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「虎の穴」へようこそ!全国大会決勝出場を目標に、日々修行中のワインアドバイザーの日記です。
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明けましておめでとうございます!シュヴァリエ・デュ・ヴァン「中級者ブラインド会」参加
2018-01-10 Wed 01:54
年明けから一週間以上経ってしまいましたが、明けましておめでとうございます

さて、年明け早々の6日の土曜日に、シュヴァリエ・デュ・ヴァンで開かれた『中級ブラインド会』に参加してきました

昨年10月に『WSET Level3』を受験して以来、ピークに達していたモチベーションが一挙にダウンし、分析的なトレーニングをほとんど放棄していたのですが、さすがにこのままではいかん!と、リハビリを兼ねて参加を決めました。

延命師匠のブラインド会は、『中級』といえども出題されるのはコンクールレベルの品種ばかりで、参加者の皆さまも手練ればかりなので、「まあ、一つでも当てればいいか・・・」と、恥を晒すこと覚悟の、逆に気楽な参加であります |ω・`)

この日、出題されたのは次の8種類

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① Roger Goulart CAVA Gran Reserva Josep Valls 2011

果実味に加え、オートリシスからくるパン生地のようなアロマも感じられるため、瓶内二次発酵で造られたスパークリングワインであることは分かったのですが、イタリアのフランチャコルタあたりかなと思ったら、なんとグラン・レセルバのカバでありました。

参加者のほとんどがフランスのクレマンやイタリアのスプマンテと答えた中で、唯一グラン・レセルバまで当てたのは、昨年のブラインドコンテストで準優勝された大塚さんのみで、流石というしかありません。


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② TAKIZAWA WINERY Kerner 2016

2番目の白ワインは、明らかに濁りが見られ、香りも漬物のようないささかクセのある香りにマスキングされ、品種特性香が分からなかったのですが、ビオワインならロワール辺りのシュナンブランだろうと答えたところ、なんと北海道のケルナーでありました。
いわれてみれば、ケルナー特有の甘い香りが・・・。
不思議とネタを明かされると、そのブドウ品種の香りが感じられるのが、いつも不思議に感じるところであります(´・_・`)


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③ (左)TEMPESTAD GODELLO 2010

④ (右)Apricus Hill Semillon 2015

3番目の白は、スペイン・バルデオラスのゴデーリョ、4番目の白はウエスタン・オーストラリアのセミヨン。


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⑤ 宇霊羅(岩手県くずまきワイン) 品種:山ブドウ

色はルビーというよりマゼンタそのもので、赤いベリー系のフレッシュな香りがプンプン。
マスカット・ベーリーAくらいしか思いつかなかったのですが、なんと岩手県の『山ブドウ』ワインでした。

2番目のケルナーをはじめとして、この辺りのワインが“しれっと”出されるところが延命ブラインド会の怖ろしいところでありますが、やはり日本のワインももっと知らねばと思い知らされますΣ(゚□゚(゚□゚*)

さて、ここまでで5戦全敗となりましたが、このままズルズルと終わってしまうのかと思われたところで、救世主出現。

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⑥ C.V.N.E El Camino Bierzo Mencia 2014

豊かな果実味を感じるものの、新世界ほど力強くはなく、むしろハーブや香木のような繊細なニュアンスを感じたため、「スペインのメンシア」とコールしたところ、これがズバリ的中!!
昨年、六本木のキュリオシティで出され、微かに記憶の片隅に残っていたことも幸いでありましたが、これは素直に嬉しいですね(*´∀`人 ♪


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⑦ Vinhas Velhas Red 2007 (品種:Baga)

7番目の赤ワインは、見るからに熟成感があり、しかし収斂性のあるタンニンからネッビオーロ(バローロ)かとも思いましたが、それよりは色素の濃いブドウ品種に思えたため、イタリア、タウラージ、品種:アリャーニコ 1995 とコールしましたが、なんとポルトガルのバガでありました。
これはWSETの講義でも出されたこともあるブドウ品種で、それを思い出したいところでしたが、同じく講義に出された熟成感のあるアリャーニコの印象がより鮮明であったため、間違ってしまいました。


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⑧ Rivesaltes Rancio

最後の8番目は酒精強化ワインで、その色合いや加熱風味とやや甘味を感じたため、マデイラ・マルヴァジアとコールしまたが、フランス、ルーション地方のリヴザルト・ランシオでありました。

終わってみれば、やはりかなりクセ球が多かったのですが、ズバリ当てている方や、かなり近い答えを出している方も多く、「やはりまだまだ修行が足りないな~」という反省ばかりが先に立ちます。

今年は呼称資格試験の受験予定は今のところないのですが(WSETのDIPLOMAは、先ず英語を勉強しなおす必要があるため、2~3年掛りで受けようかと^^;)、昨年同様に5月にテイスティングコンテストの予選があるならば、また是非出場してみたいと考えております。

では、仕事の方がクソ忙しく、なかなか更新ができませんが、本年もよろしくお願い申し上げます
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荒木町ワイン会「リースリング産地別比較の会」参加
2017-11-20 Mon 01:44
数あるワイン用高貴品種の中で、黒・白合わせどの品種が一番好きなのかと問われれば・・・、今なら迷わず『リースリング』と答えるでしょう。

もちろん、ピノ・ノワールも大好きですし、そのほか魅力的な品種は沢山あるわけですが、たった一つ選べと言われれば、やはりリースリングを選びます。

同じ白の人気品種といえば、いうまでもなく圧倒的にシャルドネになるわけですが、白ワインの樽香は本来好きではなく、どうもシャルドネはボディが豊か過ぎて飲み疲れてしまい、途中で飽きてしまいます。

その点、リースリングは樽のお化粧を施さずとも、数十年以上も若々しさを保ったまま長期熟成が可能で、スリムなボディながらも豊かでシャープな酸が引き締め、飲み飽きることがありません。

その魅力を一言で言い表すとすれば、まさに“エレガント”そのものということが出来ます。

そう、まさに青少年の頃の憧れであった、銀河鉄道999ヒロイン“メーテル”のような・・・(謎

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※この画像はイメージです


前振りが長くなってしまいましたが、わが延命師匠が移られた、四谷三丁目にあるフレンチ『シュヴァリエ・デュ・ヴァン』で、11月18日(日)に開かれた、「リースリング産地別比較の会」に参加してきました。

ドイツやフランスはもちろん、オーストラリアやオーストリア、アメリカといった世界の代表的な生産国(地域)から、8種類のリースリングがブラインドで出され、それを推測していくというものでした。

一応ドイツワインケナー上級も取っているし、今年はWSETの講義でも世界のリースリングを何種類も試しているため、何よりも大好きな品種なので、半分は当たるかなと高を括っておりましたが・・・。

結果は、大惨敗でありました・・・・゚・(つД`)・゚・

今更ながらですが、ほんとにブラインドは難しい・・・。

WSETを受講して、少しはワインのことが分かってきたような気になっておりましたが、全くわかっていない・・・。

本家ドイツのものをニューワールドと間違えたり、その逆もあったり・・・。

それでも、やっぱり・・・、リースリングのワインはほんとに美味しいことだけは分かりましたがw

この日、出されたワインたち・・・。

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右から

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① Trittenheimer Sommelier Selection torocken 2015


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② Saar Reiesling 2013


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③ Bischofliches Weingut Rudesheim "Laudate" Rudesheim trocken 2014


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④ St Hallett Eden Valley Riesling


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⑤ Grosset Springvale Riesling S’15 


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⑥ Riesling Hugel 2013


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⑦ Anthony Road Dry Riesling 2015


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⑧ Nikolaihof Von Stein Riesling Federspiel 2006


ちょうど一ヵ月前にWSETの試験があってから、受験勉強の反動もあって、ここしばらくボーッと過ごしてしまっておりました。

しかし、これではいけませんね^^;

来年春にはまた、ブラインドコンテストにチャレンジしてみようと思いますので、再度気を引き締めていきたいと思います!
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日本ソムリエ協会2016年度関東支部第3回例会セミナー「日本の風土を活かしたワイン造りを求めて」参加
2016-05-01 Sun 03:03
既に先週のことになりますが、4月21日(木)に山梨県で行われました日本ソムリエ協会関東支部のセミナーに参加してきましたので、今回はその模様を。

この日は午前中に韮崎市にある山梨マルスワイナリー日之城農場を見学し、午後に甲府駅前の会場で「日本の風土を活かしたワイン造りを求めて」というテーマで、山梨マルスワイナリーの醸造責任者である田澤さんと栽培責任者である河野さん、「アピシウス」の情野シェフソムリエを講師に、山梨のワインの現状を解説していただくというセミナーでありました。

      山梨マルスワイナリー日之城農場1

      山梨マルスワイナリー日之城農場2

      日之城農場案内板1

      日之城農場案内板2


午前中に訪れた山梨マルスワイナリー日之城農場のブドウ畑。
普段は一般公開されていない畑で、今回ソムリエ協会の要請で見学できることとなりました。

標高約500m、2.2haの広さの畑に、赤用品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラー、カベルネ・フラン、シラー、プティ・ヴェルド、白用品種はシャルドネ、ヴィオニエなど欧州系品種が、本格的な垣根仕立てで栽培されております。

      垣根仕立て(コルドン)シャルドネ

これは垣根仕立て(コルドン)のシャルドネ。まだ展葉が始まったばかりなので、仕立て方の様子がよく分かります。

      垣根仕立て(ギヨー・ドゥーブル)プティ・ヴェルド

これは垣根仕立てでもギヨー・ドゥーブルのプティ・ヴェルド。赤ワイン用はボルドー系品種が中心となります。


      日之城農場メルロ


      日之城農場カベルネ・ソーヴィニヨン

上の画像がメルロ、下がカベルネ・ソーヴィニヨンとなりますが、他のブドウ品種が葉っぱを出しているのに、カベルネ・ソーヴィニヨンだけはまだ芽の状態で、いかに晩熟型のブドウかがこれで分かります。

      粘土質の土壌

土壌は粘土質が多く、乾くとカチカチで写真のようにひび割れた状態になりますが、雨が降るとドロドロになり靴にへばりつく状態になるとか。
この日は雨の降る直前に訪れることができ、なんとかきれいな状態のまま見学することができました。

      日之城農場獣除けネット

イノシシや鹿による食害が深刻、特に鹿は新芽をことごとく食べてしまい、ブドウが出来なくなってしまうとのことで、畑の回りには人の背よりも高い、防除のための網が張られておりました。

      日之城農場:蛾の幼虫に食い荒らされた状態のブドウ樹

これは蛾の幼虫が入り込み、食い荒らされてしまった幹の部分。畑の周りには雑木林が多いため、害虫の防除も問題となっているそうです。

      関東支部第3回例会セミナー:テイスティングアイテム1

      関東支部第3回例会セミナー:テイスティングアイテム

お昼に山梨名物の“ほうとう”を堪能した後、セミナー会場の「ベルクラシック甲府」に移動。
日之城農場でも説明を受けた醸造責任者の田澤さん、栽培責任者の河野さん、情野ソムリエによるセミナーに参加。

先ず“日本ワイン”の現状についての解説を一通りいただいた後、日之城農場で収穫されたブドウで造られたワインを含む8アイテムを商品コンセプトや醸造法などの説明をいただきながらテイスティング。

画像左より、

①「穂坂シャルドネ&甲州スパークリング」2014(白・泡辛口):爽やかな柑橘系果実の香りとシャープな酸味のスパークリング。甲州をアッサンブラージュすることにより軽やかでさわやかなスタイルに。これから暑くなる季節に楽しみたい泡であります。

②「甲州ヴェルディーニョ」2014(白・辛口):水のように淡い色調。青リンゴや和の梨の香り。アタックにやや甘味を感じる。爽やかな酸味が全体を支え、アフターには甲州らしい心地よい苦みが後味を引き締めます。

③「シャトーマルス・プレステージヴィオニエ&甲州」2014(白・辛口):この日見学した日之城農場のヴィオニエと穂坂地区の甲州で造られたアロマティックな白ワイン。緑がかった淡いレモンイエローの外観。ヴィオニエらしいマスカットやライチの華やかな香り。酸味はまろやか。しっかりとしたボディとアルコール感のある辛口白ワイン。

④「シャトーマルス穂坂マスカット・ベーリーA コールドマセレーション」2014(赤・ミディアムボディ):若々しい明るいルビーの外観。チェリーやキャンディのような甘い香り。低温浸漬とMLFしないことにより、冷やしても美味しい軽快な味わい。赤にしてはシャープな酸味とサラサラとしたタンニンで、暑い季節に冷やしてカジュアルに楽しみたいライトな赤ワイン。

⑤「シャトーマルス カベルネ・ベーリーA 穂坂収穫」2014(赤・ミディアムボディ):濃いルビーの外観。ブルベリーやメントールの香り。やや収斂性のあるタンニン。カベルネ・ソーヴィニヨンの持つ“力強さ”とマスカット・ベーリーAの持つ“柔らかさ”がほどよく調和し、若いうちから気軽に楽しめる赤ワイン。

⑥「シャトーマルス キュベ・プレステージ 穂坂日之城シャルドネ」2014(白・辛口):グリーンがかった濃いイエロー。粘性は強く、エキス分の濃いしっかりとしたワインであることを予感させます。まろやかながらも量感のある酸味と、クリーミーでしっかりとしたボディの飲みごたえのある、ブルゴーニュを想わせるシャルドネ。この日見た樹から出来たワインかと思うと、また格別な味わいがあります。

⑦「シャトーマルス キュベ・プレステージ 穂坂日之城キャトル・ルージュ」2009(赤・フルボディ):セパージュはメルロ、カベルネ・フラン、シラー、プティ・ヴェルドのアッサンブラージュ。“キャトル”のコンセプトは『その年の味わいを表現する』ことにあり、この年はカベルネ・ソーヴィニヨンの出来が良すぎて、その特徴が出過ぎてしまうため使用していないとのこと。外観は赤みがかった濃いガーネット。カシスやブラックベリーのコンポート、カベルネ・フランらしいヴェジタルのニュアンス。アニスのようなオリエンタルスパイスのニュアンスもあり、複雑性と熟成感を感じます。円みのある酸味とタンニンが心地よい、バランスの良い赤ワイン。

⑧「シャトーマルス キュベ・プレステージ 穂坂日之城カベルネ&メルロー遅摘み」2013(赤・フルボディ):紫がかった濃いルビー。ブルベリー、ブラックベリーのような黒い果実の凝縮感のある香り。仄かにメントールのような清涼感のある香り。まろやかな酸と豊なタンニン、豊満でしっかりとした骨格のある、スケール感のあるフルボディの赤ワイン。


日之城農場のブドウで造られたワインは、最も高いものでも6,000円ほど(本体価格)ですが、2.2haの規模でこれだけの品種を植えているので、当然ながら採算は取れないそうです。

この畑はあくまで“試験農場”の位置づけということもあり、また日本のワインでこれ以上の価格ではなかなか売り辛いということもあるのでしょうが、講義の中で田澤さんが仰られていた「自分たちが造りたいワインを造る」という言葉が非常に印象的でありました。

ここ十年で飛躍的に向上してきたといわれる日本のワインですが、やはりブドウを育て、それをワインに造り上げていく方々の情熱がその原動力となっていることが再認識出来ただけでも、朝早く起きて山梨まで来たかいがありました。

そしてその情熱を受け継いで消費者に伝えるのが、我々ワインアドバイザー(今年からソムリエ呼称になってしまいますが・・・)の使命なのでしょう。

また今度、ブドウが色づく季節にでも、再度山梨を訪れてみたいと思います
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日本ソムリエ協会関東支部第6回例会セミナー参加
2014-12-01 Mon 22:27
一週間前の「シャンパン&ワインバー アペリティフ」でのテイスティング勉強会で大惨敗を喫した直後、幕張のニューオータニでテイスティングをテーマにしたセミナーが開かれるのが分かったため、お休みを取って出かけてきました。

なにせセミナーのタイトルが「ワインテイスティング白熱教室」となっており、講師が現在の日本のトップソムリエの一人である谷宣英さんとあっては、万難を排して行かざるをえません!


日本ソムリエ協会 2014年度 関東支部 第6回例会セミナー

【日時】:2014年12月1日(月) 14:00~16:00
【会場】:千葉県千葉市美浜区ひび野 ホテルニューオータニ幕張 2階「鶴の間」
【テーマ】:「ワインテイスティング白熱教室」
【講師】:谷 宣英  ホテルニューオータニ トゥールダルジャン シェフソムリエ
             第6回全日本最優秀ソムリエコンクール優勝
             第13回A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクール日本代表


テイスティングを何故行うのかについての目的やそのやり方については、概ね日本ソムリエ協会の教本通りの解説がありここでは割愛しますが、面白かったのはソムリエ、ワインアドバイザー、ワインエキスパートそれぞれの代表一人ずつがステージに登壇し、ブラインドでコメントを述べ、それについて谷さんが質問や解説を加えていくという形式で行われたことであります。

もちろん会場の参加者全員もブラウインドで、5種類のワイン(白3・赤2種類)の外観・香り・味わい・そのワインの評価について考えていき、最後にぶどう品種、産地、ヴィンテージについて結論を述べるというものです


1番目の白ワイン・・・

      1番目白ワイン

外観は澄んで輝きのあるイエロー。
「あれ、グリーンのトーンがないな・・・、さては熟成タイプなのかな?」と考えていたところ、それを察したように「会場の照明の具合で黄色みが強く感じられ分かり難くなっていますが、これははっきりと緑色を帯びた淡い色調のワインなので注意してください」との谷さんの注意がありました。
なるほど、先ずは冷涼産地の若々しい白ワインという仮定に基づいて分析を進めていく必要があるようです・・・。

香りはグレープフルーツのような柑橘系果実にリンゴ、低温発酵由来と思われる吟醸香のような白い花の香り。樽のニュアンスは感じられず、ステンレスタンク発酵・熟成のクリーンな造りと思われます。

味わいはドライでシャープな酸味を感じ、後味に若干の心地よい苦みも感じます。

第一印象は、そのヴォリューム感から「ブルゴーニュのシャルドネか・・・」と思ったのですが、樽のニュアンスが全く感じられなかったことと、ソムリエ代表でコメントを述べた工藤さんも仰っていたように若干のイースト香を感じたため「フランス、ロワール地方、ミュスカデ、2012年」と記入。

正解は・・・

Chablis 1er Cru Montmains 2012 Domaine Jean Claude Bessin

ぶどう品種:シャルドネ×  産地:フランス、ブルゴーニュ地方、AC:シャブリ・プルミエ・クリュ× 収穫年:2012年○

ミュスカデにしては粘性が強く、ややアルコール度数も高いように思え多少違和感があったのですが、「アルコール度数が高いなと感じた時点で、分析をやり直さなければなりません」との谷さんの解説。
なるほど・・・。


2番目の白ワイン・・・

      2番目白ワイン

外観はグリーンのトーンがあるものの、一番目よりは明らかにイエローの色調が強く、濃淡も濃いのが分かります。
粘性も強くねっとりとした感じで、明らかに日照量の多い場所で栽培され、熟度が高いぶどうで造られた印象。

香りも熟れた洋ナシや黄桃、アプリコットのようなトロピカルフルーツに、ナッツやヴァニラのような木樽のニュアンスも強く感じられます。

味わいのアタックは強めで、アルコール度数の高さからまろやかな甘味と柔らかな酸味を感じます。まだ熟成のニュアンスはないものの、樽由来と思われる心地よい苦みもあり、ふくよかさと厚み、複雑性を感じさせる白ワイン。

「こりゃ典型的なニューワールドのシャルドネか・・・、なるほど伝統国の冷涼産地と新世界の日照時間の長い産地の違いの比較でありますか・・・」と考え、「アメリカ、カリフォルニア州ソノマのシャルドネ、2010年」と記入。

正解は・・・

Chardonnay Noria 2012 Nakamura Cellars

ぶどう品種:シャルドネ○  産地:カリフォルニア州、ソノマ○  収穫年:2012年×

これは比較的分かりやすい要素が多かったので品種・産地ともに久しぶりの正解 ^-^


3番目の白ワイン・・・

      3番目白ワイン

外観は澄んで輝きの強い、淡いレモンイエロー。3つの白ワインの中では最も淡い濃淡ではありますが、粘性はしっかりしており、熟度の高いぶどうで造られた印象。

香りはとても開いており、グレープフルーツのような柑橘系果実に加え、パッションフルーツのようなトロピカルフルーツに爽やかなハーブ香が豊かに感じます。
ミネラルよりもフルーティな果実味が前面に感じられることから、「マールボロのSBか」と第一印象で思ったのですが、このセミナーの主旨としてフォームに沿ってしっかりと分析していくのが目的でありますので、味わいについての分析を続けます。

味わいはやや強めのアタックにドライな辛口、酸味はしっかりと感じられ、ハーブのような爽やかさとともに余韻となって続きます。バランスは溌剌としてドライ。若々しくシンプルでフレッシュ感を楽しむワイン。
これも比較的果実味が前面に感じられるニューワールドの分かり易いタイプであったため、「ニュージーランド、マールボロのソーヴィニヨン・ブラン、2013年」と記入。

正解は・・・

Sauvignon Blanc 2013 Dog Point

ぶどう品種:ソーヴィニヨン・ブラン○  産地:ニュージーランド、マールボロ○  収穫年:2013年○

さすがにロワールのように香り・味わいともに控えめでミネラル感の強いものとは違い、ハーブやパッションフルーツの香りプンプンのマールボロを外す訳にはいきません ^^;


4番目の赤ワイン・・・

      4・5番目赤ワイン

外観は澄んで輝きのあるルビー。濃淡は非常に濃いわけではありませんが、粘性は強く、よく熟したぶどうで造られた印象。

香りはブルーベリーやカシス、ブラックベリーのような黒い果実中心で、スミレのような若々しさを感じさせる第二アロマと、樹脂、丁子のようなオリエンタルスパイスといった上品な樽のニュアンスも感じます。

味わいのアタックはやや強めで、甘味と酸味はまろやか。タンニンも滑らかで溶け込んでいます。
バランスはふくよかで肉厚ではありますが、新世界のように力で押してくるところがなく、とても上品な造り。
カベルネ・ソーヴィニヨンにしてはタンニンが滑らかなのが気になりましたが、ミントのような清涼感を感じたため、「フランス、ボルドー地方、メドック地区のカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロのブレンド、2010年」と記入。

正解は・・・

Saint-Emilion Grand Cru 2011 Chateau Quinault l'Enclos

ぶどう品種:メルロ83%、CF12%、CS5%△  産地:フランス、ボルドー地方、サンテミリオン地区△  収穫年:2011年×

ボルドーはボルドーでも、メルロ主体のサンテミリオンでありました。
やはりCSとメルロではタンニンの質が異なり、その質の違いについて深く分析していく必要がありました・・・orz

このシャトー・キノ・ランクロは、ぶどう畑の土壌には恵まれていないものの、ピジャージュや逆浸透膜、ミクロビュラージュ、樽内マロラクティック発酵など近代的な醸造技術を駆使し、人の力で高品質のワインを造りだすシャトーの典型とのことです。


5番目の赤ワイン・・・

澄んで輝きのある、紫がかった濃いルビーの外観。
粘性はねっとりととても強いことからアルコール度数が高いものと推測されます。

香りも4番同様にブルーベリーやカシスといった黒い果実シリーズが中心ですが、アメリカンオーク由来と思われる、ヴァニラというよりはココナッツのような甘い樽香が印象的。

味わいのアタックは強めで、味わいはドライ。タンニンは滑らかではありますが、全体的に力強く果実味が前面に感じられることからニューワールドのものか・・・。

新世界としても、色調はCSやシラーのように黒味を帯びてはおらず、タンニン・酸味も円みを感じ、アメリカンオークを使用していると思われることから「南オーストラリアのメルロ、2011年」と記入。

正解は・・・

Zinfandel Sonoma County 2012 Seghesio Family

ぶどう品種:ジンファンデル×  産地:アメリカ、カリフォルニア州、ソノマカウンティ×  収穫年:2012年×

やっぱりね・・・。メルロにしては香りのアタックに違和感があったのですが、そこまで分析しきれなかった・・・。
しかも一週間前のテイスティング勉強会でもジンファンデルは出されたばかりなのに、その片鱗も思い浮かばなかった・・・ (ノд`@)アイター

この日出されたワインたち・・・

      セミナー使用ワイン


最後のまとめとして、三つの呼称資格それぞれのテイスティングをする目的が挙げられましたが、アドバイザーの目的としては、
「コストパフォーマンスの高いワインを探すこと」
「TPOや料理、飲み方の提案をすること」
等々が重要なのは仰るとおりであり、決して品種や産地あてのゲームではないことは自明であります。

もっともコンクールにおいてはそれを当てなければ、最終的に勝つことが出来ないことも事実ではありますが、日頃の訓練においては基本のフォームに沿って分析を積み重ねたうえで結論を導き出すことが重要であり、初心に帰ってその訓練を地道に積み重ねていきたいと思います。
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「ヒューゲルワインセミナー」参加(6月7日)
2014-06-09 Mon 05:31
このブログを通じて懇意にさせていただいているKさんより、自由が丘ワインスクールで行われる「ヒューゲルワインセミナー」にお誘いをいただいたため、一昨日(6月7日)参加させて頂きました。

講師は来日されている、HUGEL&FILSの12代目当主であるエンティエンヌ・ヒューゲル氏。

ヒューゲルのワインというと、アルザス地方のワインとしては日本でもポピュラーで、割合カジュアルな価格帯のものも多く、これまで何度も試す機会はありましたが、当主のお話を直に伺うのはこれが初めてとなります。
400年近いヒューゲル家の歴史や、ぶどう栽培やワイン造りに対する考え方を直接伺うと、やはり情熱をもった素晴らしい生産者であることが分かります。

奥様は昨年結婚された日本人の方ということで、親日家でもあり、飾らないお人柄で終始和やかな雰囲気の中でお話は進んでいきます。

この日、セミナーで出されたワインは白が5つ。

      リースリング2012&リースリング・ジュビリー2007

左から ① Riesling 2012  ② Riesling Jubilee 2007

①の2012年はボルドーではあまりよくない年でありましたが、アルザスではとても良い年であったそうです。
モーゼルのリースリングのように、とてもシャープで爽やかな酸味が印象的なワイン。しっかりとしたミネラル感は共通するものの、味わいもやさしいモーゼルに比べかなりドライで、キリリと引き締まった印象を受けます。
これからの蒸し暑い季節に食前酒として最適と思われますが、お刺身やお寿司などの和食と是非合わせてみたい白ワインであります。

②は色調の深さからしてただならぬ凝縮感を感じさせるものがありますが、2007年は、アルザスにとって過去25年間でも完璧なヴィンテージであったそうです。それが特級畑のシュナンブールという最高のテロワールから生み出されるわけで、熟した桃や蜂蜜のような甘い香りとやさしい味わいの中にもしっかりとした骨格と複雑性があり、やはりリースリングというブドウは偉大な品種なんだと実感されます。
「これから10年は熟成可能」ということですが、たしかに一口含んだだけでもそのポテンシャルの高さを充分感じ取ることができるワインです。

      ピノ・グリ・ジュビリー2008&ゲヴュルツトラミネール2011

左から ③ Pinot Gris Jubilee 2008  ④ Gewurztraminer 2011

③ヒューゲルの最良区画特級畑スポーレンの粘土質土壌と、フロスティグ畑の石灰質土壌の最良区画より厳選されたピノ・グリから造られるワイン。
ヒューゲルさんが「ブルゴーニュに近い造り方をしている」とおっしゃるように、たしかにブルゴーニュのMLFされたシャルドネのようにふくよかで、「バターのような」フレーヴァーとミルキーなとろみを感じさせるボディのしっかりとした白ワイン。
アルコール度数がなんと14.5度もあるのですが、そのアルコール分の高さを感じさせないバランスの非常に良い白ワイン。
「最近は残糖を多く残すタイプのスタイルが増えているが、食事と合わせることを重視し、ドライに仕上げている」とのこと。

④ゲヴュルツらしく、香りはとてもフローラルで華やかそのもの。ライチやパイナップル、パッションフルーツのようなトロピカルフルーツとバラやユリのようなアロマティックな香りの中に、白胡椒のようなスパイシーなニュアンスも感じられます。
単にフローラルなだけでなく、しっかりとした骨格を感じさせるところがアルザスらしいところ。
食前酒として最適でしょうが、大好きなカレーに合わせて味わってみたい白ワイン。

      リースリング ヴァンダンジュ・タルティヴ2009

⑤ Riesling Vendange Tardive 2009

“遅摘みワインに関する法律を起草したヒューゲル家にとって、何世代にもわたる特別なワインです。特別な機会に大切に飲まれる、偉大な力と寿命をともなったワインです”
というように、特級畑シュナンブールの最も古い区画から、最高の年にしか造られない特別なワイン。
外観はまだグリーンのトーンが残り、香りや味わいもまだフレッシュさが残ります。蜂蜜や黄桃のような凝縮したフルーツの甘い香りと味わいがありますが、エレガントな酸が全体を支え、残糖の高さを感じさせない調和のとれた魅力的なワイン。
「デザートワインの分類ではありますが、このワインは甘いデザートとではなく、是非フォアグラやブルーチーズと合わせてほしい」とヒューゲルさん。
また「このワインは是非“ハニー”(愛する人)と一緒に飲んでいただきたい。」「このワインを買ってくれない彼氏や旦那さんはダメです」と会場の笑いを誘っておりましたo(*^▽^*)o~♪


      エンティエンヌ・ヒューゲルさんと

セミナーのあとにヒューゲルさんとツーショット。

      サイン入りリースリング2012

購入したワインにサインもしていただきました

      ヒューゲルのお箸と箸置き

おまけにいただいた、ヒューゲルの文字が彫ってあるお箸と箸置き。
カバーの「お箸が恋するワイン」というのが、なんとも洒落ています。


普段何気なく飲んだりお店で見かけるワインであっても、実際にその生産者の方にお話を聴き、その造るワインに対する想いと情熱に接すると、またより格別なものに思えてきます。

このような貴重な経験の機会を与えていただきましたKさんに感謝致します('-'*)アリガト♪
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