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ソムリエ協会関東支部『ワインアドバイザー・ワインエキスパートフォローアップセミナー』第2回参加 6月19日(土)
2010-06-21 Mon 02:09
日本ソムリエ協会関東支部第2回分科会 『ワインアドバイザー・ワインエキスパートフォローアップセミナー』第2回
【日時】:6月19日(土)14:30~16:30
【会場】:千代田区神田 日本ソムリエ協会ビル 3階会議室
【講師】:大越 基裕氏 (銀座レカン シェフソムリエ)
【テーマ】:「Bourgoneに見るTerroir概論」

4月の阿部誠さんのセミナーに続き、楽しみにしていた第2回目のフォローアップセミナーに参加。
講師の大越さんは、いかにも第一線でバリバリと活躍中の、まさに今が旬のイケメンソムリエでありました。
テーマも一流フレンチのソムリエらしく、ブルゴーニュのテロワールに関するもの。「天地人」という言葉がありますが、今回は「人」の要素を除いた「天」と「地」という、テロワールの概念についてであります。

◆先ずは「地質」・「土壌」・「気候」・「地形」といったテロワールを構成する4つの要素が、それぞれの要素にどのような影響を与えるのか、といった解説から始まり、ブルゴーニュ各地域の地層がどのようになっているのか、さらに代表例としてピュリニー・モンラッシェ村の地形と地層の構造、ジュヴレ・シャンベルタン村の地形(谷)がぶどう栽培にどのような影響をもたらしているのか、ピュリニーとシャサーニュという二つのモンラッシェの違いは何か、などについての具体的かつ詳細な解説が続きます。
・「Trroir」を構成する4つの要素のうち、『地形』は『気候』と『土壌』に影響を与え、『気候』は『地質』と『土壌』に、『地質』は『土壌』に影響を与える。したがって、『土壌』が他のすべての要素の影響を最も受ける。
・ブルゴーニュは、ジュラ紀中期からの地層でできているが、隆起などにより場所によって地質の位置が全く違う。それにより、ニュイではほとんどPNが植えられ、ボーヌではシャルドネが多いという違いがある。シャブリではキンメリジャンが有名であるが、グラン・クリュとプルミエ・クリュしかキンメリジャンではない。
・傾斜地の良さは、水はけが良く、土壌がリッチになりすぎないこと。これにより、根が石灰質の層にまで伸び、ミネラル感が得られる。斜面の下の方は、粘土がたまり、土壌がリッチになりすぎ、しまりのないワインになってしまう。
・丘の間にある谷は、そこを吹き抜ける風が大きな影響を与える。風は温度を下げるため、ぶどうが成熟しにくいが暑い年には逆に良く熟す。この典型的な例が、ジュヴレ・シャンベルタン村の1er Cru Clos St Jacques。同じ村でも全く違うぶどうができる。
・モンラッシェはピュリニとシャサーニュで味わいが違う。シャサーニュの方がリッチで厚みのあるボディ。これはまず地形により畑の畝の方向が90度違うことからきている。シャサーニュ側には石灰の大きな石がごろごろしているが、これが夜間に熱を放出し、やわらかい味わいのぶどうになる。有名な生産者は、シャサーニュ側に多い。

◆テイスティングについての注意点としては、最初から個々のコメントを述べるよりは、先ずは全体的な印象を捉えることが大事と仰られていましたね。
そしてブルゴーニュワインは、アタックよりも余韻の方が重要だとも。「多くの人が陥りやすいのは、アタックから中盤にかけての印象で、そのワインを判断してしまうこと」だそうですが、ブルゴーニュワインはアフターにかけてその複雑さが現れてくるので、その余韻の部分で表れたスパイシー感とかタンニンの質で判断しなければならないとのこと。

       フォローアップセミナー・テイスティングワイン1
       ※この写真では①と②が逆になっています

       フォローアップセミナー・テイスティングワイン2

◆この日のテイスティングアイテムは4アイテム。写真左より、
①Auxey Duresse 2007 Benjamin Leroux(テラヴェール)¥5,600
②Chassagne Montrachet 2007 Philippe Colin(ファインズ)¥6,700
③Gevrey Chambertin Champs Cheny 2006 Joseph Roty(AMZ)¥7,600
④Gevrey Chambertin 1er cru Les Corbeaux Dominique Laurent(合同酒精)¥6,800

①は、レモンやライムなどの柑橘系果実、グリーンのトーンがあるスマートで引き締まった印象が強いシャルドネ。硬質なミネラル感があり、とてもスマートな白ワイン。

②は、カリンや洋梨といった柔らかな果実の印象が強く、①と同じくミネラル感があるものの、こちらはより柔らかなミネラル感が特徴となっております。同じシャルドネでありながら、テロワールの違いにより、硬さと柔らかさという正反対の印象をもたらしていることがよく分かります。

③は、フランボワーズのような赤い果実のような、軽快でチャーミングな印象。滑らかで軽いタンニンの、酸味とのバランスがとても良く、オリエンタルスパイスの印象もあるピノ・ノワール。

④は、ルビーよりもガーネットに近い外観の、赤よりもカシスやくわの実のような黒い果実の印象が強くでているピノであることが分かります。③同様アニスやリコリスといったオリエンタルスパイスの印象がより強く感じられます。このワインを醸造したドミニク・ローランは、酸化防止剤の使用を極力抑えているため、若いビンテージながら二酸化硫黄の臭いは全くなく、しっかりとしたミネラル感とコクとボリューム感のある味わいとなっております。

◆セミナーの後には、5つのワインと6種のチーズをつまんでの恒例の懇親会であります。
一緒のテーブルに座ったうち、男は私一人で、あとは女性5人という、一生のうちにも滅多にないハーレム状態。
私も含め、全てエキスパート資格の保有者だったのですが、仕事でワインに関係しているのは私くらいで、あとは全員ワインが好きでこのセミナーに参加している方たちでありました。昨年に資格を取った方もいらっしゃいますが、実質的なワインのキャリアは皆さん10年以上で、知識も経験も豊かな方ばかり。
話を伺って実感したのは、皆さんほんとにワインが好きで、実によくワインのことを勉強し、知っていらっしゃるということです。私もワインの勉強を始めてかれこれ3年になり、相当の時間を勉強に割いてきたつもりでしたが、本だけの知識が多く、まだまだ何も分かってないなとつくづく感じます。
真に胸を張って「アドバイザー」を名乗るには、この方たちのようなお客さまに満足していただかなければならないわけで、それだけに今後さらに勉強のやり甲斐もあるというものです。

◆懇親会で出されたワイン

       Cote de Brouilly
       MOMMESSIN Cote de Brouilly La Montagne Blue 2005

       Chateau Haut Canteloup
       Chateau Haut Canteloup Cru Bourgeois Medoc 2002

       Sancerre Chavignol
       Sancerre Chavignol Blanc 2008
       Sancerre Chavignol Rouge 2006

       Lorentz Pinot Gris
       Lorentz Pinot Gris Reserve 2007

◆懇親会で出されたチーズ

       懇親会チーズ
Brie aux Truffes、Mimolette 6ヶ月、Comte 12ヶ月、Stilton、Parmigiano 36ヶ月、
Chaume

ブルゴーニュの「テロワール」に関するセミナーは、昨年末に田崎真也さんが講師をされた、ソムリエ協会の特別例会に続き、今回が2回目となります。
お二人の話の中で共通して感じたことは、トップクラスのソムリエともなると、そのワイン自体の知識があるだけではなく、そのワインの基となるぶどうがどんな「テロワール」(という極めて複雑かつ多様な条件)で出来たものなのかまで理解しており、その因果関係からどこの畑からはどんなワインが出来るといった本質を分かっているということでしょうか。
ソムリエ協会の教本には、例えばフランスでいえば個々のAOC名とそのタイプや使用品種が一覧として載っているだけで、その個々のテロワールについての解説はありません。また呼称資格試験もそれらについて問われるだけのレベルであって、それで「合格」したからといって実はワインの本質について何も分かっていなかったわけですね。
ワインを勉強し始めた最初の頃は、なぜブルゴーニュには村どころか畑にまで格付があり、ワインの値段もそれにより大きな差があるのか不思議でありました。その畑の地形や土壌のみならず、そこを吹き渡る風さえもがぶどうに大きな影響を与え、そのままワインに投影されるが故に、他のお酒にはない、奥行きの深さと複雑さを兼ね備えたものになるということを再認識させられたセミナーでありました。
次回のフォローアップセミナーは、8月28日(土)、講師はマンダリンオリエンタル東京の加茂文彦ソムリエです。一次試験の直後になりますが、いい気分で参加したいものです。
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