「虎の穴」へようこそ!全国大会決勝出場を目標に、日々修行中のワインアドバイザーの日記です。
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『SAPPORO GRAND WINE TASTING 2010』参加 9月8日(水)〈vol.1〉
2010-09-09 Thu 00:03
◆日時:9月8日(水)11:00~16:30
◆会場:東京都千代田区内幸町 帝国ホテル 2階孔雀南の間
◆講師:ペドロ・アズナール・エスクデロ氏 (リスカル社の醸造責任者兼スペイン国内販売部長)
◆セミナーテーマ:「リスカル社150年の伝統と革新」
◆試飲ワインアイテム:180種類
◆主催:サッポロビール(株)

東京では台風の影響により、もう何日前に降ったか忘れるくらい久しぶりの雨が降りました
けっこうザーザーと降っていたので、傘を差して出かけるのがちょっと億劫だったのですが、スペインのリスカル社のセミナーでは、かなりサプライズのワインが出されたり、試飲会のワインも180種と大規模で、高価なワインも沢山あり、相当気合の入ったセミナー&試飲会でありました。
今回は午後2時から行われたスペイン、リスカル社のセミナーの模様をレポートします。

◆この日のセミナーは午前中の「国産プレミアムワイン グランポレールセミナー」と午後からの「リスカル社150年の伝統と革新」という二本立てで、午後からのリスカル社のセミナーに参加。

「マルケス・デ・リスカル」社は、創業150年の伝統あるワイナリーで、スペイン王室御用達のワインメーカーとして有名です。
1858年にリオハDOCで初めてボルドースタイルのワイン製造を採用したワイナリーとしても有名ですが、1972年には初めてルエダDOにて辛口スタイルの白ワインを製造したり、「革新」も繰り返し今日に至っています。

この日のセミナーアイテムは、白ワイン3種類、赤2種類の計5つでありました。
①、②はリスカル社がDOルエダで造る、ソーヴィニヨン・ブランとスペインの地葡萄であるヴェルデホで造られた白ワイン。③はそのヴェルデホをオーク樽で醗酵させたタイプの白。これはなかなか絶妙な取り合わせで、①と②で品種特性の違いを比べることができ、②と③では同じ品種で醸造法の違いから来る特性を比べることができます。
④はリスカル社の創業150周年を記念して造られた、6万本しか生産されなかったDOCリオハ、テンプラニーリョ主体の赤ワイン。グラスを置くシートにはいつものごとくナンバーがふられ、ワイン名も書かれてあったのですが、最後の5番目だけが「Special Wine」としか書かれてなく、これがとてつもないワインであることが後ほど判明することになります

       リスカル社セミナー01

①Riscal Blanco Sauvignon 2009 (DOルエダ、ソーヴィニヨン・ブラン100%)
外観は輝きのある淡い黄色、柑橘系果実やS・Bにしては甘いトロピカルフルーツのような香りが際立つが、次第にS・B特有の爽やかなハーブ香がはっきりと現れる、これまで経験したことのない不思議な印象のS・B。果実味豊かで、しっかりとした酸味があり、とてもクリーンな辛口白ワインであります。

②Riscal Blanco 2009 (DOルエダ、ヴェルデホ主体、ヴィウラ)
ヴェルデホは今回が初体験の品種。たしか今年の世界ソムリエ選手権大会準々決勝のブラインドで出され、多くのソムリエたちがシャルドネと間違えていたので興味のある品種でした。(ビデオで後ほど確認したところ、出題されたのは、リスカル社のまさにこの銘柄でした!)
外観は①とほぼ同様の、やや緑がかった淡い黄色。香りは①ほど派手ではなく白い果実や花の香りが主体。ボリューム感や凝縮感はこちらの方があり、なるほどシャルドネのようなボディの厚みとアフターに若干の心地よい苦味も感じます。

③Riscal Reserva Limousin 2008 (DOルエダ、ヴェルデホ100%)
ヴェルデホをフレンチオーク樽で醗酵させて造られた、複雑性と上質感のある辛口白。外観は樽醗酵からくる金色のニュアンスが強く出ており、香りにもそれがヴァニラのニュアンスとして現れています。②よりもさらにボリューム感が増し、オイリーな質感があり、バランスもとても良く、余韻も長く続きます。う~ん、これならブラインドで出された場合、ブルゴーニュの村名白クラスと間違えるかもしれません。


       リスカルセミナー02

④Tinto Gran Reserva 2001 (DOCリオハ、テンプラニーリョ85%、グラシアノ10%、C・ソーヴィニヨン5%)
グラン・レセルバの名のごとく、60ヶ月以上も熟成を経て出荷されるクラシックなタイプの長熟型赤ワイン。特にこの2001年は、1964年に匹敵するグレートヴィンテージだったそうです。
なるほど、外観はキラキラと強い輝きがあり、フチには熟成を表すオレンジ色のニュアンスがありますが、まだまだ若さを感じさせる濃いルビー色であります。香りはカシスやブラックベリーなどの黒い果実をコンポートしたような凝縮感があり、黒胡椒やコーヒー、タバコなどアメリカンオーク由来の複雑な熟成感に溢れています。タンニンや酸味は滑らかに溶け合っており、エレガントでありますが力強さも兼ね備えており、ボルドーの著名格付シャトーに匹敵するスケールの大さを感じさせます。おそらく今後まだまだ熟成を重ね美味しくなっていくワインなのでしょう。


       リスカル社セミナー03

⑤そして、最後にこのセミナーの「Special Wine」の登場なのですが、そのヴィンテージを聞いてびっくり!!

なな、なんと1958年!!

期せずして会場の参加者たちから、どよめきと拍手が一斉に沸き起こります

いやいや、まさか自分がこの世に生まれる前に造られたワインに、この日この場でめぐり合うことになろうとは、思ってもみませんでした
52年の時空を超えて、グラスに注がれたその赤い液体を目の前にしたとき、これはただのワインではなく、なにかとてつもなく偉大なものが降臨したような感動を覚えずにはいられませんでした。
なんかこのまま飲むのがもったいなくて、瓶にでも詰めて持って帰りたいような、でもすぐに飲みたいような変な気持ちになりますね
(ちなみにこのワインも④同様、DOCリオハのテンプラニーリョ主体の赤で、1958年というヴィンテージも過去10本の指に数えられるエクセレントヴィンテージということでした。)

       リスカル社セミナー04
      左が150周年記念ワイン、右が1958年ヴィンテージのスペシャルワインです

これまでも度々、熟成感という言葉を使ってきましたが、このワインの前には意味を持たなくなってきますね、これは。
外観は澄み切って透明感のある綺麗なルビー色で、教本の言葉どおりの「レンガ色」が現われています。
香りにも当然ながら、なめし皮やコーヒー、腐葉土、きのこなどきわめて複雑な熟成感がありますが、驚くべきことに、まだ果実の香りも残っています。
タンニンは完全に溶け込んでおり、たいへんまろやかですが、酸味は綺麗で力強いものがあります。バランスとしてはやや酸味に偏っており、ワインとしての美味しさからいえば④の方が勝っているとは思いますが、そんなことはこのワインにとってはどうでもいいレベルの話であります。
このワインを味わうことは、歴史の重みを味わうことなのでしょう。これは飲むこと自体に、まさに意味のあるワインであります。

なんか自分のなかの経験値がとんでもなく跳ね上がり、一挙にステージを3つくらいクリアした気持ちになりますね。

このような貴重な経験をする機会を与えていただいた主催者、およびリスカル社のエスクデロ氏に感謝であります。

次回は試飲会の模様をレポートします。

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