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「甘口の赤ワインはどれ?」とお客さまに聞かれたら?
2012-02-14 Tue 14:20
「お客様に甘口の赤ワインはどれ?と聞かれるのですが、ライトボディーの赤を勧めているのですが、甘い!とは又、違うような気がするのですが・・・貴方ならどうゆうワインをお勧めしますか?」

読者の方より、上記のようなご質問を受けました。

「甘口の赤ワインが欲しい」というお客さまからのご質問は、実際のところ私自身、売場でご案内していると相当数お受けする質問であり、また同じようなことを聞かれている売場担当者(特にスーパー等の量販店)の方も多いと思われますので、本欄で私なりの答え方を述べさせていただきます


ご存知のように「白」や「ロゼ」の場合は、その残糖分の多少によりタイプの区別として「甘・辛」の表記が使われております。
数十年前のワイン普及期には、赤ワインも同様の表記であったそうですが、「赤」の場合は醗酵時に糖分をほとんどアルコールに変えてしまい糖分が残らないため、そのほとんどが「辛口」表記になってしまい、それでは区別がつかないため、現在のように‘コク’の軽重である「ボディ」になったそうであります。
「ボディ」というのもなかなかに曖昧な言葉で、‘コク’やら‘渋味’やら‘ヴォリューム感’やその他多くの単語をコネて団子にしたようなイメージがあり、これとて明確な数値的基準があるわけではなく、ご質問のようにそれが「甘・辛」の尺度に結びつくわけでもありません。

さて本題に戻りますが、上記のようなご質問を受けた場合、「赤の甘口」という表面的な言葉を鵜呑みにしないで、そのお客さまの‘真意’を先ず聞き出す必要があります。
また、「甘・辛」という一つの尺度で判断せず、他の色々な要素の情報も聞き出し、トータルで判断、お勧めする必要があると思います。

ここでは経験上、大きく3つのパターンに分けて考えてみたいと思います。

<パターン①>
そのお客さまが最初に飲まれた、もしくは普段飲まれているワインが『マドンナ』や『カッツ』といったドイツの甘口白ワイン、あるいはマスカット系のブドウを使った甘口白ワインであり、なかなか口当たりが良く飲みやすいため、「赤」にも同じような甘口タイプがあるかもしれない、と思い聞いてくるパターン。

最も多いのがこのパターン。この質問の多くが、ワイン初心者のどちらかというとご年配の方の割合が多く、「渋味は強くなく、ほど良い甘味があって飲みやすい赤ワイン」という主旨で聞かれる方が大半です。
「赤」で残糖分の多い甘口タイプは非常に少なく、選択肢は限られるのですが、全国どこの量販店にもあるタイプとしては、弱発泡性ではありますがイタリアの『ランブルスコ』の中甘口が代表的な例になります。
イタリアはなぜか甘口タイプの「赤(発泡含む)」が例外的に多い国ではありますが、上記の条件に合い、かつ入手のしやすさからいえば筆頭に挙げられるでしょう。価格もリーズナブルで軽い料理に合いますので、家庭での普段飲みとしても最適でしょう。
また「赤」での選択肢がない場合にお客さまが「甘口」に拘る場合には、仏・ロワール地方の甘口「ロゼ」やカリフォルニアの『ホワイトジュンファンデル』を使った甘口「ロゼ」に振ってみるのもひとつの手かなとは思います。

<パターン②>
逆に最初に飲まれた赤ワインがボルドーの「赤・フルボディ」のようなタイプで、とても渋味がきつく飲み辛かったため、「渋味が重くなくて飲みやすいものを」という意味を「甘口」と変換されている方もいらっしゃいます。

この場合は、パターン①と重なる部分も多々あるのですが、よくよく聞いてみると決して残糖の「甘さ」からくる「口当たりのよさ」をメインに求めていらっしゃるわけではなく、「そんなにズッシリと重くない」タイプというところに比重をおいた意味でのご質問になります。
このケースでは、辛口であってもいいので、ご質問にあった「ライトボディ」のものをお勧めするという図式が成り立ってきます。そしてこの場合には選択肢の幅もある程度広がってきて、お客さまのご要望に応じて『ボージョレー』のように一番軽いタイプから『キアンティ』のようなポピュラーな「ライト~ミディアム」なタイプ、メジャーな品種でいえば『ピノ・ノワール』や『メルロー』のミディアムタイプまで、幅広くお勧めすることが可能かと思われます。

<パターン③>
数としては多くないのですが、アメリカンオーク樽由来の甘いヴァニラ香や高いアルコール度数からくるグリセロールなどの甘い‘フレーバー’を「甘口」と表現される方もいらっしゃるため、この場合は注意が必要となります。

このケースはある程度赤ワインに慣れてきて、重めの赤の美味しさに目覚め始めたお客さまに多くいらっしゃるパターンのご質問になります。
味わいのタイプとしては「辛口」なのに、甘いフレーバーのために一見「甘口」と感じさせてしまうタイプのワインで、呼称資格試験の勉強を始めた頃に陥りやすい‘罠’でもあります。(※そのことをわざわざお客さまに解説する必要はありません)
この場合では逆に新世界、特にカリフォルニア、オーストラリア、チリなどの樽をバンバン利かせたアルコール度数の高い「ミディアム~フルボディ・赤」に多いタイプをお勧めすることになりますが、このケースでは最初からお客さまとの会話が噛み合わないため、すぐに分かると思います。


そして、いずれのパターンにも共通する注意点としては、やはりどんなお料理といっしょに召し上がるのかを忘れずに伺うことだと思います。
ほとんどのお客さまが、ワインだけを単品で飲まれるわけではなく、お料理といっしょに楽しまれるはずだからです。
今日の夕食が‘ビーフシチュー’などの重い煮込み料理であったり、‘焼肉’や‘ステーキ’などのスパイシーな肉料理であった場合には、軽い「甘口赤」ではなく、そこそこ渋味のあるコクのある赤を「そのお料理でしたら、むしろこちらのしっかりとした赤の方がよく合いますよ」とお勧めすべきであると思います。
そうでないと、そのお客さまはいつまでたっても「口当たりの良い甘口ワイン」が「ワイン」の全てだと思ってしまい、その先に無限に広がる‘楽しさ’を知らないままになってしまうからであります。

話が少し脱線してしまいましたが、一つの言葉にとらわれずにそのお客さまの飲用経験、お好みなどなどをキメ細かくお伺いし、トータルで判断、お勧めすることが肝要かと思います
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