めされる若いタイプのポートワイン。

○「トウニータイプ」:小さい樽で熟成させるなどして酸化が進み、ワインが黄褐色に色が変わったことから、Tawny=黄褐色 と呼ばれる。

◎公的に決められたスペシャルタイプ

<ルビーのスペシャルタイプ>

Vintage Port ヴィンテージ・ポート:その年の作柄が特に優れたぶどうから造られ、収穫から2年目の7月から3年目の6月まで濾過せずに瓶詰めされる。デカンタージュ必要

Late Bottled Vintage Port レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート:ヴィンテージに続く作柄のぶどうを原料とし、瓶詰めは4年目の7月から6年目の年末までに行う。収穫年と瓶詰年の表示が必要。

<トウニータイプ>

熟成年数表記トウニー・ポート10年、20年、30年、40年ものがある⇒この年数は平均を表す。樽熟年数の表示とともに瓶詰め時も記載。濾過してから瓶詰めするためデカンタージュは不要

● Colheita コリェタ:収穫年表示のポートで、瓶詰めは7年後から行い、収穫年とともに瓶詰めの年も表示。

<ホワイトタイプ>

Light Dry White Port ライト・ドライ・ホワイト・ポート:白ぶどう原料、最低アルコール度数16.5度以上にした比較的辛口タイプ。


【マデイラワイン】

リスボンから南西に1000kmの大西洋上、エンリケ航海王によって開発されたマデイラ島で生産される酒精強化ワイン。

●18世紀になってから酒精強化が始まる。温めて熟成させる方法が最大の特徴。

文字色●添加されるグレープスピリッツのアルコール度数は96度、出来上がるワインの度数は17度~22度に限定。

<推奨6品種>

Sercial セルシアル:比較的冷涼な気候の地域で栽培される白ぶどう品種。辛口タイプで芳香のあるワイン

Verdelho ヴェルデーリョ涼しい北部地域で栽培される白ぶどう品種。中辛口タイプで味わい豊かなワイン。

Boal ボアル:暖かい南部地域で栽培される白ぶどう品種。中甘口タイプで酸味と甘さのバランスの良いワイン。

Malvasia マルヴァジア(英名 malmsey):海岸線沿いの暑い地域で栽培される白ぶどう品種。甘口タイプで濃縮感のあるリッチな味わい。

Tinta Negra Mole ティンタ・ネグラ・モーレ:島のほとんどの地域で栽培され、収穫量も全体の80%近くと最も多い黒ぶどう品種。辛口から甘口まで幅広い味わい。

Terrantez テランテス:生産量が極めて少ない白ぶどう品種。非常に繊細

<加熱熟成法>

Canteiro カンテイロ:太陽熱を利用した天然の加熱熟成法・・・ヴィンテージワインや、10年、15年など熟成期間が表記されるワイン。

Estufa エストファ人工的な加熱装置を使用、35℃~50℃の温度で最低3ヶ月間加熱・・・3年熟成などのスタンダードワイン

○「Cuba クーバ」と呼ばれる木樽で熟成、3年以上の樽熟成義務。熟成年数に応じ、Reservaは5年、Special Reservaは10年、Extra Reservaは15年というクラスがある。

品種名表示のマデイラは、表示品種が85%以上使用されなければならない。

単一品種・単一収穫年表記の「ヴィンテージワイン」は、「Frasqueira フラスケイラ」又は「Garrafeira ガラフェイラ」と呼ばれ、最低20年間の樽熟成が必要とされ、表示される品種を100%使用しなければならない。


次回は、オーストリアの重要ポイントを予定しております。
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