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2014年度一般呼称資格試験「スペイン」重要ポイントその1『概略~ワイン法』
2014-07-06 Sun 20:03
「ワインは不思議な飲み物だ。その不思議さに人は引きつけられる」

「ワインはそれがどれほど素晴らしいワインでも・・・、飲まれるべき時に、飲まれるべき人と出会わなければならない。時にそれは信じられないほどの遠回りになることもある」

「だが人は、信じさえいれば、いつか自分にとってかけがえのないワインと出会える」
(片瀬丈:談  漫画「ソムリエール」第8巻より)


今回から世界第3位のワイン生産国スペインです

スペインといえば、かっては呼称資格試験にはリオハとシェリーくらいしか出題されなかったらしいですが、ワインにおいては今や欧州でも最も躍進を遂げている国で、新興の優良生産地域が次々と生まれている重要国になります。
とはいえ、フランスやイタリアなどよりも覚えるべき地域の数もずっと少なく、出題傾向もはっきりしているため、的が絞りやすく、ポイントは確実に稼ぎやすい国になります。

スペインのワイン法は、他の伝統国に比べて複雑で分かり難いのですが、それに関する問題の比重は高くありません。この国の最重要項目はなんといっても主要な「産地・DOCa・DO」に関する出題で、これはここ5年間変化はありません。(ワイン法頂点のVPや、DOの下のVCIGの産地名に関しては出題されたことがなく、無視しても構わないと思います。)
またシェリーも、そのタイプの特徴や用語について、毎年のように出題されており必須です。
昨年度の出題数は5~7問となり、『酒類飲料概論』~『スペイン』までで、出題割合は約5割となります。
ここまでマスターできれば「合格」はもうすぐ手の届くところです。


【概略】

●ぶどう栽培面積は世界第1位(12年102万ha)、ワイン生産量は世界第3位(〃2970万hl)でこの順位は永らく不動。

●最も生産量が多いのは中央高原地帯のラ・マンチャ地方で約50%と生産量の約半分を占める。

●スペインは赤ワインのイメージが強いが、白ワインが44%と意外と白の生産が多い。

●D.O.P.認定ワインは39%、うちスティル・ワインが77%、スパークリングワインが16%、酒精強化ワインが7%。


【歴史・気候・風土・土壌】

◎歴史で特に重要なのは、19世紀にボルドーからの移住者たちによる樽熟技術が、今のスペインワイン造りの大きな基礎となっていること、現EU加盟以降の技術革新とそれに伴う国際的な注目度が目覚しく向上していることです。

<歴史>

●ぶどう栽培が伝わったのは紀元前1100年頃で、フェニキア人が、大西洋の町カディスに到達し、内陸のヘレス地域や地中海沿岸地域でワイン造りをし、交易に使った。

紀元前200年頃、ローマ人により、ワイン造りが盛んになる。

711年、アフリカからのイスラム教徒、ムーア人による支配。ワイン造りは停滞。

1492年、キリスト教徒による国土回復運動が成就、ワイン造りも活気を取り戻す。

○同年、アメリカ大陸発見され、大航海時代、遠洋航海に出る船には、シェリーやマラガ、など船の出発点、中継地に当たる地域のワインが大量に積まれていった。

19世紀後半、フィロキセラ害により、フランス人がリオハなど北部の産地に移住。その際伝えられた道具や技術によりワイン造りが大きく進歩する。

1986年欧州共同体(現EU)に加盟、以降技術革新は目覚しい。


【主な栽培ぶどう品種】

◎スペインのぶどう品種で、なんといっても最重要な品種は、テンプラニーリョ(黒ぶどうの栽培面積第1位)で、そのシノニムが度々出題されています。これは単にシノニムだけではなく、どの地方でどんな名前かまでセットで覚える必要があります。以下の6つは必須です。

 ●Tinto Fino ティント・フィノ、Tinto del Pais ティント・デル・パイス・・リベラ・デル・ドゥエロ

 ●Cencibel センシベル・・・ラ・マンチャ

 ●Ull de Llebre ウル・デ・リエブレ・・・カタルーニャ

 ●Tinta de Toro ティンタ・デ・トロ・・・トロ

 ●Tinta de Madrid ティンタ・デ・マドリッド・・・マドリッド

◎その他、黒ぶどう品種のシノニムもいくつか重要なものがあります。スペイン原産でフランスではなんと呼ばれているかを覚えましょう。

  ●Garnacha Tinta ガルナッチャ・ティンタグルナッシュ(仏)・・・スペイン、アラゴン地方原産、黒の栽培面積第3位

  ●Carinena カリニェーナMazuelo マスエロカリニャン(仏)・・・原産地同上

  ●Monastrell モナストレルムールヴェードル(仏)・・・黒の栽培面積第4位

◎白ぶどうでは栽培面積世界最大のAiren アイレン(ラ・マンチャ)、シェリーに使われるPalomino パロミノアンダルシアで辛口から甘口まで多種のワインに使用されるPedro Ximenez ペドロ・ヒメネス、Moscatel モスカテルCAVAに使われるMacabeo マカベオ=Viura ビウラ(リオハ)、ガリシア地方のAlbarino アルバリーニョルエダのVerdejo ベルデホなどは重要ですので覚えてください。


【ワイン法と品質分類】

<ワイン法の歴史>

●1926年、リオハ地方が最初に原産地名保護のため統制委員会を設立(※これは国ではなく地方レベル)。

1932年、国がワイン法制定、原産地呼称(DO)制度ができる(※発効は1933年で、フランスの1935年より早いことが重要)。

●1970年、INDO(原産地呼称庁)設立。(後に品質呼称局と改名)

1991年、リオハがD.O.C.に認定される。

2009年、プリオラートがD.O.Ca.に認定される。


<原産地呼称法のカテゴリー>

●2009年、EUのワイン法改正発効に伴い、「保護原産地呼称」=D.O.P. 「保護地理的表示」=I.G.P. に分類される。

◎スペインでは他のEU諸国よりもワイン法の分類数が多く、一見覚え難いように見えますが、重要なのはDOCとDOです。法律上の頂点にはVP(フランスのグラン・クリュに相当)がありますが、この試験の出題項目として重要度は高くありません。実際、9つあるVPが過去出題されたことはないので、個々の名前までは覚える必要はないと思います。

(1).Vino ビノ・・・原産地呼称保護も地理的表示保護も名のれないワイン全て。

(2).I.G.P.(地理的表示保護)

●Vino de la Tierra ビノ・デ・ラ・ティエラ・・・フランスのヴァン・ド・ペイにあたる用語。樽熟成するさいの樽の容量は600ℓが上限。

(3)D.O.P.(原産地呼称保護)

●VCIG ビノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ・・・地域名付き高級ワイン。2003年の法改正で新設。V.C.I.G.からD.O.への昇格申請には5年以上の実績が必要。

Denominacion de Origen デノミナシオン・デ・オリヘン・・・原産地呼称統制委員会が設置された地域において、地域内で栽培された認可品種を原料とし、厳しい基準に基づき生産されたワイン。高級ワインの中核的カテゴリーラベルには原産地名と「Denominacion de Origen」の表示をするが、例外的にシェリーは「Sherry」のみカバも「CAVA」だけでよい。D.O.からD.O.Ca.への昇格申請には、DOの認可から10年が必要。

Denominacion de Origen Calificada デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ・・・「特選原産地呼称ワイン」。1988年制定、1991年4月にリオハ2009年にプリオラトが認定される。

・DOCaは現在二つだけであり、特に2009年に認定されたプリオラトは要注意です。


【熟成の規定について】

◎教本P318の熟成規定は重要で、過去何度も出題されています。※「Reserva レセルバ」はイタリアの「Riserva リゼルヴァ」と法的な意味が違うので要注意です。イタリアの「リゼルヴァ」の意味を覚えていますか?忘れてしまった人はすぐ復習しましょう。

●2003年の法改正で、ビノ・デ・メサ以外は容量の上限が600ℓとなりました。樽および瓶での熟成年数に応じて、次の名称を表示できる。

Noble ノーブレ・・・600ℓ以下のオーク樽か、または瓶で、最低18ヶ月熟成。

Anejo アニェホ・・・600ℓ以下のオーク樽か、または瓶で、最低24ヶ月熟成。

Viejo ビエホ・・・最低36ヶ月熟成させ、光、酸素、熱などの作用で酸化風味を帯びたもの。

●さらに、D.O.P.(V.C.I.G.、D.O.、D.O.Ca.)の高級ワインは、シェリーとカバを除き330ℓ以内のオーク樽を使用したものに限り次の表記ができる。

Crianza クリアンサ・・・-最低24ヶ月の熟成、うち6ヶ月は樽熟要。ロゼ-最低18ヶ月、うち6ヶ月樽熟

Rezerva レセルバ・・・-最低36ヶ月の熟成、うち12ヶ月は樽熟要。ロゼ-最低24ヶ月、うち6ヶ月樽熟

Grand Rezerva グラン・レセルバ・・・-最低60ヶ月、うち18ヶ月は樽熟ロゼ-最低48ヶ月、うち6ヶ月樽熟


一次試験まであと40日とちょっととなりました。

蒸し暑い日が続きますが、体調管理に気を付けて、勉強頑張っていきましょう
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