「虎の穴」へようこそ!全国大会決勝出場を目標に、日々修行中のワインアドバイザーの日記です。
http://robert10.blog108.fc2.com/
『ワインの個性』/堀賢一著
2011-12-19 Mon 15:05
電車での移動が一日3時間近くを占めるという仕事柄、極力その時間をワイン関連の書籍を読み漁ることに費やしているわけですが、ワインにまつわる色々なことについて、深く考えさせられたのがこの本であります

      『ワインの個性』/堀賢一著

『ワインの個性』  著者:堀賢一  発行所:ソフトバンク クリエイティブ(株)
2007年2月22日 初版第一刷発行  定価:1,800円(税抜き)

著者の堀賢一さんといえば「ワインインスティテュート」の駐日代表としてご存知の方も多いと思いますが、私も3年前に行われたカリフォルニアワインの試飲会&セミナーで直接講演を拝聴し、感銘を受けた記憶が今でも鮮明によみがえってきます。

内容は第1章「ワインの産地」から始まって、第2章「葡萄栽培」、以下「ワイン醸造」、「熟成」、「ワイン・ビジネス」、「ワイン・ジャーナリズム」と多岐に渡って書かれておりますが、決して教科書的ではなく、現状のワイン法や葡萄栽培・醸造の現場がかかえる問題点についてかなり深く鋭く切り込まれており、その情報量と洞察力に圧倒されてしまいます。
内容的にはかなり専門的でありますが、文章はいたって平易・明瞭で、これからワインのことを勉強したいという初心者の方にもとても分かりやすく書かれております。

第1章「ワイン産地」の冒頭が『三つのバローロ』。
いうまでもなく「王のワインであり、ワインの王である」とされるイタリア、ピエモンテの銘酒でありますが、世界的に広がっている醸造技術の革新が、原産地呼称ワインのアイデンティティを失わせている現状が、‘伝統派’、‘改革派’、‘急進派’という『三つのバローロ』のせめぎ合いを通して浮き彫りにされていきます。
また、3番目のコラム『ふたつのピースポーター』では、1971年にドイツで改定されたワイン法が、「政治家の票田としての協同組合を構成する、零細な生産者からの政治的圧力よって生まれ」た結果、優れた単一畑から低収量で造られた『QbA』よりも、個性の薄い異常な高収量で造られたブレンドワインの『シュペトレーゼ』の方が高品質のワインであると消費者に誤解を与えている現状など、ソムリエ協会の「教本」を読むだけでは分からない『裏の裏』の事情まで鋭くえぐり出されています。

最後には、ロバート・パーカーに代表されるワイン・ジャーナリズムの数値評価が、世界のワイン造りを個性のない画一的なものにしてしまっている現状についても考察が及び、それらを日頃の販売において謳い文句として利用している我々小売業に携わる者も反省させられるところがあります。

そしてなによりも、ワインに対する愛情と真摯な態度が、この文面から滲み出ており、深い感銘を受けます。
呼称資格試験に合格した方が、さらにワインの世界を探求するガイドブックとして、またこれから呼称資格にチャレンジしようと考えている方、ワイン愛好家を自負される方にとっても『珠玉のコラム集』としてお勧めいたします
スポンサーサイト
別窓 | 参考書籍 | コメント:0 | トラックバック:0 
<<‘The Rose’/平井堅・‘愛は花・君はその種子 ’/ 都はるみ | ワインアドバイザー虎の穴 『Q』 | 梅酒づくり(その4)>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| ワインアドバイザー虎の穴 『Q』 |

アフェリエイト3