「虎の穴」へようこそ!全国大会決勝出場を目標に、日々修行中のワインアドバイザーの日記です。
http://robert10.blog108.fc2.com/
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告  
ワインアドバイザーの「raison d'etre レゾン・デートル」=(存在理由)とは?
2010-02-22 Mon 16:53
「『楽しんでやれ』とよく言われますが、ぼくには、その意味がわかりません」 イチロー(談)

               ダンテ01

私がテイスティングを行うのは、仕事が休みの日の昼間、体調が良い時に、臭覚・味覚に影響があるような刺激の強いものは朝から飲食せずに、当然のことながら鵜飼の鵜のごとく吐き捨てで行います。そして夕食には、そのワインが合うと思われるような料理を自分で作り、「マリアージュ」を確認しながら、昼間書いたテイスティングコメントを確認しながらワインを飲む、というのがパターンとなっております。仕事がある日は、帰宅時間が毎晩午後11時を過ぎており、疲労した状態では正確な判定が出来ないため、行いません。
お酒というものは、当たり前のことですが本来「楽しんで」飲むためのものであり、気の合う仲間とワイワイやりながら、あるいは恋人同士でゆっくりと語り合いながら飲むというのが最高に美味しいものだと思います(ヤケ酒というのもありますが、虚しく、又気持ち悪くなるだけなので随分若いときにやめました)。テイスティングコメントを書くということは、そのワインの本質をつかみ取るために、真剣に向き合って対話をすることであり、少なくとも「楽しい」飲み方ではまったくありません。私もエキスパートの資格を取るために勉強を始めてから、今日に至る丸二年間というもの、自宅で心底「楽しんで」ワインを飲んだということがありません。むしろ受験や仕事のためとはいえ「なんのためにこんな思いをして、こんなコメントを書き続けてるんだろう?」と思ったこともしばしばです。
しかし、考えてみれば、例えばぶどうの収穫を100%手摘みで行っているような心ある造り手が、その情熱を傾けて丹精込めて造り上げた「作品」ともいうべきワインに対し、私のような未熟なものがたったグラス一杯の量で、たかだか10分間くらいの時間で、その良し悪しの判定を下すなどということは極めて倣岸不遜なことではないかと思います。
飲む側にとっては、年間試す数百本のうちの一本に過ぎないとしても、造り手にとっては一年に一度しか生み出すことの出来ない、想いのこもった「作品」なはずです。一年間のうちで、春の発芽から秋の収穫に至るまで理想的な気候条件の時の方が稀であって、それがいわゆる「グレートヴィンテージ」といわれる訳ですが、むしろ人智の及ばない自然に翻弄されることの方がほとんどなはずなのです。そこにはそのぶどうを育て収穫し、そのぶどうの状態から最善の醸造・熟成を行い「作品」を完成させたものでないと決してわからない努力や苦労、そして美味しいワインが出来たときの喜びがあるはずなのです。
小売の現場で、お客さまのご要望を伺い、ご希望に沿ったワインをお勧めするのが小売業のワインアドバイザーの仕事であります。しかしその本質は「その造り手の想いを、どれだけお客さまに伝えることができるのか?」ではないかと思うのです。はるか異国の(もちろん日本のものもありますが)、顔も知らない造り手たちの「想い」を、お客さまに伝え、「美味しい」ワインに出会えたときに、造った人もお客さまも、そしてそのワインもきっと「幸せ」であるに違いありません。
「造り手とお客さまの橋渡しをすること」こそがワインアドバイザーとしての「raison d'etre レゾン・デートル」であるとするならば、ワインの本質を理解する能力を磨き、書き留めるテイスティングは、決して「楽しく」はないけれど、その造り手の「想い」に一歩でも近づくための価値あることなんだと思うのです。
ワインの数はあまりにも多く、奥が深いため、この仕事を続ける限り「楽しんで」飲むのはまだまだ先になりそうです。でもそれ以上にたくさんの人たちが「幸せ」になり「楽しむ」ことができるのであれば、それこそがプロとしてのアドバイザーの「幸せ」であると思えるのです。
スポンサーサイト
別窓 | ワインAD受験 | コメント:0 | トラックバック:0 
<<フランス概略・ボルドー実戦問題 | ワインアドバイザー虎の穴 『Q』 | ダンテ・ロビノ マルベック 2007>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| ワインアドバイザー虎の穴 『Q』 |

アフェリエイト3

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。